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保育園看護師が新卒保育士さんに伝えたいこと
こんにちは!現役保育園看護師のチロです。
改めまして、新入職員の皆さん、ご就職おめでとうございます!今回は特に新卒保育士の方に向けて、保育園看護師として伝えたいことがあります。
一言でいうと「無理せず休んでね。」ということです。
どうして無理せず休んでほしいのか、こんなことを意識してくれたら看護師としては嬉しいな、ということをまとめてみました。
そしてもちろん、新卒保育士の方だけでなく、ずっと現場で働かれてる保育士さん、保育者の皆さんにも実践していただきたいことでもあります。ぜひ最後まで読んでいただき、現場で活かしてもらえたら嬉しいです。
新入園児と同じく新卒保育士も風邪をひく
色々な期待と不安が入り混じる中、新入園児と一緒に新入職員の皆さんも保育園での生活がスタートします。
園児と同じく、少しずつ保育園での生活(業務)に慣れていくことと思いますが、なぜか慣れてきた頃に風邪をひくというのが保育園あるあるです。
これは、新入園児同様、新卒保育士さんにとっても保育園生活における通過儀礼と言っても過言では無いと思っています。
なぜ風邪をひくのでしょうか。要因は様々あると思いますが、大きく分けると2つです。
子どもたちの鼻水、咳、くしゃみ、よだれ、便、嘔吐物…など様々な感染性物質にさらされるから
新しい環境での生活と保育で心身ともに疲れるから
この2つについて、もう少し詳しく解説します。
保育園は3密不可避で感染リスクが高い
子どもたちは、鼻水が出ていようが咳をしていようが、基本的には元気です。お子さんによっては熱が出ていても元気なほどパワフルです。
コロナ渦で「呼吸器症状(咳・鼻水等々)がある場合は登園を控えるよう」にと、一時は厳しい登園基準を強いられました。しかし、アフターコロナである現在(2024年4月現在)は、コロナ以前の登園基準に戻っている園がほとんどだと思います。
ですので、少し鼻水が出ていたり咳が出たりしていても、全身状態が良好であればお子さんは登園してくると思います。
そんな中、初めて保育園で働き始めた保育士さんは、右も左もわからぬまま子どもたちと3密生活がスタートするのです。
コロナ渦で散々言われてきた「3密(密閉・密集・密接)」。感染症予防のために、社会的に回避しましょうと口酸っぱく言われてきました。
当時から保育業界では懸念されていたことですが、どう頑張っても保育園では密集と密接は避けられません。
新しい先生が来たら、間違いなく子どもたちは寄っていきます。そうでなくても子どもたちと保育士さんの距離は近いですよね。つまり、日常的に密集状態なのです。そして、身体のふれあいは保育にとって必要不可欠です。密接ですね。
さらに、子どもたちはまだまだ感染症対策を十分にできる発達段階ではありません。低年齢児であればなおのこと、鼻水を保育士さんがぬぐい取ってあげる場面も日常茶飯事です。
つまり、園児にとっても保育士さんにとっても保育園生活は感染リスクが高いということです。
特に新卒保育士さんは、これまでの生活とは異なり圧倒的に鼻水等の感染性物質に触れる機会が多くなります。今まで以上に感染リスクが高くなるということが、新卒保育士さんが風邪をひく要因の1つです。
保育の仕事は心身ともに疲労が大きい
保育の仕事は、想像以上に肉体労働です。
乳児担当であれば、抱っこやおんぶの繰り返しで腰痛や腱鞘炎になる職員も多いです。幼児担当であれば、無限に続く鬼ごっこや氷鬼等、子どもたちとのパワフルな遊びを一緒にすることも多いでしょう。
どちらも慣れるまで(もちろん慣れても)キツイですし、適宜身体をケアしてあげないと、長く続けられない職業です。
さらに、全力で泣いたり怒ったりする子どもたちとのかかわりの中で、自分自身の感情が揺さぶられる場面も多々あります。対人援護職だからこその「感情労働」は、いわば「心の肉体労働」とも言えます。
身体の疲れと異なり、心の疲れは目に見えません。人によっては、心の疲れを自覚するまでに時間がかかるケースもあります。自分自身をストレスマネジメントしていくことも、保育者に求められる技術なのだと思います。
つまり、他業種の仕事と比較すると保育の仕事は心身ともに疲労がたまりやすい仕事と言えます。
そして、心身ともに疲労がたまると、人間は免疫力が低下します。免疫力が低下するということは、それだけ感染リスクが高くなるのです。
まだまだ仕事のペースがつかめないし、経験も浅い新卒保育士さんは、心身ともに疲れやすい状態が続くと思います。これが2つ目の要因となり、結果として風邪をひきやすい状態になりやすいのだと思います。
保育園看護師として大切にしたいこと
まずは、上記2つのリスクを、新卒保育士さんにも正しく理解してもらうことがファーストステップだと思っています。
僕は看護師として、4月には「新入職員オリエンテーション」をさせていただいています。その中で、「最初の1年は、どこかで必ず風邪をひくからその時は無理せず休もうね。普段から、無理はしちゃだめだよ!」と伝えています。
しかし、保育士さんは忙しいので、なかなか講習の時間を確保するのも大変です。そして、一度聞いただけでは忘れてしまうというのも、人間としては自然なことでもあると思います。
なので、日常的に意識してもらうためにも、僕は普段から職員の皆さんとのコミュニケーションを大切にしています。「昨日より疲れてる?」とか、「身体の不調はないか?」など、日々の健康チェックという形で話を聞きにまわっています。
各園で健康チェックのやり方は様々かと思いますが、看護師さんが担当している園であれば、ぜひ意識的に話を聞くということをしてもらえたら嬉しいなと思っています。日々コミュニケーションをとることで、微細な心身の状態の変化に気づく瞬間があります。特に、自分で不調に気づいていない場合、看護師から丁寧に伝えてあげることで不調になる前にケアができるというケースもあります。
「無理しない」ということは、できる人には当たり前なことだけど、できない人には想像以上に難しいことでもあると理解しています。
なので、その都度無理してないか、心身は健康かを、丁寧に見てあげる職員が一人くらいいてもいいかなと、思っています。そうすることが、よい保育にもつながっていくと確信しています。
まとめ
というわけで、一言でいうと「新人は無理しないでね!休もうね!」という話でした。
もちろん、後半部分は全職員に当てはまる内容でもあります。保育園看護師として、よりよい保育を提供するために看護師ができることと、新卒保育士さんに伝えたいことは、意外とリンクしているなと書いていて思い至りました。
保育士の皆さん。無理せず、自分を大切にして下さいね!新卒さんも、一緒に頑張ろうね!!