蠍座の言葉

負の体験をどれだけ取り込めるか

8番目のサイン蠍座は、不動サインで水エレメント。支配星は冥王星、副支配星は火星となっている。
水エレメント(蟹座、蠍座、魚座)は感情エネルギーを生きる力に変えるサインである。そして、その中でも蠍座は、火星的感情を担当している。

火星は、まだ見ぬ未知の世界を探求したいという欲求を持つ。既に手に入れたものではなく、いまだ私の知ることのない世界を見てみたい、それが火星的欲求だ。だから、蠍座はなかなか満足しない。怖いもの見たさで、わざわざ遠回りの、ややこしい物事に向かっていこうとする。

なぜなら、蠍座は感情に対する強い刺激がないと、自分が何者なのかを確かめられないサインだからだ。ASC=牡羊座から150度の関係性である蠍座は、自我意識が非常に弱いサインである。蠍座自身、つねに自己のつかみどろこのなさを感じていることだろう。ときには、

「幸福は幸福の中にあるのではなく、それを到達する過程の中だけにある。」

ロシアの文豪ドフトエフスキーのように、生の実感を得るため「到達する」という過程の中に住み続けるしかないのだ。賭博好きによる貧乏生活、借金返済のための無謀な契約と彼の生涯は波乱に満ちていた。彼には生を実感するために「どん底」が必要だったのだ。「どん底」があるからこそ、生きる力、幸福のための過程を体験し続けることができたのだ。

「何をしたらいいかわからない」という人が時々いる。そういう人は、まず人生を生きてみるしかないとしか言いようがない。何者かになりたいという欲求があるなら、一度、本気で苦しみを受け入れるしかない。その苦しみの中で、ようやく「私が本当に大切にしたいものとは一体何か」「私が見出すべき価値とは何か」が見えてくるのかもしれない。







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