風-私は抗いトンビは乗る
向かい風が強い朝
自転車が思うように進まない
会社に行くまでの道のりが
いつもより長く
いつもより足が重く
こんなにしんどい思いをして
行く場所は会社
またいつもと変わり映えのない一日が
始まることを知っているのに
どうしてこんなに頑張って漕いでいるのだろう
いよいよ駐輪場に着く頃
空を見上げると
大きな羽を広げて
風に乗るトンビを見つけた
そういえばいつも
風が強く吹く日に現れるこのトンビ
私が必死に抗ってきた風に
まるで私に阿呆らしいなぁと言っているかのごとく
目の前を気持ちよさそうに飛ぶ
そう、
風に逆らう方が不自然だ
風があるならその風に身を任せて
自然が導く方向に勝手に進めてくれる
人生も同じ
私たちが行うすべてのことには
然るべきタイミングというものがある
タイミングに逆らって決めたことや行いは
あまり良い結果を伴わないことが多い
そういう時は決まって
行動前に
モヤモヤ
イライラ
焦り
を感じている
少しでもそういう風に感じたら
自然じゃないなと気づいて
やめるのが適。かもしれない。