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シカゴ旅行。古本屋探訪。

最近、ムスメがハマってるのが古本屋。この前NYCに行った時も、Strandはもちろんのこと、私が髪を切ってる間に何件か古本屋で過ごしていた。

私は紙の本が好きだ。昔は、新品の本の新品状態を崩さないように読むのではなく、ページを折ったり表紙を丸めたりということも気にせず平気でしていた。でも本は増える一方で、断捨離となるとまず最初に本の処分。図書館に寄付するとか、バーコードをスキャンすると1-5%の買取価格がつき、送料無料で引き取ってくれるサービスを使って、もう二度と読まないとわかってる本を全部処分した。そうやって処分することを意識するようになってからは、本のページを折るのはやめたが、表紙を丸めてしまうのはやめられず、ムスメの本を借りて読んでいるとキビシク注意される。涙。...怒られてばっかり。

最近は図書館を利用するようにもなったけれど、重いハードカバーが多いから、買うほどじゃない類の本だけを借りる。Kindleも重宝しているが、読み終わった本が積まれている様子が見えなくて、なんとなく満足感に欠けるのだが、まぁコレは私の話。

どうも欲しい本が見つからないことが多いのと値段を考慮し、おそらく私が処分するような方法を経由して、若者向けのそういう本がたどり着くのだろう古本屋にムスメは目をつけたらしい。新品同様の本が半額以下というのは堅い。

シカゴ旅行を計画するときにふと思い出して古本屋を下調べした。今回はレンタカーがあるので、行こうと思えばどこでもいける。三件選んでスケジュールに組み込む。

上の写真は一件目。Bookman's Corner。狭い店内のカウンターに白髪のおじいさんが本に埋もれて座っている。エアコンなしで、あちこちに扇風機が回っていて音はすれども全然風を感じないし涼しくない。もちろんマスク着用。本棚は天井までそびえたち、ジャンルが手書きされた紙が所々に貼ってあるけれど、床にも積んであるし、本棚は手前と奥に二重になってるからもうどこから手をつけていいのかわからない。でもとことん安い。そしてムスメは嬉々として3冊見つけだした。$6。Whoa.

他の二件はエアコン付き。After-Words Bookstoreは新古両方の本屋で、図書館のごとく整頓され椅子があちこちに置いてあるのでのんびりできるが、新本が混じっているので古本狙いだと買いにくい。Myopic Booksは3階建で、他にも買い物が楽しい通りにある上、徹底的にジャンルごとに著者名がアルファベット順に整理されている。この二件で6冊$70。Hmmmm.

「ママ、また最初のあのお店にもう一度行きたい。もっと時間かけて探す」

あいよ。

おじいさんは二日後に私たちが戻ってきたことに気づいただろうか。その日は比較的涼しかったので、私も改めてじっくり探した。私は「アンタと私二人で、ここで働いて整理したくなる」とムスコに店内のビデオと一緒にtext。

Holy shit. Yeah, we have to work there. 

満面笑顔のムスメがひょこっと現れた。どうしても見つからなかった一冊が見つかったらしい。"The Longest Ride" 。クリント・イーストウッドの息子Scott Eastwood主演映画の原作である。うーん、確かに彼を思い浮かべて本を読むのはイイねぇ。お父ちゃんそっくりのあの眼差し。

5冊で$15.75。Yeeessss! 20ドル札を渡し、25セントのお釣りを探しているおじいさんに、いいです$16払いますって言ったのに、(何を言ってるんだ、この女性は)と言わんばかりの表情をみせ、何も言わずに財布を出してさらに1ドル札を4枚くれた。

「ワタシがこの街の大学に来るまで、あのおじいさんお店やめないでほしいなぁ。」
「エアコンないし、死んじゃわないかな」
「エアコンなくても、大丈夫そうだったよ」
「アンタをシカゴに送ってきたら、数週間あそこで働かせてもらおうかな」

生きがいあるから大丈夫だね、きっと長生きするね、あのおじいさん。ちなみに古本屋で働くって、マジでやってみたいかも。





ただただ好きで書いています。書いてお金をもらうようになったら、純粋に好きで書くのとは違ってくるのでしょうか。