#32 山梨へ旅行
GWを石和温泉で満喫した。温泉旅行は温泉街を歩き回ることが醍醐味であるが、石和温泉は他とは一味違う。ここには、高級旅館やスナックが立ち並ぶ。この町の雰囲気を感じた後は山梨の各地を巡った。
最初に向かったのは桔梗屋信玄餅工場。ここには無料で入ることができる。実をいうとここに来た理由は信玄餅の詰め放題がたった200円でできると小耳に挟んだからだった。私の仕事仲間に山梨へ行く旨を伝えた際に教えてくれたのだ。工場への道中、信玄餅を想像したため生唾を飲んだ。詰め放題整理券をもらうため、ひたすら会場に向かって歩いた。しかし、見えたのはこの看板だった。
朝もやが晴れた頃には到着したはずだが、とうの昔に配布は終わってしまっていた。少し経ち中をのぞいてみるとファミリーが多くいた。おそらく、観光に来たお父さんたちが宿を朝早く出発し、整理券を受けとりに行ったのだろう。
口惜しいがここには見どころがたくさんあったから切り替えてライン工を見学することにした。見学後はお土産選びに勤しむ。言ってしまえば、工場直営のお菓子陳列棚を見てカゴに入れてまわることが一番楽しかった。ここでは信玄餅プリンなるものを購入した。あの信玄餅に付属する黒蜜をプリンにかけて味わう。甘さが脳に染み込むような感覚がした。
頭も冴えてきたところで甲府に向かうためバス停を探した。しかし、最寄りのバス停までは30分歩く上、1時間と30分ほど待たないと移動できないことがわかった。だが、これがむしろ幸運した。というのも、付近に山梨県立博物館があったのだ。
博物館の内と外のデザインは見事だった。そこには惚れ惚れするものがあった。また展示も充実していて、甲斐源氏のルーツも知ることができ満足のいく内容だった。
正直に言うと実はここに立ち寄るかかなり迷っていた。1泊2日の行程で信玄餅の工場の後はすぐさま甲府に行かなければ、といううまく説明できない焦り。さらにそれを後押しするようにGoogleマップのレビュー欄には「残念だった」という意見が2件。このたった2つの感想に目を奪われて、これを行かない理由にしようとしていた。しかし先述の通り、バスの本数が少なかったことが功を奏した。やはり、人の感じ方など人それぞれだ。今は行って良かったと心の底から感じている。博物館を後にしてバスに乗り込んだ。
甲府に到着するとその賑わいが感じられた。人に山梨旅行の魅力は何かと聞かれたら私はこう言うことにした。「とにかく飯がうまい」と。
甲州夢小路を通り、向かった先はワイン工房。
ここではワインの試飲ができる。それもものすごく高いワインをだ。ものによるがグラス1杯で400〜1000円ほど。今回はワイナリーおすすめの1杯を注文してグラスに注いでもらった。800円もしたのでチビチビ飲んだ。普段から味の違いがわかる方ではないのだが、美味しいと感じた。その後、名所を一通りまわり、甲府駅に戻る。
後ろ髪を引かれる。なぜかというと一箇所だけまわっていないお寺があったから。この未練はもう一度山梨に来るためにあえて作った。