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今日は幽霊の日
夏休みがとれた小玉ちゃんとエンドウ君、二人で山にハイキング。駅の階段を歩きながら、エンドウ君が言う。
「ねぇ、小玉ちゃん、今日は幽霊の日だから怪談でも話す?」小玉ちゃんがこたえる。「階段で匂い怪談?」ゾォォォォオオオオ!!!
そんなおしゃべりをしていると直ぐに目的地の山に着いた。生憎の空模様で視界が悪い。「今の見た?」小玉ちゃんがエンドウ君に縋りつく。
「ああ、あれは、あるブスの俳人じゃないか」とエンドウ君。どんぐりの木の下で、黒づくめの格好をした俳人が歌を詠む。
「山でさえその声聞けば逃げ出すか」
「違うよ、違う、あんな爺の事じゃない」と小玉ちゃんが指さした方向には「あっ、あれはあるブスの廃人、ヘーターじゃないの?」遠藤君が驚く、ァァァアアアアア!
あるブスの廃人ヘーターは「ヨ~デル、ヨ~デル、ヨ~デルよ~、ユウレイ、ユウレイ、ユウレリホ~」
と口ずさんでいた。地鳴りが伴って、ふたりはヒャッハーーーー!!、抱き合って、恐る恐る、歩みを進めた。
すると今度は、ベッドで横になっている老人が見えた。「嫌だ、お爺さんかしら?どうされたのか心配だわ」小玉ちゃんは様子を見に行こうとしたが
「駄目だよ、小玉ちゃん、そいつは妖怪、要介護だ!!取りつかれちゃう」とエンドウ君が止めた。
しかし、小玉ちゃんに気が付いた妖怪要介護は「なんか、よ~かい?」とベッドごと、俊敏に移動してきたので、
二人は走りに走って逃げだした。ァァァアアアアア!
一息ついていると、目尻の下がったヌメッとした顔の老女が声をかけてきた。
「困ったときはお互い様ですぅ~何でも言ってください~」と、二人に襲い掛かってきたのは妖怪口先女。
言うだけで石のごとく動かない。舌先三寸モノの生き血を吸っている。二人はゾォォォォオオオオ!!!
となり、また、脱兎のごとく逃げた。こうして二人の夏休みは散々な目に遭って終わった。
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