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コンカレントトレーニングとは

突然ですが、コンカレントトレーニングという単語を耳にしたことはありますか?

「Concurrent」=「同時発生の、〜に伴う」
つまり、’レジスタンストレーニングと持久系トレーニングを同時に行う’トレーニング法を言います。

 近年、健康志向の高まりから、筋トレやジムに行かなくても身体の変化を楽しむ人が増えてきました。それに伴って、様々なトレーニング法が生まれています。また、私自身、自分に合ったトレーニング方法を確立する為に試行錯誤をしています。実際は、毎日が身体的にも精神的にも同じコンディショニングで臨むことは難しいので、トレーニング内容に許容範囲を広く設け、その日の体調に適したプログラムデザインをしています。本日紹介するのは、「コンカレントトレーニング」と呼ばれる方法です。ジムに行くと、マッチョな人やスタイルの良い人は高確率でこの方法を取っている印象があります。近年、効率的に筋力と持久力を鍛えるために注目されています。まず、以下に言葉の説明をさせていただきます。

・レジスタンスエクササイズ(Resistance Exercise:RE)
 :抵抗運動。ウェイトを用いて行う運動。筋肥大・筋力増強が目的。
・持久系エクササイズ(Endurance Exercise:EE)
 :有酸素運動。酸化代謝能力の向上が目的。

 この2つを組み合わせたコンカレントトレーニングについて、疑問があります。「RE→EE」「EE→RE」という順番と、それぞれの運動強度設定です。この疑問を解消させる論文に出会いましたので、ご紹介させていただきます。


「順番」
・レジスタンスエクササイズをした後に、持久性エクササイズを行うことにより、筋肥大のシグナルは有意に増加する。持久力については差は無い。
・レジスタンスエクササイズ前に持久性エクササイズを行うことは、爆発的な筋出力を必要とする運動のパフォーマンスを阻害する。

「強度」
・高強度の持久性エクササイズを組み合わせた場合、最大筋力と筋持久性の向上を損なう。
・レジスタンスエクササイズの強度に関わらず、低強度の持久性エクササイズを組み合わせることは、筋力と酸化代謝能力の向上に効果的である。

追記:
「高強度のレジスタンスエクササイズに低強度の持久性エクササイズを組み合わせた場合、神経筋効率の向上効果がより大きくなる」
Sousa, António C. PhD, Neiva, Henrique P. PhD et al.:Concurrent Training Intensities: A Practical Approach for Program Design: Strength and Conditioning Journal, Volume42, Issue2, 38-4417, April 2020.

いかがでしょうか。
つまり、筋力と酸化代謝能力(持久力)の向上にはRE→EEの順番で、EEは低強度ですることが効果的だということになります。ぜひ、日々のトレーニングの参考にしてください。