さんかくの排水溝

眠りというものを
ちゃんとしっかりやっていることが出来れば
それでわたしは正しく在れるんです
多分真っ白な部屋で
そういうことを言いたかったのかもしれない、とふいに思う
でも実際そういうものだった
眠れない理由はたくさんあったけれど
そのどれもがその「眠れない」に収束されていて
ならば眠れてしまえば何もかもが解決するような
そんな心地になっていた

当然、
そんなことはないのだけれど

ラベルを貼られて
楽になれる人間もいる
自分だけじゃあないのだと
息を吐ける人間もいる
でも どうしてか
そっちには行けなかったみたいだ
違うよ、と何度も繰り返す
違うよ、と
それは少しずつ小さくなっていく

わたしは
多分、普通になりたかった
そんなものの定義が曖昧であることを知っていて
誰でもない誰かに埋没していくような
そんなしみったれたものでいたかった

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