【企画物語】フリースクールの学び~子どもの社会参画を支援する寺子屋方丈舎の挑戦~
1.なぜフリースクールのセミナーを企画したのか
NIJINアカデミーが開校してたくさんの子ども達がHAPPYになっている。代表の星野達郎は、仕組みを整え、子供達のハッピーを実現させている。
しかし、全国に目を向けると、学校に通えない(通わない)子たちは不登校(問題行動)としてネガティブなレッテルを貼られてしまい、親も子も苦しさの連鎖に陥っている。これは、教育課程が「学校に通う」という1つの選択肢しか存在せず、社会の多様性とマッチングしていない。なのに、学校の先生は、1つの選択肢を強制し、登校させることが目的になってしまい、フリースクールなど他の教育を選択肢にすることをタブー視する傾向にあるのではないかと考えている。私見だが、担任が不登校の子を持つ保護者に、良かれと思ってフリースクールなど学校以外の学びの場を紹介すると気分を害されてしまうのではと危惧している。うちの子は登校できないのだと担任は諦めていると受け止める可能性があるからだ。つまり、教師も保護者も同じ思考に陥っている。
学びの選択肢は多くあっていいはず。学校だけが学びの場ではない。フリースクール、オンラインスクール、塾・・・。
学校以外の選択肢を提示することは学校教育の敗北とはとらえない。
まずは、教育に対する考え方をアップデートしなければと思い、青森県の教育改革会議で委員をなさっている江川さんにDMを送り、セミナーが実現した。
2.セミナーでの学び
①.「不登校と非行」は問題行動に分類されている
非行は当然問題行動である。これは誰に聞いても首を横に振る人はいないだろう。しかし、不登校が問題行動だと言うと、違和感を感じる人が多くいるはずだ。最初にも書いた通り、不登校は問題行動のカテゴリーに分類されている。この時点で登校しないことがネガティブになってしまう。この思考の呪縛は、思考の転換なくしては乗り越えられない。
学校以外の場で教育が認められるのが、今の時代に必要とされる仕組みだと感じている。学校に通わない選択肢が認められることが、必要である。そのためにも、学校以外の教育の場が地域格差無しに保障されることが急務である。残念ながらフリースクールのような施設は、30万人の不登校生徒に対して全然足りていないのが現状のようだ。また、予算的な面でも大きなハードルがあり、今後の課題である。
②.親同士の横のつながりをつくる
不登校の親は、身近に相談する仲間がいない。これは、現場にいる人間としては、なるほどと思った視点である。
「我が子が不登校になりました→担任に相談する→スクールカウンセラーに相談する」というオフィシャルな相談が現在のありふれた流れであるが、そこに親同士の関わりは存在しない。
「我が子が不登校になりました→学校が不登校の子をもつ親の会なるものを紹介する→会に参加し、悩みを共有する→心の負担を和らげる→新しい学びの場を探し始める」
という流れにもっていけないだろうか。子どもが主語の学校づくりでは、このように保護者支援という考えも必須だと感じた。
https://futoko-net.org/(紹介いただいたサイト)
③.プロジェクトは子どもとスタッフを育てる
教育は教え育てると書くが、教えるだけが教育ではない、自分自身でやりたいことを企画し、探求するところに教育の本質があるのではないかと考える。そこにスタッフがともに参画し、社会参画の第一歩が実現する。子どもを未来の大人と受け止めリスペクトして接することが子どもも大人も育つ理想の形ではないかと感じた。
④.自己決定の文化
何事もやってみないとわからない。やりなさい!でなく、「やる」と自己決定して実行する。たくさん実行していく中で、価値観の揺らぎが必ず出てくる。そしてリフレーミングして思考の再構築。この繰り返しで学びが深まっていく。そのスタートはやはり自己決定の文化。
あまりにも決定権を大人が持ちすぎていないだろか。学校の中は、先生の決定権であふれている。「先生、〇〇していいですか?」この言葉が、学校から消え、「先生、○○します」が当たり前に発せられる子どもは、おそらく社会参画できる子として人生をHAPPYにできるだろう。
3.まとめ
学校に通わないという選択が受け入れられるためには、まだまだ社会教育の体制が不十分である。教育の選択肢を増やすことがこれからの時代に必要である。フリースクールを全国に大量に設置することは今の私には実現不可能なほど遠い課題ではあるが、勤務している職場の不登校児童には、教育の選択肢をしっかりと与えていきたい。学校以内の学びの場をしっかりと教師が把握し、学校以外の教育をしっかりと情報発信していく。
学校に通わない=自分時間が多く確保できる
オンラインスクール=全国の仲間とつながれる
フリーススクール=自分に合った学びができる
全国の学校の先生方は、学級に不登校の子がいても、ネガティブにとらえないでほしい。ポジティブにとらえるためにも、その子にあった学びが何かを考え、学校以外の教育について情報提供することも必要である。
子ども達への教育の在り方を考える素敵な時間にすることができた。
ぜひ、江川氏が運営する寺子屋方丈舎、訪問してみたい。
しんちゃん@三浦真司
4.参加者の声
現在の不登校問題は、学校教育の課題が浮き彫りになってきたという認識があり、江川さんのスクールでは、それらの課題にしっかりと向き合っているということが印象的でした。本日も有意義な時間をありがとうございました!
フリースクールの取組が、よく分かりました。質問へのご回答もありがとうございました。公教育の中でもできることは多くあるんだなと思い、安心しました。
本日はありがとうございました。 方丈舎での運営内容も聞けて非常に良かったです。 一方で、フリースクールが増えてくことで生まれる「フリースクール格差の問題」についても、またの機会にお伺い出来たらうれしいです。
不登校など公教育におけるネガティブな経験を残したり共有したりできる環境づくりの必要性を感じました。