【後編】SBT認定を取得しました!
こんにちは、西川コミュニケーションズSDGs広報チーム”つつつ”です!
今回の記事では、当社が2022年10月に取得した「SBT認定」の後編をお送りします。後編では、どうやって申請したの?簡単に見えて実は大変だったデータ集めの裏側など、ちょっとしたハプニングを交えながらお送りします!
ちょっと復習「SBT認定」とは
カーボンニュートラルの対策として自社の目標が世界的な基準と合ってることを認める制度で、減らした実績に対して認定されるのではなく、減らす約束に対する認定です。当社では紙を多く使う印刷物を扱う業務を行っているので「つくる責任」を果たすために重要であると考え、取得に至りました。前編の記事をもっと詳しく知りたい方はこちら
取得のために具体的に何を申請したの?
申請したものは当社の会社情報のほかに、「2018年のCO2排出量」と「いつまでに、どれだけ削減するか」という目標です。
なぜ2018年?と思われるかと思いますが、これはSBT認定の中小企業版として基準年が決められています。
「産業革命以降の気温上昇を2度未満にするために、2018年のデータを基準に、2030年までにGHG※3排出量を30%削減する」これが申請内容です。
なお、「30%の削減」についても基準年と合わせて規定されています。
2018年のCO2排出量はどうやって算出したの?
GHGプロトコルという規定に則って算出しています。
(簡単に言うと「温室効果ガスの排出量を算定・報告する際の国際的な基準」です。リンク先は英語です。細かく説明すると難しくなるので省略します!)
算出の際に重要になる「Scope(スコープ)」の考え方があります。
Scopeとは全部で3つ、Scope1、Scope2、Scope3。
事業をサプライチェーンで考える際、画像のように上流・自社・下流と分けられますが、自社にまつわる排出がScope1、2です。
当社が該当するのは「中小企業版のSBT」ですので、
Scope1、2の排出量のみの算定になります。Scope1,2いずれも活動量を出し、そこに定められた排出係数を掛けることで排出量が出ます。
当社のScope1.2の排出量です!
【Scope1】535.2 tCO2e 【Scope2】1993.7 tCO2e
Scope1はガス、ガソリンの使用量。
当社でいうと、社用車に使用するガソリンと印刷工程における「輪転機」(ガスで印刷物を乾かしています)で使用したエネルギー量が主なものになります。
Scope2は工場、事業所を含めた電気の使用量。
CO2の排出量言われても、なかなか日常的になじみのないものなので
多いか少ないか分かりづらいですが、同業他社で公開されている
ものと見比べてみるといいかもしれません。
(上場企業は公開していることが多いですよ!)
SBT申請までの手順
環境省の資料や、他社の事例などを参考にして①~④の順で行いました。
①自社の経理データから2018年2月~2019年1月の対象となる拠点の電気・ガス・ガソリンのデータを整理
(自社ビル・東京・浜松・大阪・沖縄・自社工場など)
②データに使用量が記載されていないものを請求書や領収証から確認
③Scope1、2の活動量に係数を掛けて算出
④申請フォームに入力
ん?結構、簡単なのでは?
いいえ!!!書き出すと簡単ですが、すごーーーく、大変でした!!!!
特に②については、経理データ上で支払いの金額は分かっているものの、電気・ガス・ガソリンの使用量は支払い上、必要ないのでデータとしてはほとんど記録されていませんでした…
領収書や請求書などが保管されているコンテナボックスを自社工場の一角からクレーンで下ろしてもらい、伝票番号を付け合わせながらガス・ガソリンの使用量を確認!1000件近くのデータ確認を2人、丸7日がかりで完了しました。
申請は全て英語!
④についても大変でした。基本的にSBT申請は英語で行うのですが、環境にまつわる専門的な単語や独特な表現なども出てきました。また、2021年秋ごろから準備を始めたのですが、2022年4月に申請フォームの内容が一部変更となったことで、とても慌てました…!
幸い、当社には英語に強い従業員がおり、申請前に申請の項目の洗い出しをしながら進めたため、何とか申請出来ました。
大事なのはこれから
基準となる年の排出量の把握・目標設定までは無事完了。SBT認定の申請項目にもあるのですが、「排出量と目標に対する進捗状況を毎年、公に報告すること」とありますので、認定が取れたら終わり!ではなく、継続的に把握・削減していく必要があります。
今後は削減に向けた具体的な方針決めなど、具体的な「行動」を起こしていく必要があります。”つつつ”では継続してカーボンニュートラルに対する経過についてでご報告します!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?