年末の診察室
『病院』とか『診察室』って、少し緊張する感じがしますよね。
私が書く診察室での出来事も少し緊迫したものが多いですもんね。
診察室では、病気、生や死の話が中心の特殊な場所なのでそうなってしまうのですが。
いつもいつも緊張感が漂っているわけではなくてですね。
たまに、マスクの下で笑いをこらえている時もあります。
診察中の医師と患者さんのひとコマ。
医師「病院までどうやって来てるの。遠いから病院に来るのも大変でしょう」
患者「大丈夫。しゃきょうの車で来てるから。」
医師「さいきょうの車ですかあ。それはすごいですね」
「この雪だし、最強の車でも大変でしょ。」
患者「私は座ってるだけだから、楽なもんだ」
医師「それは最強だね」
患者「…」
最強の車?
どんな車だ。氷の上でも滑らない車とか吹雪いても道が良く見える車とか。(だったら私も欲しい)
患者さんの言う「しゃきょう」は、社会福祉協議会を略して社協と言ってるんですけどね。
医師は聞き間違いで、「しゃきょう」を最強に変換しているんですが。
こんな風に噛み合っていない会話を聞きながら、笑いをこらえて
「最強の車じゃなくて、社協の車ですよね。送迎してくれるので通院の心配はないそうですよ」って、お伝えしてみました。
医師は「そうでしょう、最強の車ってなんだろうと思ってさ。雪に強いとか、とても速い車なのかなって思ったよ」って、笑ってました。
年末の病院には、患者さんに正月休みで帰省した子供さんが付き添って受診される姿が見られます。
通院の様子や病気のことが心配で付き添っていらっしゃるので、お話を伺ったり、普段の様子をお話したりします。
お孫さんを連れてくる方もいて、診察室は可愛い声が聞こえたり、少しにぎやかになったり、患者さんの普段とは違う顔が見れる機会でもあります。
こんな診察室の風景も好きです。