【読んだ】ちっちゃな科学
おすすめ度 ★★★★★
かこさとしさんと福岡伸一さんの共著。どちらも好きなので、大好きすぎる。
二人の視点がとてもフラットで、まっすぐな知識欲と探究心に溢れていて素敵。読んでいてしびれる憧れる。
読んだ後、とりあえずかこさんの絵本をいっぱい図書館で予約しちゃった。
テーマごとにかこさん、福岡さんそれぞれが執筆された文章、お二人の対談、QA方式の問答集から構成されている。
どれもそれぞれ良いのだけど、一番好きなのはかこさんが担当する第一章「戦争の『死に残り』の僕が、世界の端っこにぽつんといる子どもさんに伝えたいこと」。
かこさんの絵本は子どもの頃から読んでいたし、我が子にも何冊か与えているけど、どういう方なのかはあまり知らなかった。
戦時中の自分の思想に対する後悔や、子どもたちに対する想いに涙が出そうになった。
一つひとつの言葉が謙虚で温かいのに、強い意志を感じる。こんな大人になりたい、と思いながら読んだ。
*
QA方式の問答集では、20の質問にお二人がそれぞれの回答をしているのだけど、違いや共通点があり面白い。
例えば、デジタルネイティブと言われる今の子どもたち、大人もスマホなしでは生きていけない時代環境で子どもの教育をするに当たって気をつけるべきことは?という問いに対する答えはこうだ。
あの優しい絵本の語り口とのギャップに思わず痺れる。
これも福岡さんらしいフラットな視点が感じられる。
お二人とも教養と思索の深さがハンパじゃないのに、それをひけらかしたり攻撃するために使うことはない。だから読んでいて気持ちがいい。
200ページにも満たない薄い本なのに、読み終わるととても充実した気持ちになれる。
夏バテ気味の疲れた頭におすすめだ。
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