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なぜ兄は、今日、人生を終わらせたかったのだろう

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兄が自殺した後の、私の心境記事たちです。 記事の一つを、実話ナックルズnoteに掲載して頂けました。感謝です。
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2024年3月の記事一覧

[兄が死んだ②]  「兄の最期の晩餐は三千円だった」親の愛情が計量計のように見えたら、皆苦しまないで済むのに

[兄が死んだ②] 「兄の最期の晩餐は三千円だった」親の愛情が計量計のように見えたら、皆苦しまないで済むのに

兄が自殺した当日
兄が死んだ①
「なぜ兄は、今日、人生を終わらせたかったのだろう」

兄が死んだ②
「親の愛情が計量計のように見えたら、みんな苦しまないで済むのに」

 今日は、死んだ兄との初対面の日。

 寝ている娘を見て、夫とクスッと笑ったあと、また少しだけ寝ていた。
 目を開けてしまったら、今日が始まってしまう。
仕事日の朝とは比べられないぐらいの憂鬱感だった。

 だが娘の寝顔が、死ぬほど

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[兄が死んだ③] 葬式。もう通常運転な私だった。

[兄が死んだ③] 葬式。もう通常運転な私だった。

兄が死んだ①
「なぜ兄は、今日、人生を終わらせたかったのだろう」

兄が死んだ②
「親の愛情が計量計のように見えたら、皆苦しまないで済むのに」

 葬式の日。
新品の喪服に袖を通す。
袖を通すと実感がわくのか、とても憂鬱な気分になった。

 着替え終え、リビングへ行く。
娘が「かっこいいね〜」と言ってきた。
笑った。

 父からチョコをもらった。
渡すことができなかった、父から職場の女子へのお返し

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[兄が死んだ④] 老害を恐れろ!①/結婚式より葬式を張り切る祖母

[兄が死んだ④] 老害を恐れろ!①/結婚式より葬式を張り切る祖母

 兄が自殺し、葬式・火葬が終わった。

 来月には子どもが生まれる。
家族葬とはいえ、妊婦に加え2歳の娘を連れての1日。
帰路につく車の運転は集中できず、心身ともに疲れ切っていた。
娘より先に大人達が寝落ちしていた。

 夜中の23時
夫のスマホに電話が入り目が覚める。
深い睡眠の邪魔をされ苛立つ。
 知らない番号からの電話。
スマホには、“九州”と表示されている。

 祖母だ。多分。
「でなくて

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[兄が死んだ④] 老害を恐れろ!②/金の切れ目は縁の切れ目

[兄が死んだ④] 老害を恐れろ!②/金の切れ目は縁の切れ目

老害を恐れろ!①の続きです。

 私は電話で、祖母に声を荒げてしまった。
なんともみっともない光景だっただろうか…。
今、一人で本当に良かった。

 夫は娘を保育園に送りに行ってくれている。
夫に見られなくて良かった…
いや、逆に夫がいたのなら、こんなに取り乱さずにいられたかな…
少し冷静になる。

 ああ…キレた時点で私は負けだ…
同じ土俵に立ったのだ…
あんな婆さんと同じ土俵に…
 普段から祖

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