みんなで同じ本を読んで話し合う”輪読会”に挑戦してみた
こんにちは。西川コミュニケーションズ(NICO)SDGs広報チーム“つつつ”です。
今回は4月23日の「世界 本の日」にちなんで、みんなで同じ本を読んで話し合う”輪読会”(りんどくかい)にチャレンジ!「世界 本の日」って何? ”輪読会”って? どうやってやったの? やってみてどうだった? などをお届けします!
4月23日は「世界 本の日」
「世界 本の日」は、1995年11月、パリで開催されたユネスコ総会において、毎年4月23日を「世界 本の日」とする宣言文が採択されたことによるもの。本の良さを再認識し、親近感を育むことを目的に定められたものです。
本とSDGsってどんな関わりがあるの?
「世界 本の日」はSDGsと一見関りが無いように思えますが、関りはあるのです!ざっくりと、今話題のchatGPTに解説してもらいました。
瞬時に答えてくれました!なるほど、と思うことも多いです。
実はつつつの記事制作に携わるメンバーは皆が同じ部署ではなく、様々な部署から参加しています。普段からSDGsに深く触れるメンバーもいれば、普段はあまりSDGsには触れることのないメンバーも。SDGsという共通のテーマを考えるにあたり、共通の認識を作りたいと以前から話題に上がっていました。今回「世界 本の日」というせっかくの機会なので、SDGsについて学ぶことのできる書籍を取り上げ、輪読会という形にチャレンジすることになりました。
SDGsを学べる「未来を変える目標 SDGsアイデアブック」とは
SDGsについて学ぶ本としてこちらの書籍を選びました。この本はSDGsを達成するためのアイデアや取り組みを紹介したもので、過去には「SDGs検定」の参考図書にもなりました。
こちらの書籍では、国内外の企業や団体が実践してきたアイデアや取り組みが紹介されており、本を読むことで自分自身または、自分たちが所属する組織でSDGsに取り組む際のヒントやアイデアを得ることができます。漫画のページがあったり、SDGsの17の目標を分かりやすく解説していたり、図や写真が多かったりとSDGsの知識に触れるにはオススメの本です。
書籍のざっくりした内容はこんな感じです!
輪読会って何?
「輪読会」とはみんなで同じ本を読んで話し合う会のことで、自己啓発や学習を目的に行なわれることが多く、こんなメリットがあります。
・一人で読む文量が少ないので短い時間で集中してインプットできる。
・参加者が交代で要約や解説を行いながら、意見や考察を共有することで、新しい知見を得たり、視野を広げたりすることができる。
・定期的に開催することで、読書習慣を身につけることもできる。
短い時間で効率よく知識を得たいという風潮もあってか、輪読会はじわじわと広がっている話題の学習法だそうです。
気になるやり方は?
「輪読会」という言葉で説明されている様々な事例を調べてみましたが、実はやり方は様々。対象のパートを担当者が音読して他の人は聞いているスタイルで半年や1年かけて行なうものもあれば、各自が読み進めてドキュメントを共有して終わり、というものもあります。今回、”つつつ”では記事化も意識し、各自で書籍を読んだ後にドキュメントとしてまとめてもらい、発表。その後、1時間程度のディスカッションの時間を設けることにしました。
”つつつ”でやってみた、大きな流れは下記の通りです!
①まずはメンバーでページを分割
②各自で読む、読む、読む
③ミーティングでディスカッション
①まずはメンバーでページを分割
書籍のページを人数で割って担当を決めます。物理的に本を分解する場合もあるようですが、本を痛めるのは心も痛みますし、読み終わった時にリユース出来ずにゴミになってしまうことを避けるために今回はamazonのマーケットプレイス(中古)を活用して各自本を購入しました。
全部で150ページ強(目次などを除く)ですが、5人で割れば約30ページずつ。本を読むハードルが高いメンバーも「この量なら!」と言っていたのが印象的でした。
②各自で読む、読む、読む
各自、隙間時間に読みます!
③ミーティングでディスカッション
各自読み進めてもらった内容をドキュメントにまとめて情報を共有。今回、課題図書とした本は序章~各目標の説明~まとめという構成だったので、17ある目標の中から各自が担当した目標に集中出来ました。ドキュメントは自分の担当ページの要約、本を読んで学んだこと、参考にしたい考え方、NICOで行動できそうなことの4つのテーマで記載しました。
本を要約して各目標の解像度を上げる!
まずは【A:自分の担当ページの要約】から。要約の文量に偏りがでないように140文字程度で文章でまとめてもらい、発表時にはJamボードを活用してさらに簡略化しました。(色は発表者で分類しています)
担当した人が各ページをそれぞれ簡単に説明することで、他のパートの方に「きちんと伝えなくては!」となるので真剣度が高まります(笑)
また、本全体を俯瞰して確認することができます。今回の課題図書はSDGsの基礎的な内容でしたが、改めて17の目標を具体的に知ることでそれぞれの目標の解像度が上がったといった意見が多く出たのが印象的でした。
各自の視点を入れて深い議論を!
【B:本を読んで学んだこと】では、単なる要約ではなく「読んだ人が何を感じたか」という各自の意見を交えてもらう非常に重要なパートです。様々な意見が出ましたが、このパートの議論でキーワードとして多く出てきたのが「自分事化」でした。
『17の目標の具体的な事例を見ることで、まずは身近な所から何か行動してみることが大切だと感じた』といった意見がある一方で、『自分事化の視点を強めすぎることで、目標が目指す理想の状態を見失ってしまうのでは?』という意見も出ました。
確かにSDGsの目標は理想とする範囲が広く、自分事化を意識しすぎるとどうしてもスケールが小さくなってしまうことは事実。自分たちでやっている小さなことが本当に世界を変えるということに繋がるのだろうか?という意見は最もだと思います。議論を重ねた結果、”つつつ”としてはこんな考え方でまとめました。
確かに個人の積み重ねの力だけでSDGsを完全に達成することは困難であり、政府や企業、市民社会など多くの人々の取り組みが必要。しかし、個人の選択や行動がSDGs達成に与える影響を無視することはできず、個人が自分自身のライフスタイルや価値観を見直すことで、より良い未来を共に実現するための助けとなることは確かなのでは。
こういった視点で今までSDGsについて議論することがあまりなかったので、輪読会を通して議論することが出来たのは財産だと感じました。
さらに【C:参考にしたい考え方】についてディスカッションを行い、こちらは【B:本を読んで学んだこと】のパートと同様、各々の視点を交えた意見が出ました。
例えば、デザイン業務に携わっているメンバーは「デザインで課題を解決」といった”デザイン”というキーワードに、企画に携わるメンバーは「既成概念にとらわれない」という”発想”に関するキーワードに注目して発表していたのが印象的でした。それぞれが持つ特性を活かしながら一冊の書籍の内容に注目し、発表できるというのは”輪読会”ならではですね。
NICOとして行動できそうな、新たなアイデアが?
最後に【D:NICOで行動できそうなこと】です。これは輪読会を通して何かアウトプットを残したいな、と思って考えました。”NICO(自社)の”という縛りを設けたので自社商品やSDGsの活動名を挙げながら「こんなこといいな」「できたらいいな」と一番盛り上がりました。この”輪読会”から出たアイデアが実現する時が来たら嬉しいです。
【まとめ】輪読会をやってみて
手探りで始めてみましたが、百聞は一見にしかず。やったことのないことにチャレンジをするのは頭のストレッチになります。本を読むという行為自体、学びに通じることですし、本を読むことで共通言語が出来ることは今後議論を深める際にも有意義なことだと感じました。何より、”つつつ”は一年以上同じメンバーで運営してきましたが、「この人はこんな視点をもっているんだ」というコミュニケーションの機会になったことがとても良かったと思います。一方、実施してみて「う~ん」という意見も出ましたので合わせてご紹介します。
いいと思ったこと…
・短時間で本を読むことが出来る
・自分のパートの範囲が限られるので短時間で集中して読める
・コミュニケーションの機会になる
・皆で読んでいるので共通言語が出来たり、連帯感が出た
う~んと思ったこと
・他の人にとっては大事だと思われる事を見落としていたらどうしよう?
自分の要約が間違っていたらどうしよう?と心配になった
・アウトプットの方法として文字ベースだとどうしても伝わりづらかった
また機会があれば第二回、やり方を模索しながら実施できるといいなと思いました(対象の図書選びも大事)。あとは”輪読会”のディスカッションから何か実際のSDGs活動が生まれたらうれしいなと願っています。