勇人#3 「六本木のとある外国人ストリップクラブ」
ロサンゼルス在住勇人です!こんにちは!
さて、今回は学生時代にちょっと遡りたいと思います。(日米エンタメ挑戦記を書いていると色々思い出すのでいましばらくお付き合いくださいませ。。。)
東京に来て、私が最初に住んだところは慶応の日吉キャンパスのすぐ隣にあった「日吉台学生ハイツ」という寮で、今はもうないそうです。
各部屋が狭い平行四辺形の形になっていて、噂によるとこの学生ハイツは元々は病院で、それを学生寮に改装し、地下にある大浴槽も実は死体をホルマリン漬けにして保管する容器だったとか。どうりで浴槽にしてはちょっと深すぎるなと思ってました。2年目には出て行きましたが、なかなか思い出深い寮でした。
さて、住む場所が決まったら、次はアルバイト。王道である居酒屋やレストランでバイトするのが良いかなと思い、いろんなところの面接を受けたのですが、なぜかビビりである私は面接を受けたあと、メニュー覚えられるかな、あの店長怖そうだな、などなど急に不安になり、面接受けた直後にやっぱり働けませんと電話をかけることが日常に。普通に居酒屋で働いていればまた違った学生生活になってたのかなと思う、今日このごろ。
でもバイトは必要。せっかくなので英語が使えるバイトが良いなと思っていたら、Japan Timesの求人広告に「日英バイリンガルのウェーター募集」と書いてあり、時給も1500円と、かなり高いではないですか!これはパーフェクト!と思い、意気揚々と面接に向かう。
場所は六本木交差点からすぐのビル。バイト先がある階までエレベーターで向かい、店長と面接をする。すごくナイスな店長で面接もスムーズに。良い感じで終えようとしたその時、店長に一言
「ところで、ここ、どういう所か知ってる?」
と聞かれる。
「?」
の表情をするや否や
「ストリップクラブ」
と言われる。
「はへっ?」
内心かなり動揺するが、もちろん
「はい!」
と即答。
そんな事も知らないで面接に来たと思われたくなかったので、必死に「そんな事最初から分かってますよ」アピールをする、滑稽な私。
Japan Timesに「日英バイリンガルのウェイター募集」と書いてある求人広告が外国人ストリップクラブのボーイの仕事だなんて、誰が予想しますか!
どうりで面接に使ったテーブルのすぐ横にポールダンス用のステージが備え付けてあったわけだ。面接中もちょっと気にはなってたけど。
かくして居酒屋でバイトする事をビビっていた私は、六本木にある外国人ストリップクラブでのバイトを始めることに。
まぁ、すぐに辞めるだろうなと思っていたこのバイトですが、結果的に2年以上続けることに。
ストリップクラブバイト時代の私
六本木の外国人ストリップクラブは日本のストリップクラブと違い、システムもアメリカのシステムを採用してました。
ダンサー達はダンスをしてお店からお金をもらうのではなく、逆にストリップクラブにお金を払って営業する権利を買うのです。では、どうやってお金を得るのかというと、プライベートダンスで収入を得ます。ダンス中にもらえるチップは微々たるものなので、どちらかというとステージ上のダンスはプライベートダンスに誘うための営業ツール。
お店側はというと、お客さんの入場料とお酒で儲ける。あと、ダンサーのためにお客さんがドリンクを買った場合、そのうちの何割かはダンサーに入るので、そこでも両方稼げるしくみとなってます。
チップといえばアメリカでは一ドル札がありますが、日本では一番小さなお札が千円札なので、一ドル札のようにばらまくわけには行かない。なので、このストリップクラブはおもちゃの百円札を買うことができました。千円で10枚。このチップをダンサーに渡したら(Or 挟んだら)、ダンサーがあとでお店に換金してもらうしくみ。もちろんお店もその内の何割かは抜きます。
プライベートダンスのみ100%ダンサーに入るようです。
いきなりこの世界に入った私ですが、居酒屋よりかはなぜかしっくり来ました。
お店特有のルールもあり、ダンサーがダンスし終わった時にお客さんが一人もいない場合(お客さんがいなくてもダンスしないといけないしくみ)、ボーイである私が必ず拍手をしないといけないのです。ストリッパーの士気を下げないためだと思います。
あと、お客さんがタバコをくわえたら、片膝をつき、すっとライターを出して火をつけてあげるのもルールで、バイトやめたあとも数年間は、誰かがタバコをくわえたら反射的に火をつけようとする癖が抜けませんでした。
当時、銃型のライターをお店からもらって気に入ってたので、いつもそれを使っており、使用してない時はズボンの後ろに差していたので、本物の銃と間違えられることもしばしば。
ボーイなのに「一緒に座らない?」とお客さんに誘われることも。
職場恋愛は禁止されてたのに(確か)、やけに多かった気がする。一番可愛いと思っていたハワイ出身の娘がナイジェリア人バウンサーと付き合ってたり、店長までもがちゃっかりオーストラリア人ストリッパーと付き合ってたし。
ある日、別の人気オーストラリア人ストリッパーに
「ねぇ、私、二週間後にオーストラリアに帰るんだけど、二週間だけ彼氏にならない?毎日二週間、セックスだけしようよ」
と誘われた。とても名誉(?)な事だけど、めっちゃお子ちゃまな自分はびびってしまい「ノーサンキュー!!」と即、断る。
いやぁ、ちょっと失礼な事を言ってしまったかなと反省しつつ、ある超絶イケメンボーイが人気ダンサーと関係を持ち、そのあとそのダンサーにエッチについて暴露され、笑い者にされたのを目の当たりにしたので、正直怖かったです。ちなみにこのストリップクラブのボーイはイケメンが多かった。店長の好みだね。本人も顔で選んでると言ってたし。
それから数日後、シフト中にあるハーフのボーイが私の隣に来て、私を誘ったオーストラリア人ストリッパーを指差し
「いやぁ、彼女に良い思いをたくさんさせてもらったわ」
と言ってきた。
誰でも良かったのね。。。
そういえば常連さんに大学の教授がいて、ある日店長にストリップクラブの運営方法についてくどくど指導していて、最後には店長に
「なんであなたにそんな事言われないといけないんですか?」
と言われてたのを思い出しました。長く通っていたので自分の方がうまく経営できると勘違いし始めたんでしょうね。
お客と言えば、外国人野球選手が来て5000円のチップをくれたのを覚えてます。びっくりして、何か注文をしたいのかと思い、聞いたら、「No, It’s for you!(違うよ、君のためのチップだよ)」と。いやぁ、太っ腹でかっこよかったなぁ。。。
スタッフには他にも日本人とネーティブアメリカンのハーフの彫り師のDJがいたり、日本語ペラペラなフィリピン人マネージャーがいたりと、なかなかユニークなキャラばかりでした。
警察のガサ入れが入った時も、店長は私のことを「彼は関係ないです」と守ってくれたりと、仁義あるストリップクラブでした。
一度、私が日本人ウェイトレスのライターを失くしてしまったことがあり、申し訳ないと思い、新しいライターを買ってプレゼントしたのですが、なぜか私が彼女を好きなんだという噂がストリップクラブ内で広まり、恥ずかしい思いを。おもいっきり否定するのも申しわけないし。。。そのうちその娘は店内のバーテンと付き合うことになり(ほんと、職場恋愛多すぎ!)、二人は変に私を気遣うという気不味い雰囲気に。。。別に好きだからプレゼンとしたわけじゃないっつうの!
まぁそんなこんなで多感な学生時代を六本木の外国人ストリップクラブで過ごした話でした。
今回はストリップクラブの収益体制の説明になってしまいましたが、次回こそは、もうちょっとまともな内容の投稿をしようと思います。。。多分。
ではまた、Vol 4で会いましょう!
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