カラーユニバーサルデザインをすべての教育現場に
日本理化学工業、社長の大山です。
4月の新入学、新学年に向けて、弊社の主力商品「ダストレスチョーク」についてぜひ多くの方に知っていただきたく、この記事を書いてみようと思います。
お子さまを育てるご家族はもちろん、広く教育のお仕事にかかわる方にもぜひご覧いただきたいと思います。
ダストレスチョークの種類をご紹介
私たちが作っている「ダストレスチョーク」には実は種類がたくさんあります。
学校や塾などたくさん使っていただく場所にはDCC-72 のシリーズ。
私の先輩方が大切に生み出し育ててくれた炭酸カルシウム製、そしてホタテの貝殻の微粉末を配合した使いやすいチョークだと自負しています。大定番の白(北海道美唄工場で生産)のほか、赤、黄、青、緑、紫、茶に加え、黒板アートなど画材として使われる墨色と紅(川崎工場で生産)も定番化しました。
上記商品に加えて登場したのが、「ダストレスeyeチョーク(DCIシリーズ)」です。商品名に【eye(アイ=目)】とついていることからもご想像いただけるかもしれませんが、見え方に工夫をしたチョークです。
チョークのメーカーにできること
私たちがこの「ダストレスeyeチョーク」を開発、発売したのには理由があります。
まず、私たちが「見える」という力にはさまざま特性があります。特定の色の見分けがやや難しい方から、全く見分けができない方、目の見えない方も含め、特性があるのです。
2003年に長年行われてきた小学校での色覚検査が一斉に停止され、色の見分けがつきづらい生徒がいるかどうかが学校側で把握が難しい状況となりました。(検査や色覚に関する詳細はこちらからもご覧いただけます。)
そうした中で学校でたくさん使っていただくチョークをつくるメーカーとして「できること」を考えたのです。
当たり前に使用するチョークが、より多くの色覚に特性をもった生徒さんたちに判別しやすい色味であれば、さまざまな色覚の特性があっても色を見分けやすくすることができるのではないか、という結論に至りました。
誰もが見やすい環境に
学校での色覚検査がなくなったということで、実際に色が識別できているかどうかがわからない状態で授業を受ける生徒も少なくないのではという危惧がありました。特定の色の組み合わせで識別しづらさを感じる人もいる中で、チョークメーカーとしてできることを考えたとき、
「色覚に特性がある人だけでなく、同じ教室で学ぶみんなにとって見やすい板書を作るためにはどうすれば良いだろうか、使う先生たちの授業の幅を広げる多色使いができるためにはどうすれば良いだろうか」を突き詰めて考え、東京大学(当時)の伊藤啓先生のご協力も得て、一般的に言われる赤の見づらさだけを解消するのではなく、多色でのバランスに配慮した色のチョークを作ることにしました。
色の対比で「明るさ」「暗さ」/「くすんでいる」「鮮やか」の差を作ることで明度・彩度に差の幅がうまれ色を識別しやすくしたのです。
先生からの声
3、4月はチョーク生産の最繁忙期でもあり、お問い合わせも多い月です。学校の先生からはすべての生徒のためにeyeチョークを活用してくださっていることや、授業の工夫などを伺うことも多くあります。個人的にeyeチョークを文具店で買い求めてくださり、見やすい板書の工夫をしてくださっている先生もおられると聞きました。
新しいスタートの時期、黒板の文字が見づらい、識別しづらいことが理由で授業が面白くない、分かりづらい、ということがないように、という願いもこめたeyeチョーク。学校を始めとした教育の現場でもぜひご活用ください。
(商品の詳しい情報はこちらからもご覧いただけます。)
2023年度も残りわずかです。
今年、3月は区切りよく31日が日曜日となります。
新学期、新入学、入社など、みなさんの新しい場所で始まる生活が実り多いものになりますように。
そしてそれらの場面で私どものつくるチョークやキットパスが何かお役に立てれば幸いです。
今回もここまでお読みいただきありがとうございました。
大山隆久