水の溢れたコップ
この間、夜中眠っていると
ドクドクドクドク……
自分の心音で目が覚めた。
少しすると落ち着いてまた眠る。
再びまた
ドクドクドクドク…
目が覚める。
これは動悸ってやつ?
なんだか寝不足のまま朝を迎えた。
職場仲間で
以前、鬱から復職した仲間に
こっそり連絡して聞いてみた。
【あの時、どこのメンタルクリニックへ行ったの?】と…。
自分で調べても色々あって分からない。
夫も精神疾患持ちだけど、
同じところなんて行きたくないし
言いたくもない。
そして、
そこから彼女に『体調悪いの?』と聞かれて
昨晩の動悸の話と、
以前、身体が動かなくて視点定まらず
何だかおかしかった話しを打ち明けた。
一応、病院も教えてもらって
その日は仕事に出勤した。
仕事場の駐車場に着いたら、
休みのはずの彼女がいる。
開口一番彼女は私に
「ちょっとぉ…、大丈夫なの??」
「よく今日来れたね」
彼女が私を心配して
顔を見に来てくれた。
大丈夫?の言葉に
私は、ドバっと大粒の涙が溢れた。
私「大丈夫なのかな?よく分からないんだ」
そして、職場まで約5分二人で歩きながら話す。
彼女は、とにかく上司に話すことを勧める。
私は、何から話せばいいか分からない。
だって、大きな決定打があった訳ではなくて。
ちょこちょこ。じわじわ。モヤモヤ。
少しずつ色々が重なって今に至るのだから…。
私は、基本的に自分の意見を人に伝えるのが苦手。
もちろん、内容によりけりだけど。
とりあえず、ポロポロ涙が止まらないまま
職場に到着ーー。
すぐに、上司の部屋に案内され
話すことになった。
でも…やっぱり何から話したら良いのか…。
とりあえず昨晩の動悸の話なんかをして、
パートだけど、色々とやることが多くて
きっと私が要領悪いから時間が足りなくて
家に仕事持ち込みたくないけど、時々持ち込んでいるのが現状でーー。
…などと、
とりあえず、思いつく事を話した。
それでも多分、胸の内の半分も出せてないだろう。
上司は、うんうんとメモを取りながら聞いてくれるのだけど、
なんか、事情聴取されてるみたいで機械的で
私はこれが、とっても不快に感じてしまう。
尚更、話すことを躊躇ってしまう。
思いやりって何だろうって改めて思う。
もちろん、私が弱々しい人間だし、
きっと面倒くさい性格だし、
泣き虫だし、複雑な訳分からない人なのかもしれないけれど、
一人の職員が、ここまで涙を流している現状。
会社としての申し訳無さとか、
気遣いとか寄り添いとか、
そういうのは、悲しいけれど………無かった。
社会なんて、そんなもん??
私が甘ったるい考えなだけ??
ほら、子どもや保護者には寄り添う姿勢をしているのに、
どうして、職員にはそれが無いのだろう。
職員に?なのか、私にだけなのかは分からないけれど…。
でもきっと仮に、
この大泣きした人が、私じゃなくあの人だったら
もっと違う対応だったろうなっていうのが
悲しいけれど、目に見えてしまうんだ。
生きづらいなぁ…自分。
水の溢れたコップは、
誰かが飲まない限りは
ずーっと、満杯のまま。
話してスッキリしたのなら、
水の嵩も減るかもしれないけれど…、
今回は
そこまでスッキリ出来なかったのが現状。
私が身体壊して出勤出来なくなったら、
ようやく焦るんだろうか…?なんて余計なことを考えちゃったりしてーー。
はたまた、私が辞めますとでも言えば
焦るんだろうか?ーーなんて。
まだ私は、
並々のお水が入ったコップを抱えている。
ちょっと突けば
すぐ溢れるコップ。