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いつまでも夢であれば良かった

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散文とか
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2021年3月の記事一覧

ネオンが消える、

寒い、ような気がする夜だった 何処までも貴方が満ち満ちているような 心地の悪い夜 わるいこ…

鉢古
4年前
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さよならがまだ云えない

涙が凍ってしまったので 小さなこきょうを目指して歩き出した この裸足では辿りつけるかも分か…

鉢古
4年前
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録画

見張られているのだ それは別に良い けれどもそれを僕に伝えるのはどうしてなのだろう カメラ…

鉢古
4年前
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帰り道

何もかもが分からなくなってしまいたかった あなたが馬鹿だなって優しく その実本当は嘲ること…

鉢古
4年前
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海の底

わたしには何もなかった 本当に何もなかった 唸り声を上げることが唯一出来るだけのけものだっ…

鉢古
4年前
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さんかくの排水溝

眠りというものを ちゃんとしっかりやっていることが出来れば それでわたしは正しく在れるんで…

鉢古
4年前
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本を閉じる

嘘みたいなことをみんな平気で 言ってしまってはそれを自覚しないで ああ他人事なんだなって 怖くなって いつか僕もこの奔流の中に閉じ込められる 誰かの美談として 生きている証拠として 思い出話にされるのだ それって とても 悍ましいことじゃあないか

交代

君がいなくなった世界は思っていたとおり 当然のように回っていって 僕はお腹が減って 食べて…

鉢古
4年前
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きみの花

裏切ってないと叫ぶのは簡単だ それが嘘だって良いのだから 真実じゃあなくても構わないのだか…

鉢古
4年前

うそつき

人間に触れると あつくて火傷しそうになる だから多分前世はさかなだったんだ さかなの言語し…

鉢古
4年前
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丸い窓

胸が押しつぶされるような心地で目が覚めた いつもと変わらない朝のこと ひつじが何匹目だった…

鉢古
4年前
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