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日記 2025.1.19(日) お父さんと味噌づくり。

5時30分、アラームで目覚める。本日はお母さんは日帰り旅行、お父さんとわたしは朝から味噌づくりをする。

起き上がりお母さんは自分の支度、わたしは台所で朝ごはんの支度をしていく。わたしが台所に来たら隣のお父さんの部屋でピッと音が鳴り電気が付いたようだった。出発時間に間に合うように、みんなで力を合わせる。

明太子と海苔の卵焼きをつくることにしたので準備していく。古くなった海苔の使い道に困っていたのでちょうどよかった。お魚用の長細いお皿に蒸し茹でしたブロッコリー、棒鱈煮、無塩の梅干し、卵焼きをのせる。棒鱈煮の上にはにんじんの葉っぱを添えた。水に浸しておいたヘタから伸びてきたやわらかいニンジンの葉っぱは飾りに使えて重宝する。お味噌汁とご飯、ご飯の上には納豆を乗せて、と途中でしまったと気づいたがもう遅かった。味噌づくりの日には納豆を食べることは控えた方がいいというのをすっかり忘れていた。納豆菌は最強の菌で麹菌の繁殖を妨げてしまうらしいのだ。換気をしてマスクをしながら作業をすればいいかなと朝ごはんを食べながらみんなで話した。

お母さんは予定の時間に間に合うように出かけて行った。昨日はお父さんからお小遣いももらったし、るんるんご機嫌なお母さん。楽しんできてねと元気に見送った。

お父さん宛に弟と甥っ子が午後から来ると連絡あり。なんとなくそんな気がしていた。12時半からはお父さんはひろしま男子駅伝を観たいらしいので午前中に味噌づくりを終わらせようと段取りを組む。冷凍庫から麹を取り出し解凍していく。昨日の午前中から水に浸しておいた大豆を鍋に移す。楕円に膨らんだ大豆。まあるい豆が水に浸すと細長くなるのが不思議でたまらない。今年は大豆を植えて豆のことをもっと知りたいと思った。

味噌づくりに使う鍋やたらいなどの準備は昨日のうちに終わらせておいた。うちにはミンサーという大豆やお肉などをミンチ状にする機械があるのでお母さんからお父さんに使い方を指導しておいてくれてたようだ。時間はかかるが楽しいし、大豆は手でつぶそうと思っていたわたしだったが、お父さんはそんな効率のわるいことはしたくないという雰囲気。機械を使うことが大好きなのでミンサーを使う気満々だ。

お父さんがコーヒーを差し入れてくれて飲みながら準備を進める。7時半ごろひとつ目の大豆を茹で始めた。まずは1kgの大豆、15分後に500g、さらに30分後に300gの黒大豆を茹でていく。時間をずらしながら茹で上がり時間を調節してみようと思ったのだった。

お父さんが台所へやってきた。エプロンとマスクと腕抜きをして完全防備。わたしよりもやる気満々のお父さんがなんとも心強い。味噌づくりの工程はシンプルなので人に説明しやすく初めてでも難なくつくることができると思う。去年何度か仕込んだだけのわたしでも体が味噌づくりの感覚を覚えている。

カレンダーの裏に大きく書いた材料表を見せながらお父さんに塩と麹を計量して混ぜてもらう。わたしは時々鍋の中の大豆の様子を確認しながらその間に洗濯物を干したり、着替えたりしていく。お父さんは塩と麹とをしっかり丁寧に混ぜ合わせてくれた。

10時ごろに最初に茹で始めた大豆がやわらかくなった。ざるに濾しておたまですくい、ミンサーにかけていく。ここは全部お父さんに任せる。普段は雑なところも多いお父さんだがこういうことは几帳面に丁寧にやってくれる。やっぱり味噌づくりや料理はお父さんに向いていると思う。これからもどんどんこういうことを一緒にやってみたい。

ミンサーを使うとあっという間に大豆がつぶれた。味噌づくりでいちばん大変なのが大豆をつぶす作業かもしれないからこれが済んでしまえばあとは一気に進んでいく。麹と塩とを合わせておいたものとつぶした大豆とを混ぜ合わせる。味噌玉を作らず保存容器に移していくのでやややわらかめに、煮汁を多めに加えてかたさを設定していく。ここでもお父さんは丁寧に慎重に、水分量を見定めようとしてくれる。蕎麦打ちで水分量の大事さを学んでいたらしい。
保存容器に味噌を詰めていく。やや投げつけるように、空気が間に入らないように詰めていく。ガーゼを敷いてその上に酒かすを敷き詰めてフタをする。これがカビ予防になる。

あっさりと味噌づくりは終わってしまった。機械を使ったこととお父さんが思った以上に手際が良かったのでほんとうにあっという間に終わった気がした。でも楽しくていい時間だったな。
材料や道具を買って用意するお母さん、丁寧な仕事をするお父さん、段取りを組んで全体を見ながらやっていくことが得意なわたし。それぞれの得意を持ち寄りながらつくった味噌。この味噌が一年後にわたしたちの暮らしを支えてくれるようになる。

今年最初の味噌づくりは3種類の味噌を仕込んだ。
①麹2.2倍味噌(出来上がり約5kg)
・大豆         1kg
・生麹        2.2kg
・塩(海の精)                   500g

②麹2.2倍味噌(出来上がり約2.45kg)
・大豆        500g
・生麹       1.122kg
・塩(海の日記)                 250g

③黒大豆 麹2.1倍味噌(1.5kg)
・黒大豆       300g
・乾燥麹       620g
・塩(海の日記)                 150g

ミンサーを使い、二人がかりでつくる際は大豆を茹でる時間は特にずらす必要はなさそうだ。ひとりで全工程をこなす場合は一気に三種類の味噌を仕込むことは到底無理だと思うし、ひとりの場合はもっとゆっくりと、すべての工程に時間をかけながら楽しんでやってみたいと思う。今日仕込んだ分はだいたい二人暮らしの一年分に相当する量ができると思う。今度はわたしの分の味噌を作っていこう。麦麹を使って大好きな麦味噌をたっぷり仕込んでみたい。わたしの味噌づくりはまだ始まったばかり。

7時半ごろから始めた味噌づくりは12時前に終わった。疲れもなく片付けまでスムーズでお父さんとわたしの息はぴったりだった。今日は天気も良くて気温も高め。使った道具をみんな外に出して天日で乾かす。近所のおじちゃんが用事でやってきて久しぶりに話をする。とんどに参加していなかったおじちゃんは当日寝込んでいたらしい。わたしがいたなら行けばよかったと言ってくれてうれしかった。小さな頃からわたしはおじさんたちの中に混じるのが好きで、おじちゃんにもよくしてもらってきた。おじちゃんの前ではわたしはまだまだ子どもの時のまま無邪気なままでいられる。言い回しはきついが愛があるとわたしは知っている。帰り際に元気でやれよと言うおじちゃんに向かって、おじちゃんも元気でいてよーと声をかけた。

お昼ごはんはお歳暮のハムに塩もみにんじん、大根おろしの酢の物。ご飯がお昼でちょうどぴったりなくなった。ご飯の片付けをしてまだ台所にいたくてさつまいもを蒸していく。傷み始めていたさつまいもをチェックして食べられそうなところを切って蒸した。蒸したさつまいもがいつでもある食卓はしあわせだ。洗濯物を取り込んで畳み終え、台所へ戻ったら弟と甥っ子がやってきた。

ハイハイが少しずつできるようになり、つかまり立ちをしたり動き回る範囲が広がってきている。同時に興味の幅も広がってきている様でこれまでほとんど興味を示さなかったわたしのクマにもようやく興味を示し始めたのが印象的だった。わたしはクマを使って会話するのが得意なのでこれは嬉しい。

弟は甥っ子とうちに来るといつも寝転がりくつろぐ。甘えん坊だった頃の弟に少しだけ戻る。自分の場所は自分でいちからつくっていきたい弟だが、時々こうして小さな頃のように振る舞うことは必要な時間なのだろう。そうできるようになったのも赤ちゃんが産まれてからのことだから、やっぱり子どもが教えてくれることって大きいなと思う。

台所の畳二畳分くらいのカーペットの上に4人でぎゅっとかたまりはしゃぐ。北酒場をみんなで歌ってみたりお父さんとわたしでクマになって話かけたり、みんな赤ちゃんの気を引こうと必死になった。

16時過ぎに二人は帰っていき、わたしは夕飯の準備をしていく。お父さんは朝から味噌づくりに駅伝に、弟と孫がやってきたりしてすっかりご飯を炊くのを忘れていたようだったが声をかけるとそうだったと台所にやってきた。今回は玄米5合、八分つき米1合の割合で炊いてみようと準備していく。飽きっぽいお父さんだが日常のこと、食べることは飽きずにできている。

豆苗と厚揚げのナムル、わかめとエリンギのバター味噌炒め、お味噌汁と炊き立てご飯の夕食。お母さんも無事に帰ってきてみんなで夕飯。少しだけ残っていた日本酒をみんなで分け合って飲んだ。バター味噌炒めはお母さんとわたしで美味しい美味しいと絶賛。簡単だし美味しいし、今度はたっぷり作ろうと思った。
食後にお母さんのお土産のプリンをいただく。お父さんからもらったお小遣いでちりめんやキス、プリン、おまんじゅうなど色々と買ってきてくれたのだが最初に買ったのどぐろの干物などをどこかに忘れてきたらしい。のどぐろの干物ってそれは美味しそうだし残念だが、でもそれでこそお母さんだと思った。スムーズに行きすぎる旅よりも何かエピソードがあるのがお母さん。今朝もスムーズに出発し過ぎたし、忘れ物があるくらいがなんだかほっとするような気がした。

大河ドラマをお母さんと二人並んで観てからお風呂。今日はみんなそれぞれに長い1日だった。味噌を作ったのはもう遠い昔のことのように感じる。充実した1日だった。一年後、今日仕込んだ味噌が食べられるようになる頃に、また新しい味噌をみんなで仕込んでみたいと思う。それぞれがそれぞれに、自分の得意を活かすことができる味噌づくりは、これから我々共同体の共通の楽しみになっていくような気がする。

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