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【読書記録】藁を手に旅に出よう ”伝説の人事部長”による「働き方」の教室/荒木博行 著

うさぎと亀、裸の王様、アリとギリギリスからたくさんのことを学ぶことができます。

おはようございます。
60冊目の読書記録やっていきます!

今回紹介する本は、『藁を手に旅に出よう ”伝説の人事部長”による「働き方」の教室/荒木博行 著』についてです。


なぜ、この本を選んだか?

表紙&タイトルに惹かれ読んでみることにしました。

僕はストーリー×ビジネス書が好きです。

難しいことを易しく書けることにとても魅力を感じるので、読んでみたいと思いました。

どんな本?

昔話や寓話から、こんな捉え方や考え方もできるよね?

というのが、興味深く書かれている本です。

新人社会人はもちろん、僕みたいなミドサーや指導する立場の人にも刺さる本だと思います。

しかも、物語形式でイラスト付きなのでとてもわかりやすいです。

12個の物語があります。

Session1 亀が戦略的にうさぎに勝つ日
Session2 裸の王様が生み出す空気に勝てるか?
Session3 オオカミ少年に罪はない
Session4 桃太郎に大義はあるのか?
Session5 北風は相手への憑依が足りない
Session6 藁を手に旅に出よう
Session7 浦島太郎はなぜ竜宮城に行ったのか?
Session8 アリがキリギリスに嫉妬する理由
Session9 花咲か爺さんの人生の尺度
Session10 大好きな蕪を分解する方法
Session11 ティファニーちゃんが問いかけるあなたにしか見えない未来
Session12 君はレンガの先に何を見るのか?

それでは、この中で特に学びになったポイントを紹介していきたいと思います。

ポイント① 『うさぎと亀』の話から学べること=2種類の努力

うさぎと亀は、有名な話です。

かけっこが早いうさぎとかけっこが遅い亀が、かけっこをし、うさぎは途中で寝てしまい、コツコツ努力した亀が最終的に勝利すると言う話です。

この昔話では、
コツコツ努力すればうまくいく。
勝つまでは油断をしてはいけない。

ということでよく語られます。

しかし、そもそもが勝てない戦い・不利な戦いに乗るのが良くないという風に捉えることもできると、この本から学ぶことができました。

このように、会社であまり考えない上司が不利な戦いに挑むように指示することはよくあるようです。

こんな上司に当たると、努力しているのに成果が出ないので、部下は地獄です。

努力はとても重要です。

ただ、正しい場所で使ってこそ努力は生きるのです。

この本には、努力には2つの種類あることが書かれています。

「どのフィールドで頑張るかを戦略的に考える努力。そして、実際にそのフィールドで行う努力。努力って言うと、二つ目の努力ばかりにフォーカスが当たるけれど、最初の努力の方がずっと重要なんです。実力が活かせないところで努力しても……もったいないでしょ?」

『藁を手に旅に出よう ”伝説の人事部長”による「働き方」の教室』より引用

どのフィールドで頑張るかを戦略的に考える努力の方が、重要なんですね!

意外に盲点だったと感じました。

この本では新社会人向けの為の本なので、自分の努力すべき場所である配属先がとても重要とのことでした。

これから取る資格や転職先にも、この考えはとても重要だと思います。

そのためにも、今一度、自己分析は有効だと思いました。

(自己分析についての過去記事です。)

ポイント② 『裸の王様』から学べること=空気は大きな影響力

続いての寓話は『裸の王様』です。

これは、ある職人が、
王様に最高級の布で作った衣装ができる。

しかし、
「この布はバカには見えない」と言い、
透明の布を渡します。

王様は大臣に、
誰がバカかチェックできると思い、
大臣達に見せつけます。

大臣は、皆、
「これはすごい布だ!」
と褒め称えます。

(もちろんそんな布は見えない)

その透明の布を、裸の状態で着たままパレードに出ると、

子どもから、
「あれ、王様って裸じゃね?」
と、声が上がり、

他の国民からも声が上がるというものです。

この話から、僕は素直に言うことは重要だという風にしか捉えることはできていなかったのですが、この本では他のことも学ぶことができました。

本にはこのように書かれています。

「私たちは常に、『論理的な判断基準』と『空気的な判断基準』の二つの狭間で生きている、と」
(中略)
「ここで言う『空気的な判断基準』というのは、その時の人間関係のようなもので徐々に形成されていきます。山本七平は、『空気』というのは、宗教的絶対性」を持って私たちに襲いかかってくる、表現しました。だから、私たちは、この『空気』と『論理』の間で悩みつつも、多くの場合は『空気』に負けてしまうのです。

『藁を手に旅に出よう ”伝説の人事部長”による「働き方」の教室』より引用

※山本七平さんは『空気の研究』という本を執筆した評論家です。

最初、「この寓話の大臣や国民はバカなのか?」

と思っていたのですが、それは違うようです。

みんな王様に合わせるしかなかったのです。

『空気的な判断基準』はそれだけ大きいと言うことなのですね。

「それは違う!」
と思っていたのに、上司の意見を取り入れてしまうのも、『空気的な判断基準』のせい。

自分含めて、選挙や政治に関することも、『空気的な判断基準』で考えている人が多いと思います。

この話の教訓はこうです。

「ここでの結論はシンプルです。つまり、私たちはもっと『論理』を強化しなきゃダメということ。手強い『空気』を前にして、生半可な『論理』じゃ勝てないということを自覚しなきゃいけません」

『藁を手に旅に出よう ”伝説の人事部長”による「働き方」の教室』より引用

『空気』に流されないよう、気をつけましょう!

ポイント③ 『アリとキリギリス』から学べること=一人称で考え、三人称を取り入れる

『アリとキリギリス』の話からも深い学びがありました。

遊んでばかりで怠け者のキリギリスと働き者のアリの話です。

少年時代に真面目な親から、キリギリスのように生きてはいけないと教えられた記憶があります(笑)

キリギリスは嫌われていました。

これはなぜでしょうか?

この本にはこのような言葉があります。

「想像してみて。皆さんはアリ。アリには大きな組織があります。その組織によってみんな支えられているし、皆さんが組織を支えている。だからこそ、一旦アリの組織に入ってしまうと、おそらく高い同調圧力があるはず。個人レベルのやりたいことなんて尊重されない。みんな自分の役割をわき目も振らずにやるだけ」

(中略)

「そんな時に、素直に自分のやりたいことをやっている人、やろうとしている人はどう見えるかしら?」

『藁を手に旅に出よう ”伝説の人事部長”による「働き方」の教室』より引用

このように考えると、子どもの頃には見えなかったことが見えてきます。

アリはやりたいことをやりたいのにできない。
やりたいことを自由にやっているキリギリスに嫉妬をしていたのです。

フリーランスで稼いでいる人を羨望のまなざしで見る、会社員の僕にはすごくアリの気持ちがわかります!笑

大事なのはキリギリスみたいに全員が短期思考で脳天気に生きろというわけではありません。

このまま行くと、ここの大半の人は、アリのように『苦行に耐えてこそ仕事だ』『自分を押し殺してこそ仕事だ』という誤った価値観を持ってしまう危険性があります。

『藁を手に旅に出よう ”伝説の人事部長”による「働き方」の教室』より引用

行きすぎたアリ的思考というのも良くないのですね。

ここまでがアリとキリギリスの話なのですが、彼らは本当に両極端の思考です。

組織のために生きすぎるアリと、目先の個人だけの幸せを求めるキリギリス。

ちょうどアリとキリギリスの間くらいの思考がいいと思うのです。

そのために、大事なのは『一人称で考え、三人称を取り入れる』というものでした。

最初に「自分が」どうしたいのかを考える。
その上で、他者の希望とどう折り合いをつけるのかを考える。

僕は会社で、
「何をしたいのか?」
「どうなりたいのか?」
このようなことを考えず、

組織の、
「売り上げ」
「To Do」
「役割」
「評価」
ばかりを気にしてきました。

これでは、会社の言われるがままです。
会社に人生を指導権を奪われるアリそのものです。

目指すは、
自分のやりたいことを明確に持つキリギリス。
組織の希望と折り合いつけるアリ。
この両方が必要なんだということを学ぶことができました。

感想

最後までお読みいただきありがとうございました。

寓話や昔話も経験と共に全く受け取り方が違うというのは面白いと思いました。

特に印象的だったのは、桃太郎の仲間達はなぜきび団子だけでついてきてくれたのか?

が、分からなかったのですが、この本でその謎も解決しました。

『ハーズバーグのモチベーション理論』にあるようですね。

気になる人はぜひ本を読んでみてください!

ではでは~。


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