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2025年2月に読んだ本

2025年2月の読書メーター

2025年2月の読書メーター
読んだ本の数:36冊
読んだページ数:8986ページ
ナイス数:120ナイス

今年は読書メーターの記録を「読んだ日」ではなく「感想をつけた日」で記録井下。すると二月がとんでもない数に。実際は内10冊くらい一月に読んだ本と思われます……。
先月は一番新しく読んだのが上になる形で載せてしまったのですが、シリーズ物だとなんか変な感じになるので今月は一番新しく読んだのが最後に来るように記録します。

分類は
📘実用書(小説以外)
📕小説
📙コミック
です。

今月読んだ本はこちら


📕#咲夜。: 人の寿命が見える私と、来年までに死ぬ彼の話 (luxueux文庫)

健康で明るく才能に溢れる文芸部の先輩の余命は一年。寿命が見えてしまう主人公は、かつてそのことに悩み、気にかけまいとするあまり目の前で人を失う体験をした。自分が見殺しにしたせいで……と罪悪感を抱くようになった彼女は、もう目を背けないと決意する。病など自分には手出しできない事情がありそうな場合を除いてはできるだけ積極的に関わり、死を回避しようと奔走するが……。先輩との距離が縮まる上巻。二人のやりとりがかわいい。
読了日:02月01日 著者:木立 花音 

📕  #咲夜 。人の寿命が見える私と、来年までに死ぬ彼の話。(下巻)

命がけのトラブルに巻き込まれる主人公たち。そこで大いに活躍したのは親友の明日香。表紙の絵が示すように、下巻は明日香と主人公の関係に焦点が当たる。先輩の寿命が一年である理由はきっとそうなんじゃないか……(だとしたら一番嫌な展開だ)という予感が的中してしまう。彼らの物語の着地点はどうなるのかとハラハラしながら読み進めた。
読了日:02月02日 著者: #木立花音

📘 #まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書

論証されるにふさわしい問いを立て展開する論文に、必要なものは何かが書かれている。
論文によって人間の知識を広げること、常識をひっくり返すことによって世界に発展をもたらすことに貢献したいと望むなら。世界ときちんと接続する。そのために必要なのは「自分自身になること」なぜ私はそのトピックに惹かれ、問い、訴えたいと願うのか。人生とリンクする問いを持つことという話は胸熱。「欲望年表」を私もつけてみようと思った。
読了日:02月02日 著者: #阿部幸大

📙 #フランスはとにっき : 海外に住むって決めたら漫画家デビュー

自分たちの当たり前がよそでは当たり前ではない、とは思うけれど、はやり出て暮らしてみないとそれがどれほどのものか実感できないなと思う。生活となると旅行ではホテルやガイドが外国人の側に合わせてくれたり、教えてくれたりする部分がなくて、体当たりだから……。それにしてもフランスの郵便の件はほんとどうなんだ!!!信用とは??と思ってしまう。
読了日:02月03日 著者: #藤田里奈

📙 #アッコちゃんは世界一 (ビームコミックス)

各話ごとに挟まれるページに靴跡が増えていくのが、踏み躙られた人たちを思わせる。アッコちゃんの人生の軽さよ。誰のいうことも聞いてはならぬ。心理学でいう「女性が自身のアニムスを受け入れることは茨の道」というのが思い浮かんだ。女性は男性のアニマの投影を求められるからだ。
三田くんの話で取り交わされているのは女だが、彼らがみている相手は常に男で、ほしいのは競争に勝つことだ。
お兄ちゃんの話の「私が一人でこのクソみたいな世界でずっと、自分で自分を励まして頑張ってきたんじゃん」の言葉が響く。
読了日:02月03日 著者:鳥 トマト

📙 #親になるのに向いてない上 : 向いてないけど逃げられない

アダルトチルドレンが母親になることで抱えることになるプレッシャーが描かれる。出来事や言葉がどうまがって届いてしまうのか。それが彼女の自己評価と、理想の母親像(これも厄介)の差から生じていることがわかる。役に立っていたいという切迫感が痛々しい。母親に完璧を求める視線を内面化しているのだろう。
外から見ると子供自身を見ず支配し「自分ばっかり大事なんだな」と感じてしまうけれど。抱いた理想の母親像は家族を見返すためのもの、世間の合格点をもらうためのもので、子供の欲しいものでは決してない。
読了日:02月03日 著者:あさのゆきこ

📙 #親になるのに向いてない下 : 向いてないけどあなたと生きたい

「私がどう感じているかを置いといて子供のニーズに向き合う」のはアダルトチルドレンにはハードルが高いように感じた。カウンセリングによる支えがあってこそなのだろう。完璧を求められていると感じる母親のプレッシャーとは真逆の、父親が世間から見られる視点も描かれ、不均衡が顕になる。なによりそれは会社にとって都合がいい。父親は稼いで支える・育児はサービスとすることで男性同士の繋がりを強めることができる。家族が父親を阻害しているのではなく、社会が母子をカプセル化し疎外しているのだと感じる。
読了日:02月03日 著者: #あさのゆきこ

📙 #幻滅カメラ 上 (ビームコミックス)

展示会の童話からのアメリ脱出のくだり。女性が幻滅させ関心を失わせることなしに自由になれなかったことを思う。それと「私なんかと寝るだけで……みんなを笑顔にして何が悪いの?」とふわふわただようアメリの自己価値の低さ。弟ジゲンの恋人(男)からの弟の代わりに妊娠して欲しいという申し出に対する姫子の「私の臓器を借りたいならあなたも愛のために自分の臓器を担保にしたら?」油断すると当たり前に使用されてしまう。
読了日:02月04日 著者:鳥 トマト

📙 #幻滅カメラ 下 (ビームコミックス)

アキラくんの話が胸痛。あの子がサンタに願うのと同じことを思う子供がどれほどいるか。(父親はケンさんですね)
「俺の考えはいらないけど俺の体だけはずっと世界から必要とされている」というジゲン。育児はチキンレース(わかりみ)。自分自身のあらゆるものを手放して全てを手に入れようとし、弟と自分の恋人アメリを結婚させた姫子は自分の一番嫌いな人間になっていたのかもしれない。家族なんてこんなもの、子供ですらいつか通り過ぎていく他人だという意識はかえって子供を大切にすることになるんじゃないかと感じる。ラストが好きだ。
読了日:02月04日 著者: #鳥 トマト

📘 #発達障害の私が夫と普通に暮らすために書いているノート

大人になって発覚した発達障害とアダルトチルドレンであること。この二つが「私」の日常にどのように表出されてきたのか、当事者感覚を言語化し伝えてくれているノート。ツラいなと感じたのは当事者同士だから分かり合えるわけではないということ。特性ゆえに自分と同じでないと認め難い。彼女の場合は字が綺麗なことで「あなたは発達障害ではない」とはじかれたようだ。理解されないのは辛いことだ。
読了日:02月04日 著者: #ななしのうい

📕 #培養カプセルを抜けだしたら 、出迎えてくれたのは僕を溺愛する先輩だった (ファンタジア文庫)

世界が終わりかけている未来を描いたSF。文化や理工系の知識がしっかりしていて、ところどころ男性向けライトノベルらしい味付けがしてあるけれど、メインはSFなんだなぁと感じた。この世界の実態を掴むにはまだまだかかりそう。
読了日:02月05日 著者: #冴吹

📕 #そのハミングは7

不幸な事故で視力を失う主人公。周囲の大人たちの根気強い支えがあるも、理不尽な現実に対する苛立ちはかえって募るばかりで、そんな自分にも嫌気がさすの悪循環。ジャンという不思議な青年と出会ったことをきっかけに、主人公の心にこれまで決めつけてきた相手の多面的な姿が見えてくる。「大人」という揺るぎなく思えたものに、自分と変わらない柔らかな子供の部分を見出すような。彼らもさまざまな感情を時に持て余しながら、愛ゆえに主人公を抱えてきたことを知るような。痛みと愛を知る彼が大切な人のために起こした行動にグッときました。
読了日:02月05日 著者: #虹乃 ノラン

📕 #未来人は魔法世界を楽しく魔改造する (2) (スターダストノベルス)

今作はリカルドの連れである謎の少女レミリアの抱えていることがメインで描かれる。自分の問題だからとリカルドに頼ることなく一人で解決しようと頑張る彼女を追いかけるリカルド。どんな危機でも二人ならきっと乗り越えられると感じさせる安心感がある。大きな問題を乗り越える中、いつのまにか各所で幸福を振り撒いているのがさすがです。
読了日:02月05日 著者: #まさかミケ猫

📕 #城砦 〈上〉

新米医師誕生の第一部、クリスとの新生活が始まる第二部。目の前の患者に一所懸命な彼が理不尽な契約、嫉妬や不安に巻き込まれるたびにうんざりするのに諦めない、そのパワーに圧倒される。第二部では妻となる女性の苦労も並大抵じゃないなと感じた。クリスが大変すぎる。おかしいのに当たり前とされているものに飲み込まれると、じわじわと怠惰になってなかなか外へ出る勇気がなくなるんだなと思うなどする。
読了日:02月05日 著者: #アーチボルド・ジョセフ・クローニン

📕 #後宮に日輪は蝕す 金椛国春秋 (角川文庫)

後宮編最終巻。皇帝陽元と外戚族滅法を撤廃を賭けて後宮の女性による医生官試験合格を目指す遊圭。玄月は暗殺によって実権を握ろうとしてきたことが明るみになった皇太后派を捉えきれずに奔走している。皇太后の娘麗華は不遇な立場に置かれるも健気にも一人囚われの母の世話に通っている。口では諦めがついたと言っていた麗華だが、愛されなかった娘の愛情希求は愚直なまでに深い。自らの身を顧みない麗華の姿に涙してしまう。その相手が愛することを知らず、彼女を平気で踏みつける人間であるのに、心から追い出すことはできないのだ。
読了日:02月06日 著者:篠原 悠希

📕 #後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)

外戚族滅法。皇后の親族は先の帝に殉じて生き埋めにされるという恐ろしい決まりだ。そこから逃亡した星家の次男遊圭は男であることを隠し、かつて助けた町娘明々と共に後宮入りすることになるという大胆な展開。育ちからくる明々と遊圭の常識の差、互いを補い合いながら生き抜こうとする二人を応援したくなる。病弱な遊圭の世話をしていた外国人薬師胡娘、飯場を取り仕切る趙婆と遊圭の疑似親子的な関係にもホッとする。
読了日:02月06日 著者:篠原 悠希

📕 #後宮に月は満ちる 金椛国春秋 (角川文庫)

後宮で女医生官として働くことになった遊圭は引きこもり不健康な生活を送っている皇太后の娘・麗華の健康管理を名目に屋敷に入り、玄月から依頼された皇太后派の調査をはじめる。玄月に正体を見破られている遊圭には従う以外の選択肢がない。母皇太后から関心も愛情も受けてこなかった麗華の愛情希求は痛ましい。家族や胡娘から当たり前のように愛情を受けとって育った遊圭に麗華の満たされる見込みのない渇望は悲しくうつる。
読了日:02月06日 著者:篠原 悠希

📕 #みどりの海を覚えている (いろどりブックス, は1-1)

都会で孤立した子供時代を送っていたナナン。家族の海外移住をきっかけに離島に住む祖母の家で世話になることに決める。再び日本で住むことになった家族に呼び寄せられ、中学進学をきっかけに都会に戻るナナンの、あたらしい自分になる、性格を変えたいという頑張りは見事成功して見えるのだが。期間としては短かった離島の時を振り返り、ナナンの愛したもの、力付けてくれたものがそこにはいっぱい詰まっていて、その後の自分を支えてくれていたことがわかる。人口減少社会。故郷はずっとそのままあるものではないと突きつけられる物語でもあった。
読了日:02月06日 著者: #馳月基矢

📕 #アオハル100 % バチバチ!はじける最強ライバル!? (角川つばさ文庫)

青春度アップな二巻。新キャラインフルエンサーのライくんの登場でネット世界の怖いところ、推しの炎上や自分自身が炎上の最中にある時どう振る舞えばいいのか、考えたり話し合うきっかけにもなりそうな物語です。また友達関係、特にクルミくん自身の変化、相手を知ろうとする気持ちなど、伝えようとすることなど大切なメッセージがいっぱい詰まっていました。
読了日:02月06日 著者: #無月

📕 #幻宮は漠野に誘う 金椛国春秋 (角川文庫)

麗華が外国に嫁ぐのについて、失われた日蝕の周期表を探しに出た遊圭たち。全く違う環境、常識、文化と出会い、大きく成長する遊圭。砂漠を生きるルーシャンや、交渉に長けたの娘の逞しさなど新しい刺激の影響もあるが、なにより何がなんでも守りたいもののために必死になったことが大きいんだろう。星見に人生を賭けるお爺さんのようなものが欲しいと思ったことが自分にもあったなぁと思うなどした。麗華が幸せでありますように。
読了日:02月07日 著者:篠原 悠希

📕 #青春は探花を志す 金椛国春秋 (角川文庫)

進路に迷い、恋に真剣になるまさに青春時代。一巻で別れた敏童との再会。尤仁とのままならない友人関係。どこかでわかってくれる時が来ると期待してしまう遊圭はとても人間らしいと感じる。その分玄月の傷の深さを思う。遊圭の明々に対する態度は真剣さの表れ。ラストシーン、意味するところが明々に通じているのかちょっと心配。それにしても不憫な麗華がどうしているか気になる。
読了日:02月08日 著者:篠原 悠希

📕 #湖宮は黄砂に微睡む 金椛国春秋 (角川文庫)

辛い運命を繰り返した末の麗華の選択。家族を守れなかった傷を抱えてきた胡娘の決着。麗華の望んだ幸せの形は彼女のこれまでを思い起こさせるし、胡娘の抱く本来不必要であるはずの引け目も胸にくる。真人の投げやりさは理解できるがこれが精神的成長を妨げているんだろうとも思う。このあとの展開で彼も変わっていくのか。これまでライバル視?してきた玄月に対する見方も遊圭の中で少しずつ変化し成長していきそうな予感。
読了日:02月09日 著者:篠原 悠希

📕 #理不尽に婚約破棄されましたが 、雑用魔法で王族直系の大貴族に嫁入りします!1 (MFブックス)

まるでおとぎ話の姫と王子のように、出会って以降トントン拍子に進展していくマティマナとルードランの関係。雑用魔法はものすごく便利で、もしもひとつだけ魔法を使えるようになるとしたらこれを選ぶかも!って思う。最後まで読み進めるとこの魔法がものすごいことになっていく!!なんだかんだみんなそれぞれ収まるべきところへ収まっていく。安心して読めるお話でした。
読了日:02月10日 著者: #藤森 かつき

📕 #妖星は闇に瞬く 金椛国春秋 (角川文庫)

慈仙のうちに渦巻く嫉妬が凄まじい。利に聡いはずの橘真人の活躍にびっくり。思いっきり巻き込まれてしまいました。戴雲国で陥ったピンチも信頼を勝ち得ることでうまく道が開そうだったのに、朔露国が迫ってきてまたピンチ。追いかけてきた明々ともすれ違い、どんどん距離が遠くなっていく……。玄月にとってルーシャンたち宗教繋がりの兄弟が今はありがたい。それにして小月って何者なんだろう。
読了日:02月13日 著者:篠原 悠希

📕 #目には目を

少年Aが誰なのかは早々に明かされるが、密告者が誰で、何を思っていたのかを知った時、涙が止まらなくなった。一所懸命考えたんだろうな。うまく出せなくてずっと自分を持て余していたんだろうなと思って。負の感情を感じないようにしてきた大阪くん、有能な自己像にしがみつく他なかった小堺くんが、子供時代をやり直していく中で、愛されなかった現実を認め、関わり方をを学び、少しずつ罪の痛みを感じていく姿にも心を動かされる。簡単に一線を超えてしまいそうな危うさも見えるのだけど、それもリアルで……。語り手がたどり着いた答えも◎
読了日:02月13日 著者: #新川 帆立

📙 #母親だから当たり前 ? フツウの母親ってなんですか

社会や家庭から男性にも女性にも刷り込まれてきた価値観に気付かされる本。男性は自分の中のアニマ、女性はアニムスを認めることが許されない。義父、義母のように自分の中のアニマ・アニムスを抑圧して生きると他者を男らしくない女として至らないと断罪し、正そうと躍起になることになるし、語り手や夫のようにそれらを認めて生きようとすると批判の目にさらされる。この話では夫の鬱をきっかけに義父母の目覚めが訪れるが、現実にはそれでも変わらず、姉のように脱出する他なくなることが多そうだ。
読了日:02月14日 著者: #龍 たまこ

📕 #鳳は北天に舞う 金椛国春秋 (角川文庫)

明るく遊々と明々を支え続けてきたあの蔡才人が……萎れてしまって本当に痛ましい。引き裂かれた幼い玄月と小月が耐えて過ごした年月を思うと胸にくる。
蔡才人のそばには明々が必要だし、遊々、玄月もそれぞれのっぴきならない場所へ。ルーシャン戦略家!ルーシャンも強いけど、継母と都にいるお兄ちゃんもなかなかの精神力です。
読了日:02月14日 著者:篠原 悠希

📕 #臥竜は漠北に起つ 金椛国春秋 (角川文庫)

まだ生きていた頃の兄伯圭と宦官に落とされる前の玄月のエピソードからはじまる切ないスタート。皇子を産んだ小月の絶望は深く、彼女のそばにいることを選べず敵地に忍ぶ玄月の後悔も深い。助けに来た遊圭の手より、自分を縛り付ける身重の我儘姫を救うことを選ぶ玄月が、いかにも彼らしい。想像以上の身体のボロボロぶりが心配。
読了日:02月14日 著者:篠原 悠希

📕 #比翼は万里を翔る 金椛国春秋 (角川文庫)

遊圭、明々、結婚おめでとうございます!……まで、また一波乱。小月と明々の二人が胸の内を吐露して支え合うのに涙。敵国に残った玄月との困難な暗号通信を読み解けるか、読み解いてもらえるのかにヒヤヒヤし通し。遊圭因縁の相手との最大の危機。さまざまなものを乗り越えて、玄月、橘真人、遊圭みな大切な人とぶじに結ばれハッピーエンド。よかった!
読了日:02月14日 著者:篠原 悠希

📕 #神に愛されていた

自身を「特別な少女」と信じることのできる冴理。惨めな現実の中で彼女が自身をそう信じきれたのは、生来能力が高いことや、努力家であること、茉莉らの視線に励まされてのことだったのだろう。この核心はシャボン玉のように揺らぎながら夢を叶えるまでは保たれてきたが……。冴理とは反対に天音はただ一途に憧れ、盲目ながために周囲が見えず、妙に忍んでしまったり、大いにやらかしたりする非常に不器用な人間で、自身に特別さを見出さない。人も自分も道具のように扱う。二人とも自意識が不安定でとても少女のようだと感じた。
読了日:02月16日 著者: #木爾 チレン

📕 #月下氷人 金椛国春秋外伝 (角川文庫)

『時の妙薬』陶蓮と遊圭の蟠り。謝られたくない気持ちわかる。
『月下氷人』凜々と玄月の出会い。小月の後宮入りが描かれる。凜々の自己肯定感を支えたのは彼女の良さを認めた亡き主人とこの二人なのだとよくわかる。子供達の必死さが胸を打つ。
『無憂樹』執着を断つため大切なものを大人に奪われてきた陽元の子供時代。陶親子を宦官にしたことにも責任を感じ……。大切だから手放す、守りたいから近づかない。感じる手前で無自覚に抑圧してしまう陽元の無力感に胸が痛む。『水魚の契り』三家族わちゃわちゃする後日談。平和なひととき。
読了日:02月16日 著者:篠原 悠希

📕 #白雲去来 金椛国春秋外伝 (角川文庫)

「白雲去来」母を求めて旅するルーシャンの子供時代を妻に話して聞かせる設定。幼い頃から逞しい子。ルーシャンの三人の息子は皆母親が違う。多様な人が普通にいる。
「東瀛国からの使節」使節を接待する真人のもとにかつて学生証を奪った相手が現れて……って話。懺悔する真人に心の成長を感じる良作。父母どちらの国にも居場所のない被害感から、損得勘定で出し抜いて世渡りしてきた真人が必死で這いあがろうとしてきたことを、垂水が認めてくれる。泣くわ。
「皇帝の憂鬱」玄月と小月の息子に肩入れする陽元。将来の争いの種になりそうな予感。
読了日:02月16日 著者: #篠原 悠希

📕 #さよならまでの7日間 、ただ君を見ていた (アルファポリス文庫)

この世になんらかの未練を残し幽霊となっていた青年レイ(仮)は、自分に関する記憶の全てを失っていた。レイの姿を見ることのできる寺の娘結夏は彼の記憶を取り戻すために奔走する。レイの過去を探る中で結夏自身の過去の傷や、解消できないまま良くない解釈をしてしまっていたこと、現実の見え方も変化していく。深く大切な人を思う気持ちが交錯し、涙を誘われます。
読了日:02月16日 著者: #東里胡

📘 #過去の握力 未来の浮力 あしたを生きる手引書

自分を生きるステージにいる人と、それ以前の土の中にいる(いた人)人との対話としてとても理解しやすかった。様々な脚本に囚われて気づけないうち、若しくは気づいても抜けられないうちは、早く人間になりたいという感覚でいる。もちろん前者にも傷つきはあるし、後者にも強みはある。それぞれ自分のことをしながら相手を理解しようと努める会話はコレぞ他者と生きている実感だ、と思うなどした。
読了日:02月22日 著者: #ジェーン・スー , #桜林直子

📘 #あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方

audibleで読了したが、ワークもあるし、紙の本とノートを持って取り組みながら読んだ方がよかったと思う。
実用的な時短術から始まり、認知行動療法などで心理的なブレーキや、自分自身、自分の望みや喜びを把握することまで、短い人生を悔いなく生きるために何に取り組めば良いか深い部分まで書いてある。手間に感じるが時間をとって取り組んだ方が道がはっきり見えて良いのだと思う。
読了日:02月22日 著者: #佐藤 舞(サトマイ)

📕 #明治殺人法廷

書き出しの語り手が誰なのかが謎めいていて、また読み取り不足(知識不足)でその後の登場人物のうち重要になるのが誰なのかを把握するのに最初のうちは戸惑った。
三分の一を過ぎたあたりで冒頭の事件と、それに立ち向かう人たちがくっきりして俄然面白くなる。前半ですれ違うように出てくる幾人かの人たちがなぜ描かれたのかも理解できた。当時の裁判はめちゃくちゃだが、現在の日本の裁判の有罪率を思うと、今もどれくらい適切に裁かれているのだろうかと考えてしまった。
読了日:02月22日 著者: #芦辺

#読書メーター
#読書感想文


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