ジリ貧な毎日にスパイスを。見るとスカッとする映画「インスタント沼」
オダギリジョーさんの『オリバーな犬』、面白かった。しかも麻生久美子さんまで出てて最高。このキャスティングに喜ぶ私はもちろん時効警察ファン。
ドラマも見終わってため息。もう土曜日終わりかぁ。日常がただただ繰り返されていく。
はて。私の人生これで大丈夫か?なんだか張り合いがないなぁ。
ぼんやりしていても始まらないので、手始めに水道の蛇口をひねることにした。
大好きな映画「インスタント沼」のウケ売り。
*
「インスタント沼」は麻生久美子さん主演の映画で、こちらも時効警察ファンは観ているはず。
三木監督のカオスな感じがいい。
ざっくりのあらすじは、
ぱっとしない"ジリ貧"人生を送っているハナメが、変わり者のおじさんと出会って、忘れていた「日常の面白がり方」を取り戻す。みたいなお話。
小ネタ盛りだくさんで笑えるし見終わる頃にはスカッとする大好きな映画。
特に好きなシーンは、お風呂の蛇口を全開にして、おじさんとハナメが昼ごはんを食べに行くシーン。お湯が溢れる前に帰って来なきゃいけない。
ドボドボと注がれるお湯。外で昼ごはんをかき込んで、全力ダッシュで帰宅!その時お湯は、バスタブギリギリ!
溢れる寸前でなんとか蛇口を閉めて成功。
ギリギリセーフ!
おじさんとハナメは、やったー!!なにこのドキドキ感!と大声ではしゃいでふたりして笑いだす。
ご飯を食べて、お風呂が溜まっただけ。
ぱっとしない日常も、アイデアひとつですごい達成感だ。ハナメはふと気づく。そうだそうだ、日常はこんなことで面白くなるんだった。
*
蛇口をひねった私は、大急ぎで部屋の掃除をはじめた。お湯が溢れる前に部屋を綺麗にして、洗濯物をたたんで、片付けるっ!
やばいやばい、意外と時間がない!風呂場から聞こえてくる音はもう絶対にギリギリだ!
急いで片付け、小走りで風呂場へ!
ほんの数センチ手前でタプタプの状態。キュッ!蛇口を閉める。
…間に合った。
ふぅ。
よっしゃ。
自然と笑っていた。
日常のちょっとしたスリル。すごい達成感だ。
映画の最後、ハナメのセリフに勇気が湧いてくる。
「いい!?世の中の出来事のほとんどは大したことないし、人間、泣いてる時間より笑ってる時間の方が圧倒的に長いし、信じられないものも見えるし、一晩寝れば大抵のことは忘れられるのよ!とにかく、水道の蛇口をひねれ!そして、その嘘と意地と見栄で塗り固められたしょーもない日常を洗い流すのだー!」
毎日の意味とか考えると苦しくなっちゃうよね〜
だから、時にはちょっとしたスリルで愉快な気持ちになってみる。
しょうもない日常を笑い飛ばせる、ハナメみたいな快活さがほしい。