ポリポリ

東京で貧乏暮らしをしている60歳初老女です。 モノたちの世間話、聞き語りをしています。…

ポリポリ

東京で貧乏暮らしをしている60歳初老女です。 モノたちの世間話、聞き語りをしています。 ネタばらしをしていませんので、なんだか、意味不明、 モヤモヤする!!等、ありましたらメッセージ下さいね。 出来るだけ、解説いたします。

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最近の記事

東名高速道路開通記念日

米子は腕組みし口をへの字にしてつづけた。 米子 そうね、アタシなりに糖尿病の正体も見えたし… 素子 ふ〜ん、素子は米子さんの後に従うだけです。でも、短い期間、お勉強して糖尿病のスペシャリストとなった米子さんが、考えた正体って? 米子 ねぇ素子、街には美味しい物がドッサリあるわね。スーパーなんて清潔で明るくって、イラッシャイ、イラッシャイって心が踊るわ。 テレビを点けてもあれを食べましょう、これを食べましょうってアタシたちは誘惑の中に生きてる。 素子 ハイ、昔

    • タップダンスの日

      ここは皆様お馴染み喫茶シビア。ドロドロ粥状、薄汚れた米子がソファーに寝転んでいる。 素子 あ〜米子さん、またまた、大冒険だったんですね!!お疲れ様、こうしてまたお元気な米子さんと再開できて、素子、タップダンスを踊りたいくらいウレシイです!!お供したかったなぁ… 米子 何言ってんのよ!!来たくなかったからくりくりを差し向けたんでしょう? 素子 アハッ!!くりくりはどうしました? 米子 蜂のくりくり死んだのさ〜なんてね。お友だちと会うためにお勉強だって、ホント、馬

      • ゴルフ場記念日

        ずんぐりむっくりは丸まっていた背中をピンと伸ばし、窓の外の目に染みる青葉を見た。まだ、弟の人生をホールアウトさせてなるものかと思った。 ずんぐりむっくり 本当だなぁ、俺は口ばっかりでなんにもしていないし、してやれることなんてないんだよ。お前、他に言いたいことはないか? 俺にできることはお前の言うことを聞くくらいなんだから腹に溜め込んでいるものは吐き出しちまえ。 俺はなにを聞いてもお前の言葉を信じるだけだ。 薄っペラ男は、ハッとして頭を振った。 薄っペラ男 兄さん

        • キスの日

          薄っぺら男は自分の鼻を拭いたそのハンカチでずんぐりむっくりの鼻水も拭った。 薄っぺら男 あ〜あ〜、兄さんの任せとけ…それは呪いの言葉でしょ。兄さんは火傷して母さんは再婚して、なにもかも変わっちゃた… 任せて良いことなんて一つもないよ。派遣のその日暮らしの兄さんにさ、医者の知り合いでもいるの? 医学知識でもあるの?気休めのいい加減な言葉なんて聞きたくないんだよ。 なのにまたその言葉を聞くとは思わなかったな… 今、駄々をこねて、ポッペタを濡らしている弟は幼いあの日の弟

        東名高速道路開通記念日

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        • チョッパー
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          サイクリングの日

          ずんぐりむっくりは弟の情緒不安定なのはやはり突然、自分が倒れ、連絡が行ったせいだと思った。 ずんぐりむっくり 忙しいのに迷惑かけたな。病院からは金の事を言われたか?俺、小銭しか持たずに倒れたからさ。 明後日、退院なんだからその足で銀行に行くから金の心配は要らないから…お前は、困ってないか?俺、少しくらいならなんとかするから、言ってくれな。 薄っぺら男 お金…もう、必要、ないよ。2週間前に悪い病気で治しようがないってさ…死んだ、お父さんの血だよ… しかも、久しぶりに

          サイクリングの日

          小学校開校の日

          オイオイ泣いている弟になんと言えばよいのかずんぐりむっくりは言葉に詰まった。 ずんぐりむっくり お互い、三十過ぎて独身か…小学生くらいで時間が止まってるもんな…俺が悪いんだけど、そうだ!! 二人でナンパでもしてみるか?俺は、したことないな…それにお前はメーカー勤めだから派遣の俺とは違うよな… ずんぐりむっくりは結局、また卑屈なセリフしか言えない自分が嫌になり黙り込んだ。 薄っぺら男 僕だってさ、ナンパなんて…そんな事、本当にするヤツいないよ…。でもいいなぁ、 兄

          小学校開校の日

          成田空港開港記念日

          ずんぐりむっくりはベッドの上でふぅ~と、息を吐き、正座した。 ずんぐりむっくり ゴメンな、こんな時だけ頼りにして、心配かけて… 薄っぺら男 兄さん、なにを言ってるんだ!!電話しても出てくれない、そっちからはかけてもくれなくって、 用事なんてなくって構わない、僕は、僕はただ兄さんに会いたかった。 ずんぐりむっくり 俺さぁ、親父とも気まずくって、頭も悪いし、なんか、色々、悪い方に考えちゃて、俺が家族と関わらないのが一番の平和かな? なんて、ひねくれてた。ホントに出

          成田空港開港記念日

          シュークリームの日

          ずんぐりむっくりは、大きなくしゃみが一つ飛び出ると、何か、これまで抱いていた弟に対する嫉妬心のようなモヤモヤした感情が跡形もなく吹き飛んだ気がした。 大丈夫?変な風邪でも移されたんじゃないの?と心配顔の弟の顔が痩せこけて、そっちこそ大丈夫か?という具合だったからかも知れない。 薄っぺら男 急に運び込まれたから仕方ないけど、この病院、大丈夫なのかな?室内も寒いよ。変な臭いもするしさ…それにしても兄さんは元気そうで良かったよ。 ずんぐりむっくり お前、なに言ってんだよ。

          シュークリームの日

          ことばの日

          兄さんは大きなくしゃみを一つした。心臓に管を入れる手術をしたばかりなのに元気そうだ。 ツヤツヤした顔をして鼻を拭いた。長生きしそうだなぁと思ったら代わってくれ、などと勝手なことをつい思ってしまう。 医者の話では兄さんは左冠動脈の閉鎖部分にカテーテルを入れたのですぐに普通の生活に戻れるそうだ。 入院も明後日にはできると聞いて、なぜ、自分にはそんな魔法のような治療がないのか不思議な気がした。 目の前の名前も知らないイライラしたようすの医者に自分の話をして魔法の言葉を分けて

          ことばの日

          世界高血圧デー

          母さんは父さんに早くに死なれ、女手一つで私たちを育ててくれていた。しかしあの一件が起こり、母さんは再婚を決意した。 父さんが死んだのは私が3歳の時だったので私には父さんの記憶はない。けれど兄さんは六歳だったので父さんの記憶があった。 そうした事と性格も相まって新しい父と兄さんの間はしっくり行っていなかった。でも、家庭内に波風が立ったとも言えず、どちらも存在を無視するようにして暮らしていた。 私はそんな兄さんの姿を目にしてきたし、父と馬が合わないワケでもなかった。むしろ、

          世界高血圧デー

          旅の日

          病院からの突然の電話。それは経験値からロクでもない話しだと分かった。案の定、音沙汰のないずんぐりむっくり兄さんが路上で倒れ、 病院に運び込まれたので、保証金、十万円を持参の上、面会に来てほしいとの連絡だった。 その時、薄っペラ男は日増しに悪くなる自身の身体について悩んでいたが、そんな気分はすっ飛んで、病院に駆けつけた。 ゆく道々、兄さんとのアレコレが思い出される。兄さん十歳、自分七歳の寒い日。母さんは仕事が忙しいらしく、夕飯時なのに帰って来ない。 私は腹が空いたと言い

          ヨーグルトの日

          楽しみにしていたトンカツを食べに行く途中なのに、何故か急に胸騒ぎに襲われたずんぐりむっくり。彼は事もあろうに路上でタバコを取り出した。 彼の体内では、好中球胞の兄弟たちを打ち負かし、彼らを取り込んだアテローム軍団が一丸となって、ずんぐりむっくりの血管を攻撃した。 気分を落ち着けようと一服したニコチンはずんぐりむっくりの冠動脈を収縮させ、アテローム軍団をマスマス活気付かせ、 命とりの一服となった。こうしてずんぐりむっくりは心筋梗塞の発作を起こし、その場にもんどり打った。

          ヨーグルトの日

          温度計の日

          B大佐は鼻をチンとかんで、小さな声でテヤンデイ!!と言った。樹状巡査部長とB大佐が、沈んでいるのを見て、監査官はうなずいた。 監査官 私たち細胞民は一人ひとり違うモノだから、誰も彼もが屈強とは行かないですね。弱い部分を補い合い、 時には厳しく切り捨てる。そうして私たちは主、ずんぐりむっくり様をお守りしているのです。 司令官は今回、ディアボロと癌細胞民のダブルパンチで相当なストレスを抱えていたのでしょう。 司令官とは言え、所詮は一介の細胞民に過ぎませんから…彼は人一倍

          温度計の日

          ゴルゴの日

          B大佐は米子とくりくりの首根っこを抑えつけ、人のお話しは黙って聞かなければ駄目でちゅよ〜と言った。 百戦錬磨ツワモノの眼光に射すくめられ、二人は小さくは〜いとお返事をした。樹状巡査部長はB大佐にプロの技を見た。 監査官 司令官の倒れていた場所にはキラーの細胞刀と、トロッポさん排除命令書が落ちていました。 この2点を鑑識に鑑定してもらった結果、司令官はこの細胞刀で数度に渡り刺されたことが判明しました。 また、排除命令書はドロッポと書かれていたものをトロッポに改ざんし、

          ゴルゴの日

          看護の日

          監査官は一息ついて、フローラドリンクで喉を潤した。 樹状巡査部長 そんな事が起こってしまったんですね。それにしても、司令官はやむ無しとしても何故キラーさんまでも亡くなっていたのですか? また、司令官が取り憑かれていたとしたら、トロッポさんの件はカラクリがあったようにも思われますが… 監査官 ええ、実は司令官を殺めたのはキラーと検証、捜査の結果、分かりました。 私がグズグズしていたら事件解決にも時間がかかったでしょう。くりくりさんのお陰で事件も早期解決致しました。本

          ご当地キャラクターの日

          二人のつかみ合いが一段落したところで、監査官はくりくりの手を取った。 監査官 ありがとう。君の魔法のお陰で私は交信をする事が出来たんだ。そして、癌細胞民たちを初期段階で駆逐する事に成功した!! 米子 エッ、監査官はくりくりの魔法じゃなくって、クロロホルムで… 樹状巡査部長 まぁまぁ、米子さん、なにはともあれ、監査官が交信して下さったのだから細かいことは… 米子 アタシ、どっちかって言えばザッパですけど…アハハ〜まぁ、魔法ともなればなんでもありっちゃありですかね

          ご当地キャラクターの日