フィリップ・K・ディック/電気蟻
あらすじ👇🏻
主人公が右手を失った事故がきっかけで、自分がロボットであることに気づく。
そこで自分の知覚を制御している紙テープを発見し、それを操作する事で現実を変えようとする話。
感想👇🏻
自分がロボットと分かったら私はどう思うのか👇
絶望感と高揚感だ。6:4の割合で。
普段から人と違う事をしたいと考えているのにも関わらず、物理的な違いが明確になると嫌悪感に変わるのは皮肉なものだ。
私はなぜ生まれたのか、そして親や友達はそれを知っているのか、私に対してどのような感情を持っているのか。
このような他の人がどのように自分を扱っているかどうかに対してを知る事は、精神的苦痛を感じる。
その一方で、自分自身の体の仕組みを知りたいという知識欲が湧き上がる。
私の意識はどのような技術が功をなしたのか、違いはあるのかなど知りたい事や実験してみたい事は沢山ある。
主観的事実を制御できる場合👇
知覚などの主観的事実を、良い方向にも悪い方向にも制御出来た場合は、どのような世界が生まれるだろうか。
生物とは言えなくなるというのが私の答え。
現在、私たち人間は自分のマイナスな面の感情をより良くする為に行動するが、それは衝動的な感情が存在するという前提である。
それが無くなるというのは、個人の形成も無くなるという事。裏を返せば、無限大に選択肢がありどれでも選択できるのだ。
希少性が奪われてあまりにもつまらない。
1つだけ良い点を挙げるとしたら、相手の感情を知る際に、ダイヤルを回すだけでそれを実行出来る事で、私の嫌いな共感力という言葉が無くなる事だ。