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懐かしのクラムチャウダー
暑い夏でもカレーは大好き。同じ野菜とあさりのむき身で今夜はクラムチャウダーです。
貝類が好きなことと、生クリームを入れるとコクが出て、白いごはんとの相性もなぜかいいのです。
本当はバケットとしゃれたいところですが、晩御飯はやっぱり白飯という息子のリクエストもあり、長年定番になっています。
訓練生を卒業して、最初のロングフライトは、アンカレッジ経由北回りヨーロッパ線でした。
もう秋も深まって、夜に羽田を出発するころは、コートを着ていたように思います。1週間ほどの旅支度は、かなりの荷物になります。
機内に持って入るエプロンやマニュアル、作業用のヒールのない靴が入ったキャリーケース。
それとは別に黒い布製の大きなカバンはコンテナの中に運ばれます。
当時は欧米への旅はアンカレッジ経由が主流でした。今はほとんどが直行便で行けるようになり、あまり聞かなくなりました。
ある程度の年齢。海外旅行好きの人にとってはアンカレッジはなじみの都市。先日お会いしたロマンスグレーの紳士も仕事で行った かの地が懐かしそうで話に花が咲きました。
空が明るくなると、氷山が見え、凍った川があり野生のシカやクマが、運が良ければ見ることが出来ました。氷山は白ではなくきれいな水色。これをウイスキーに入れるとパチパチと炭酸水みたいにはじくそうです。
気の利いた機長は、「右手にトナカイをご覧いただけま~す。後25分ほどでアンカレッジ空港に到着します」とアナウンス!
今はデナリ山と改名されていますが当時はマッキンリー山。北米最高峰の山です。まぶしすぎる白い雪を纏って朝日に照らされてキラキラ輝いていました。
町は刺すような空気。その当時はまだ建物は少なくせいぜいホテルが高いビルの一つでした。
さびれたと言ったら失礼ですが、町は静かで、人もほとんど外に出ていません。今はきっと大都会、そんな昔のことを言ってもと笑われそうですね。
アーリーアメリカン風のホテルのロビーは暖かく私たちを迎えてくれました。
早速、レストランに入ります。
先輩から、「ここでは絶対食べた方がいいよ!」と勧められたクラムチャウダー。当時は360円時代。高いスープでした。
なんとアサリの大きいこと!ハマグリみたいだと思いました。フライドポテト。バイキング形式のハム、ソーセージ、サラダやドライフルーツをお皿に盛って、最後はハネデューメロン1/2個
よく食べました。後はぐっすり眠るだけ。
お昼過ぎには氷河を見るバスツアーに参加しました。ぽつんと雪の中に小さな小屋。サーモンの絵だけの看板。小川には丸々と太った鮭が泳いでいます。カズノコは当時捨てられていて、拾うのは日本人だけ!と長いあごひげのおじいさんが笑っていました。
お土産はすじこ。
半世紀も前の話。昨日のように鮮明にあのスープの大きなアサリや、甘くてジューシーなメロン、水面に背びれがみえている丸々と太った鮭の群れが浮かびます。
今夜の我が家のあさりは少々小さめですが、うまくできました。
やっぱり息子は白いごはんにたっぷりかけるようです。和風クラムチャウダー丼らしいです。
またアラスカの満天の星、たまに見ることが出来たグリーンのオーロラを見たくなりましたが、そんな話は心の中で…。息子の美味しそうに食べる姿は今でも同じです。
今朝は山が霧に隠れて今にも雨粒が降ってきそうな空模様です。
あの時のアンカレッジの朝とよく似ています。
寡黙なエスキモーのおじさんの背中を思い出しました。
今日もいい日にしましょう!