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授業を休みたい子への声かけ 教育者のマインドセット改革 #1

 記念すべき「マインドセット改革」シリーズ、第1回!

 このシリーズでは、「無意識の思考が言葉や行動を作っている」ということを前提に、無意識に刻み込まれたマインドセットによって、どんな言動につながるか、学校や子育ての現場においての実際を紹介していきます。

 そして自分はどんなマインド(思い込み)をもっているのかを振り返り、自分を苦しめているマインドセットを改善していくことで、自分の理想の現実を手に入れていただきたくことができるようになると思います。

 今回は「はっきりとした理由は言わないが、特定の授業のみ休みたいという児童」への声掛けです。 
それでは、いきましょう。


授業を休みたい子への声掛け

1、状況

「2時間目と3時間目だけ休みたい」

連続で学校に来ていること自体が珍しい児童。
そんな子が朝一で学校に来ている。

自分では言わず、保護者の後ろに隠れ「早く言って」と言いにくいことを言わせるような状況。

苦手な教科なのか、その専科の先生が苦手なのか、はたまたただ休みたいのか、その理由は話そうとしない。


さぁ、こんな状況です。

あなたはどんなことを考えますか。

あなたなら、どう声掛けしますか。


2、普通だったら、どうなるか


「いや、頑張ろうよ」

「その時間だけ、授業ぬけるのってずるくない?」

「今元気そうなのに、いけるでしょ」

「学校は授業を受けるところでしょ。その時間だけ保健室いきたいとか都合の良いこと言ってんじゃないよ」

「まぁ、頑張ってきているし、それだけでも良しとするか。それでもなぁ……モヤモヤする」


わかります。わかりますとも。
言葉にしなかったとしても、心の声はモヤモヤしたり、イライラしたり。
いい気分になるところではないですよね。

学校に来たからには授業受けてもらいたい、という気持ちもありますしね。



3、最強無敵のマインドセットだったら、どうなるか


「Aさん、ちょっといい?」

「今、二つの選択肢があるね。さっき言ってたように、授業を休むか、頑張って受けるか」

どちらを選んだとしても、良いことと悪いことがあるんだ」

「授業を休む選択の良い所は『休める』『受けなくていい』『頑張らなくていい』とかかな? 悪い所は『勉強が遅れてしまう』とか、理由を知らない友達が『さっきまで元気だったのになんで?』と思ったりするかもしれないことかな。さらに授業に入りづらくなるかもしれない」

「授業を受けることの悪い所は、その逆だね。『頑張らないといけない』『我慢しないといけない』とかだろうか。良い所は『みんなと過ごせる』『勉強が遅れない』とかいろいろあるね」

「『休む』『授業を受ける』どちらにしても、良い面と悪い面がある。それを知ったうえで、あなたが選ぶんだよ。あなたの人生だからね。迷ったら、どっちの自分が好きかで選ぶんだ。オッケー?」

結局、この子は授業を受けることを選びました。

あとで「そっちを選んだんだね。いいじゃん」と声を掛けました。


4、どんなマインドが関わっているか


  1. 長所短所は裏表。全ては同価値。どんな人生も同じ価値。

  2. 経験こそ全て。

  3. 「好きな自分でいる」ことが重要


 物事のすべてに長所と短所があるのだとしたら、どんな人生であっても、どんな経験であっても、それぞれは全て同じ価値。
平凡なサラリーマンの人生も、大富豪の人生も、みんな同じ価値です。
授業を休んでも、休まなくても、その人にしかできないかけがえのない経験。

私たちが思う「良い」とか「悪い」って本当は何もない。
つまり、どっちにも傾いていないから、どっちになってもいい。どっちになっても素晴らしいはず。
勝手に私達の「良い」を押し付けるのは、変な話。

ではどうやって判断するか。
それは「そんな自分が好きかどうか」「わくわくするかどうか」になる。

「あなたの人生はかけがえのないもの。休んだから勉強がわからなくなった経験も、勉強がわかってスッキリした経験も、同じ価値がある」

つまり、どっちでもいいからこそ、こちらは余裕をもって彼らに選択を任せることができるわけです。

彼らの進む道を、信頼することができる。



5、まとめ

 この事例は、私が「好きな自分を選ぶ生徒指導」と呼んでいるパターンです。子どもにきちんと考えたうえで選んでほしい時に使います。

①選択肢(YESかNO)を出す。
②それぞれの選択の長所と短所をフラットに伝える
※子どもは経験も浅く、まだ先のことや可能性が読めないことが考えられる。そこは教師の人生経験も踏まえて一緒に考えてあげるところ。あくまでフラットに。
「好きな自分」を選ばせる

好きな自分を選ぶ生徒指導

慣れると、長所と短所がすぐみつかるようになります。

「全て同じ価値だしな」と思えるようになれば、「どちらでもいいんじゃない?」と片方を選ばせようとモヤモヤすることはなくなります。
そして、どちらの選択も素晴らしい! と応援することができます。

  1. 長所短所は裏表。全ては同価値。どんな人生も同じ価値。

  2. 経験こそ全て。

  3. 「好きな自分でいる」ことが重要

このマインドセットがあれば、余裕をもって子どもの選択を信頼し、応援することができます。

自分のことを信頼してくれる人の言葉の方が、入りやすくもなります。
子どもとの信頼関係も築かれます。

子ども達の選択を信じて、応援してみませんか?


マインドセット改革#1、これにて終了!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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