制限時間で人の本性が表れる

制限時間で人の本性が表れる
オハイオ州立大学の研究
対象者：102人

・研究の意図
意思決定をする際に人は公平性を重んじる傾向があります
ですが、その認知プロセスについては明確にされていません
独裁者ゲームを通じて、意思決定プロセスを明らかにしたいと思います

・研究の内容
102人の被験者を集めて、見知らぬ人とペアを組んでもらい簡易的な独裁者ゲームをしてもらった

独裁者ゲームは、ペアの片方にお金を渡して、その人にお金を自由に分配してもらった
自分が全部もらうのも、相手に全額あげるのも、半々にわけるのも可能である
(大抵の人は公平性を重んじるので、条件を設けなければ半々に分けるケースが多くなる)

分配の際の条件が決まっていて、
・自分の分配を減らすと、減らした分だけ相手のもらえる金額が増える
・自分の分配を減らすと、減らした以上の金額が相手に入る
・自分の分配を減らすと、減らした金額より少ない金額が相手に入る
このような条件を設けて、利己的な性格か利他的な性格かの判断材料にした

時間の条件も設けられていて、
・2秒以内に決める
・10秒以内に決める
・制限時間がなく、納得するまで自由に考えられる
時間に対してプレッシャーを与えて、行動が変化するか調べた

・結論
時間をかけた場合は、与える金額やもらう金額に大きな差はなかった
しかし、制限時間がある場合は、元々の性格が大きく反映された
利己的な人は、自分の金額を増やして、相手の金額を減らしていた
利他的な人は、自分の金額を減らして、相手の金額を増やしていた
10秒以内に判断した場合は本性が表れやすい

時間制限を設けることで、少なくとも相手のが利己的か利他的な人を判断することができる

人には利他的に動くか、利他的に動くか、の二者択一のバイアスが備わっている
状況が逼迫すると、理屈よりもバイアスに従って行動するので、より本性が表れる

相手の本性が知りたければ、
『一万円を拾ったら、どうやって分ける』みたいな質問をしてもいいかもしれません
その際は時間制限を忘れずにしましょう
相手の答えによって、利己的か利他的か判断できるでしょう
※お金を拾ったら警察に届けましょう

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参考文献
Biased sequential sampling underlies the effects of time pressure and delay in social decision making
https://www.nature.com/articles/s41467-018-05994-9