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【読書レビュー①】春日武彦「恐怖の正体」
こんばんは。PisMaです。
今日は本を読んでいました。
中公新書出版の春日武彦「恐怖の正体」。
恐怖とは何かを研究した本で、ずっと読みたいと思っており今回のレビューに選びました。私は特に恐怖に弱いので、「何故怖いのか・どういう時に怖くなるのか」を知れば何かの役に立つかなと思いました。
恐怖についての本であるため刺激の強いグロテスクな表現への言及が含まれます。苦手な方はご注意下さい。
それでは行ってみましょう。
第1章「恐怖の生々しさの定義について」。
本章では、電車の下に潜り込んだ男が電車にゆっくりと轢かれてしまう事故をもとにした恐怖体験の実例から始まります。
この時点では異変や違和感を持つパーツ…欠損し破壊された動物の肉片などの「死に結びついた記号」への言及がされていました。
またもう一つ例として上がっていたのは、男性の遺体を火葬したら中から胎児が出てきた。この胎児は司法解剖した医者が勝手に埋め込んだものだった、など吐き気を催すような倫理観の欠如も含まれる異様なユーモアは、グロテスクと親戚のような関係を成すのだそうです。
確かにグロテスクな描写と気味の悪さはセットになっているときが多いですね。
様々な状況から、恐怖の特徴を定義づけていくと
①危機感
②不条理感
③精神的視野狭窄
この要素が3つ組み合わさることで、恐怖という体験が形作られる。ちなみに精神的視野狭窄をざっくり言うと、追い詰められたときに事柄への焦点を絞り「これなら出来る」と一つのことに集中しようとする状況のことです。
精神の余裕や柔軟性が失われ、さらに悪い状況を引き起こす。私は焦るとよくこの精神的視野狭窄を起こしてミスが多発するので、どうにかならないようにしていきたいものです。
そして面白いのは、危機感は実在しなくても恐怖は発動するという点。架空の危機感、いわゆる「恐怖症」です。高所恐怖、先端恐怖、醜形恐怖、集合体恐怖。
これについては次回のレビューで詳しく説明していこうと思います。
何故私たちは不快感やグロテスク、気持ち悪さまでエンターテインメントとして楽しんでしまうのか。
そんな考察も交えながら話が進んでいきますので、私も「自分は何故怖いものが見たいのかな?」と考えながら読み進めたいと思います。
本日はここまで。
また続きが読めたら更新いたしますね。
お相手は黄緑の魔女PisMaでした。
恐怖の種類に目を凝らして。
おやすみなさい。