#31 石和温泉
GW。久しぶりに温泉旅行がしたいと思い立った。東京近郊の温泉といって思い浮かぶのは横綱クラスの草津温泉。次に箱根、伊香保、熱海といった大関クラスの温泉街を考える。しかし、GW開始直前に思い立ったがためにどこも良い宿は予約がすでにいっぱいであるか、またはGW料金で割高になっている。どうしようか。地図帳を広げ悩んでいるとふと「石和温泉(いさわ)」の文字が目に飛び込んだ。恥ずかしながら、石和温泉は名前を聞いたことがあるばかりで、どういった特徴や歴史を持つのかがわからなかった。地図帳を本棚に戻し、パソコンを立ち上げる。すると、高度経済成長期に発掘された温泉であることがわかった。「これは実際に行くしかない」と好奇心に駆り立てられ、比較サイトで宿を検索する。ありがたいことにこの街の温泉は広域に分布しているようで、宿が多数ヒットした。
よし。今年のGWは石和温泉に行こう。
東京から特急かいじにのりこんだ。移動時間は1時間と数十分ほどで快適な移動時間であった。石和温泉駅に降り立つとすぐ側の観光案内センターではワインの試飲が行われていた。
一口だけ飲んでみたいというその需要に応えてくれるように、グラスワインを100〜300円ほどで購入できる。いくつか試し、さすがワイン王国と舌鼓を打ち、昼間からほろ酔い気分に浸った。そして、宿に向かう。
町自体は草津や伊香保のような「The 温泉街」という雰囲気ではなく住宅街が広がる。しかし、かといって温泉旅行という雰囲気が壊れることはない。高級旅館とスナックが立ち並ぶ景色はしっかりと私の心を捉えて離さなかった。
今回宿泊したのはこちら。館内の雰囲気、接客、食事、そして温泉。すべての面で素晴らしい高級な旅館だった。
新年度は4/1から慌ただしかった。というのも新しい仕事内容にチャレンジし続けていて、少し息が切れていた。山に囲まれた山梨県の新しい空気を肺いっぱいに吸い込み、石和温泉で温かいお湯に時間を忘れて浸り続けた。
明日はどこを回ろうか、全くの計画を持たず宿だけとった。
そうだ。山梨県の食べ物はどれも美味しい。朝からワインをいただきながら、食事を楽しもう。
そのように畳の上で天井を見ながら考え、いつの間にか眠りについた。