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記憶力がよすぎて、困っているんですけど

人間の記憶って、「自分で好きに閲覧すること」もできないですし、記憶している映像を、「ほら、これだよ」と他者に見せることもできないですよね。

人それぞれ、一体どんな「記憶の量」や「記憶の鮮明さ」の中で生きているんでしょう?

見せ合いっこできないだけに、純粋な興味があります。


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どうも私は、余計なことまで記憶しがちです。


どうでもいいことまで覚えているし、人と過去の話をするとき、「なぜ、こっちは完全に覚えているのに、相手はすっかり忘れているの?」ということが起きがちです。


たとえば私は、小学生の同級生の名前を、結構な人数フルネームで覚えていて、下手したら誕生日とか血液型まで覚えちゃってて、その子たちが、1年の時に何組で、3年の時に何組で……ということまで覚えています。

そして中学校の頃の、学年の教師10人くらいの、当時の年齢なんかも、いちいち覚えていて、「この男性教諭は29歳。奥さんも同い年らしい」なんて、もはやどうでもいいことを、未だに忘れないのです。

それに対し、夫は、もちろん多少は記憶していますが、小学校の同級生の名前など、ほぼ覚えていないとのこと。

激烈な記憶だけはあるようだが(笑)⤵


それにしても、同じ機能の脳みそを持っていながら、「覚えている」「忘れている」の中身や種類が、どうしてこうも違うんでしょうか。


潜在意識的には、人の脳やカラダは、体験したすべてのことを覚えているらしいですね。
顕在意識では忘れてしまっていることも、脳やカラダは知っているよと。

私は、50年近く生きていますから、様々なことを経験しているわけですが、「もう、今の私には、関係ないよね」と思う記憶も、不意をついて

ふわわ~~~


と脳内に、立ち現れる。


なんでもないことを思い出すばかりではなく、傷ついたり、恥をかいたり、嫌いだった人のことが、ふわわ~~。

あの、ふわわ~~、いやですね(笑)

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そんな私が、例えば歴史の年号を覚えるのが得意だったかと言われたら、からっきしダメでしたね。
英単語も、四字熟語も、仕方ないからせっせと暗記しましたが、がんばって覚えても、すぐに忘却のかなた。

記憶には、「短気記憶」と「長期記憶」の2種類があるんですってね。

短気記憶は、それこそ英単語や熟語の丸暗記など。
ひと時、無理やり詰め込んで、テストや受験が終われば「はい、さようなら」

その短期記憶を、記憶の門番である「海馬」に移行させると、「長期記憶」になるそうですね。

長期記憶は、「使用頻度が高いと、脳が必要なこととして認識し、保管する」んだそう。

英単語のほとんどをすぐに忘れるのに、思い出したくもない「エピソード記憶」は、何度も思い出すうちに、記憶の回路が強化されてしまったのでしょうな。

ああ、忘れたい……そう思えば思うほど、思い出す因果なシステム。
シロクマ理論ですっけ。

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そして、こうして書いていると、やっぱり思い出してきましたよ。
夫へのイラつきエピソードを(笑)

ふわわ~~。



今から20年以上前のこと……。
20代後半で、同じ職場の、現在の夫と付き合ってまだ1~2年のころ。

そのころに「夫のことを狙っていた女性が3人もいたこと」を、随分後になってから知ったんですよ。

当時は知らなかった。
今から数年前に知って、驚いたのです。


数年前、夫とふたりで話しているとき、わたしが「女性でも、男性に対して、積極的な人もいるよね」などと話していたら、夫が過去を思い出したように、その女性たちの名前を挙げて、ものすごく積極的にアプローチされて困惑したことを、話の流れでしゃべったのですよ(笑)

皆、一緒に仕事をしていた同世代の女性たち。
職場では、当然、わたしたちの関係は内緒にしておりましたが、
知らなかった、猛アタックしてたなんて!

夫は、昔話のつもりで、軽口でしたんでしょーーねぇ。
「何も後ろめたいことはないので、弁明する必要もない」
と夫は言いましたが、

「なんもなきゃいい」ってことじゃねーんだよ!
余計な記憶を、私に埋め込むな!(笑)


私は「夫がこれまでに、その人の名前を挙げていたことがあったなあ……」なんて思い出して、いろいろつなげて、いろいろ想像してしまいました。

なにせ、記憶力がいいもので(涙)


そして、その嫉妬心に、50近くなっても、自分が「まったき女」であることを再認識させられ、夫からはもう私は「女あつかい」されてないからこそ、そんな昔話をさらっと打ち明けるのだろうと、とても落ち込んだのでした(笑)

***

こういうことを、今現在こうして思い出し、密かにムカつく私の脳みそは、ちょっと頭が悪いのかもしれませんね……。
「浮気されたわけじゃないし、わたしだったら、そんなこと全然平気だけど」と、女友達は笑っていました(笑)

私の脳は、「平気」ではなく、「忘れちゃいけない重要事項」と認識してしまった……ビビりだから(笑)

実際、英単語や四字熟語を覚えるより、「大事な人をとられる可能性」に危機を覚えたことは、脳みそに対し「あんた、それで正しいよ」と言ってやりたい。

しかし、わが脳みそながら、まったく因果なヤツだよ……勉強より、恋愛至上ですか。


(……だから勉強できなかったのか)

***


その手の「長期記憶」を女性に蒸し返されて、手を焼いているのが男性陣だと思うんですよね。

以前にも何かの記事で書きましたが、女性は「昔のことを覚えている」んですよ……男性に比べ、脳梁が太いため、何かの話題の、類似のことも、芋づる式に、引っ張り出てきちゃうんですよね(涙)

「女は蒸し返しの天才」という揶揄を耳にすることもありますね。

すみませんねぇ(笑)


だから、夫と口論するときにも、「そう言えば、あの時もさあ!」
………とは言わずに、今話している話題だけに集中しようとは気を付けていますけどね。
同じことを、自分もされたらイヤだから。


私の脳みそめ。
もうちょっと小器用に、適当になってくれないかな。

こっちも信頼するからさぁ、そっちもうまいことやってくれよ。


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