蟹座の言葉
4番目のサイン蟹座で、牡羊座から続いた火・地・風・水の個人的体験はひとつの完成を迎える。
双子座までで広げた「私」の体験を、この蟹座で一度しっかり自分の中に閉じ込めることになる。双子座で得た体験とは能動的、積極的なものだ。外界に向けて好奇心を育て、人や知性と出会い、交流や学びといった活動に刺激を求めていく。そこで採集したものが、「私」の個性となり、アイデンティティの輪郭を作る。
その外向きの体験に対し、内的世界によって自己を完成させていく。その時とり行われるのが記憶のコラージュである。
蟹座の段階では、双子座が行った外向きの体験に対し、残しておきたい記憶をコラージュする。
あの時一緒に過ごした仲間、来ていた服、大笑いした出来事…
たとえ誰かとともに同じ体験をしていようが、記憶のコラージュだけは完全に「私的」なものなのだ。
つまり記憶とは、個人の私的創造物なのである。
記憶にこそ、個人の個性、世界観があふれているといえるだろう。
それらが血肉となるまで、何度も何度も繰り返し記憶の中の体験を反芻し、私的世界を純化させる。それが蟹座にとってのあらゆるものの受け皿となる。
その記憶と感情で作り上げられる「私」の世界とはどんなものだろう。
蟹座の人物の言葉から、どのような体験が人生のモチーフとなっていくのか。その人物が見て、育んだ心の世界とはどんなものなのか、垣間見てほしい。