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日本遺産グルメマガジン 赤穂編~いろんな牡蠣、アリマス~

日本遺産ソムリエ 中本美苗

以前なら、「ここに行ったよ!ここ行きたい!!」の赤穂や坂越の記事で食べ物も一緒に取り上げていたけれど、書きたいのをぐっと我慢してグルメマガジンでご紹介!
ちなみに、「ここに行ったよ!ここ行きたい!!」の記事はこちら

◆赤穂といえば、実は牡蠣

赤穂といえば「塩」と思うはず。日本遺産でも塩の産地として紹介されている(Story#077 「日本第一」の塩を産したまち 播州赤穂)。でも、赤穂、とくに坂越は「牡蠣」が有名とのこと。今はRのつく月で、旬ということでとくにおいしい。

わたしも滞在中に、いろんな牡蠣料理をいただいた。
牡蠣鍋とか……

牡蠣鍋

ホイル焼きとか……

牡蠣ときのこのホイル焼き

カキフライ! 

カキフライ


どれもおいしくてパクパク。
では、趣向を変えて、こんなのはいかが?

なんでしょう?
裏はこんな感じ


甘い牡蠣殻(笑)
坂越のお菓子屋さん、坂利太(サリータ)さんで売っている、「てーてって」。「てーてって」とは赤穂弁で「連れてって」という意味だそうだ。

イタリアのお菓子で使う「タッピ」という生地でできているとのこと。いわゆる「パイ」に似てるけど、作り方も食感もかなり違う。
パイは小麦粉とバターと水を混ぜて何度も伸ばしては折りたたんで、焼くとバターの部分が溶けて層になるしくみ。食感は「サクサク」か「パリパリ」、最初は硬いけど、水分を吸ってしっとりしてくる。

「タッピ」はパスタ生地を極薄に伸ばしてグルグル巻いて円筒状にして作るらしい! それを切ってへこませるとこんな感じになるのかな。
また、バターではなく、生地にラードを塗って巻いていくらしい。激しく手間のかかる製法だ。
こちらは「バリバリ」、かなり硬い。香りはないが、いつまでも硬い感じ。この硬い層の感じがいかにも牡蠣殻っぽくて、うまくできている。

ラードだから脂っぽいんじゃ? と思うかもしれないが、案外しつこくない。パイは「層」にするためかなりバターを使うが、こちらは生地に「塗る」だけなので油の量は少ないのだろう。
台(牡蠣殻?)の部分がわりと淡泊な味なので、上のコーティングチョコの味がよくわかる。ただ、バリバリなので、どうしても飛び散ってお行儀が悪くなる(笑)

一番小さい詰め合わせセット

フレーバーは6種類。エスプレッソ、リモーネ(レモン)、ロココ(シナモン、アニス、クローブ)、ブラックチョコ、黒ゴマ、いちご。
1袋2枚入りで、これが一番小さなパッケージ。お店では1袋ごとでも購入可能。
話題性のあるお土産にベスト! 週末は行列ができるらしい。ちなみに、セットは通販でも売っている。

伊勢海老もある?

坂利太さんでは、「てーてって」のほかに「アラゴスタ」というお菓子も売っている。
「アラゴスタ」はイタリア語で「伊勢海老」。ナポリ伝統菓子で、正式な名前は「コーダ・ディ・アラゴスタ」(伊勢海老のしっぽ)とのこと。
こちらも同じく「タッピ」を使い、コルネ型になっていて中にクリームが入っている。クリームの種類は5、6種類あったような。「紫芋」といった季節限定のフレーバーもある。

イートインスペースはないので食べ歩きと言われたが、せっかくなので食べたい! と思い、「ジャンドゥーヤ」を注文。その場でクリームを入れて作ってくれるので、少し待つ。
見た目はこんな感じ。伊勢海老のしっぽっぽい感じが出ていると思う。

アラゴスタ(ジャンドゥーヤ)

出来立てなので、食感はもちろん「超バリバリ」(笑) 
歩きながら、クリームがこぼれないように、破片をこぼさないように、と思って少しずつ食べたのだが、案の定あちこちに激しく破片をまき散らして、自慢の街並みを汚してしまった……ゴメンナサイ!!!! 鳥さんたちが後始末してくれることを願いながら食べきった。
濃厚なクリームの味がしっかりして、美味。ごちそうさまでした。


◆赤穂といえば、やっぱり塩

赤穂のお菓子といえば忘れてはならないのが、塩味饅頭。どうしてもこれは外せない。名産の塩を使った素朴なお饅頭だ。
地元のいろんな和菓子屋さんが作っているのだが、今回は三島屋本店の「鹽味(しおみ)饅頭」をゲット。
パッケージには討ち入りの場面が印刷してあって、開けるとこんな感じ。

鹽味饅頭のパッケージ

スタンダードな白、緑色が抹茶、薄茶色はきなこ味。
包んである薄紙には、浅野家の家紋「丸に違い鷹の羽」が印刷してある。
中身はこんな感じ。これはきなこ味。

きなこ味の断面

お味はというと……あれ?
もちろん塩味はするんだけど、全然強くない、というかあまり感じない。
若い頃、お土産でもらったり訪問したときに買ったりして食べたときは、もっとガツンと塩味がきいていて、「うわっ、甘いけど塩辛いってどうよ!」とびっくりした覚えがあった。
今では「塩ソフトクリーム」とか「塩キャラメル」とか、塩入りの甘いお菓子もふつうに出回っているので舌が慣れたのか、それとも健康志向を反映して塩控えめになったのか……
他のお店の塩味饅頭と食べ比べていないので、もしかしたらお店によって差があるのかもしれないが、ちょっと予想外。とてもお上品な塩味だった。


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