【雑記】ジャニーズ問題について考えたこと
こんにちは、ニコライです。今回は【雑記】になります。
今回は歴史の話でも、ウクライナやロシアの話でもありません。
2023年現在、ある帝国が崩壊しつつあります。ジャニーズ事務所という帝国が。半世紀にわたり日本の男性アイドル市場で大きな勢力を誇っていたジャニーズは、故ジャニー喜多川氏による所属アイドルへの性的加害を告発により、その裏側が白日の下にさらされることになりました。
男性アイドルにほとんど興味がない僕でも、ジャニーズのアイドルはある程度知っています。日本で最も有名なアイドル事務所の社長が長年にわたり性加害を行い、事務所側も性加害の事実を認識していながら、それを放置し、隠ぺいし続けていたというのは、あまりにもグロテスクとしか言いようがありません。性衝動を抑えられない人間が権力を握り、それを誰も止められないというのは恐ろしいことです。
問題はジャニー氏個人や事務所だけではありません。マスメディアも以前からこの事実を知っておきながら、黙殺し続けてきたのです。おそらくこの問題を正面から扱ったのは週刊文春くらいではないでしょうか。エンターテインメント業界におけるジャニーズ事務所の権力がいかに強かったかを感じると同時に、日本のメディアの不甲斐なさに僕の方が情けなくなります。ちょうど1年前、自民党と統一教会の問題でも同じ光景を見た気がしますが。
さて、僕が気になったのは、SNSにおけるジャニー氏や事務所を擁護する声の多さです。ジャニー氏が性加害を行っていたとはまだ確定していない、推定無罪だと擁護する人(残念ながら、すでに2004年に最高裁で性加害の事実は認められているので、推定でも無罪にはなりえません)、ジャニーズを「攻撃している」とマスメディアを非難する人、元所属アイドルによる告発を虚偽だとする人…プーチン大統領やロシアのウクライナ侵攻を擁護する人があれだけいたので、まあいるだろうなとは思っていましたが、実際に目にすると異様さを感じてしまいます。
これまでロシア擁護者たちの発言を幾度となく目にしてきましたが、ジャニーズを擁護者する人たちと似通っている部分があると感じています。それは、ある情報源からの情報には異様に警戒するのに、別の情報源からの情報は何の疑いもなく信じてしまうことです。ロシア擁護者はBBCやCNN、あるいは日本のマスメディアを「西側のメディア」と呼び、鵜呑みにするなと主張する一方で、ロシア大使館の発信する情報やSNSで流れてくる出所不明の画像や映像は「これが真実だ」と言い張ります。
ジャニーズを擁護する人たちの中にも、新聞・テレビの情報は「嘘ばかり」といいつつ、ジャニーズ事務所側が発表する情報は好意的に捉える人が見受けられます。例えば、先日ジャニーズ事務所は、被害者ではないと思われる人物が、虚偽の話をしているケースがあるという内容のお知らせを公表しましたが、これに対し、「やっぱり嘘の人がいたんだ」とか「証言の半分以上は虚偽だ」というような発言をしている人が、SNSで確認できました。
汚職事件に関わった政治家が「秘書がやりました」といって、それを真に受ける人は少ないでしょう。それと同じで、当事者の、それも加害者である事務所が事実ではないといったところで、それは何の証明にもならないのではないでしょうか。特定の情報を信じたり、あるいは全否定するのではなく、しっかりと検証したうえで情報を精査していくのが重要なのではあると思っています。
ジャニーズ問題は今後どのようになるのでしょうか。去年あれだけ盛り上がった政治と宗教の問題でさえ、結局曖昧なまま解決せずに放置されている現状を見ると、結局所属アイドル使いたさにメディアも頃合いを見てなあなあで済ましてしまうような気がします。もちろん、しっかりと被害者が補償されることを願うばかりですが。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
◆◆◆◆◆
ジャニー氏の性加害について、特別チームによる調査結果が公表されています。この問題を考えるうえで必読だと思いますので、興味のある方はまず一読してみてください。