「プレゼン・人前で話す緊張」その意外な原因と対処法
「人前に立つとどうもうまく話せない」
「プレゼンが苦手」
「人前で話そうとしても、緊張で頭が真っ白になる」
こういった悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
学校の授業での発表、会社でのクライアントへのプレゼン、その他プライベートでも初対面の方々への自己紹介など、大勢の人の前で話すということは普段の日常生活の中でよくありますよね。
本記事では、そういった状況下での「人前で話す際に生じる緊張」の原因と対処法について、私の体験をもとに考察していきたいと思います。
「人が見ている」から緊張するのか
人前で話す時に緊張するのは、大勢の人が見ているからだと考える人が多いと思います。
実際、私も大学生の時までずっとそう思っていました。
そのため、「周りの人の目を気にするな」「観客はみんなカボチャだと思え」と、人に見られることに慣れることばかり考えていました。
確かにそれも緊張を起こす理由の1つかもしれません。
でも、それだけではない、もう1つの大きな理由があると考えます。
それは、「沈黙空間の居心地の悪さ」です。
沈黙空間が引き起こす緊張
沈黙空間と緊張の関係性について、私の実体験をもとに説明していきたいと思います。
私は大学時代、外国語学部に所属しており、基本の授業は主に英語での進行でした。別記事でまた紹介したいのですが、当時の私は、自分の英語力と周りの学生の英語力の差を見せ付けられ、挫折しかけていました。
中でも私を最も悩ませていたのが、プレゼンの授業です。
元々人前で話すのが苦手な上に、自分の下手な英語でプレゼンするのは恥ずかしい以外の何者でもありませんでした。
でも、このままではいけないと自らを奮い立たし、プレゼンに慣れる練習、プレゼン力を向上させる練習を始めました。
その時におこなった実際の練習法が、「ぬいぐるみ法」です。(私が命名)
ぬいぐるみ法とは、静かな部屋の中で集中できる環境を作り、ぬいぐるみを自分の目の前に置き、観客と見立てて、本番のようにプレゼンの練習をする、という単純なものです。
このぬいぐるみ法による練習が、大きな学びを与えてくれました。
上記でも述べたように、
それまで私は、プレゼン時に緊張する理由は、「人が見ているから」だと思っていました。また、今回の場合だと自分の英語力への自信のなさ(観客に心の中で笑われていないかなどの心配)も緊張する理由の一つと考えていました。
だからこそ、ぬいぐるみ法は、
・周りに誰もいない
・観客は人間ではなくぬいぐるみ
こういった状況だからこそ、緊張も、英語力の心配もせずに、プレゼン内容を記憶することに集中できる練習法だと思っていました。
でも実際にやってみると、全く違いました。
本番と同じように心拍数が上がり、頭は真っ白になり、うまく言葉が出てこない、そんな状況に陥りました。
その時に初めて気づいたのは、自分がプレゼンの時に緊張する最も大きな理由は、「人が見ているから」ではなく、「静かな空間の中、自分一人が話しているという状況に耐えられないから」だと気づいたのです。
人がいてもいなくても、観客がぬいぐるみだとしても、そこが静かな沈黙空間であり、自分一人が話しているという状況は、多くの人間にとって、居心地が悪いのです。
つまり、「居心地の悪い沈黙空間」と、「自分一人が何か発さなければいけない状況」。
この二つが合わさることで生じるのが、人前で話すときに生じる緊張なのです。
「あー」「えー」を使ってしまう真因
プレゼンのときにうまく言葉が出てこず、無意識のうちに「あー」「えー」といった言葉を多発してしまう人は、非常にたくさんいます。
これらは無意識によるものも少なくないので、一度自分のプレゼンを録音し、聞いてみてください。
自分が思っている以上にスムーズに言葉を繋げられておらず、「あー」「えー」という意味のない言葉を多発しているかと思います。
これらの言葉は、繋ぎ言葉(フィラー)と呼ばれる言葉で、その名の通り、文を繋ぎとめるためについ使ってしまう言葉です。
このフィラーという言葉は、建築用語としても存在し、「隙間を埋める部材」の事を指します。
このフィラーこそまさに、「沈黙空間を破るために使っているもの」です。
プレゼン時、言葉に詰まったり、一瞬でも考えたりして発言が止まった時、そこには沈黙空間が生じます。
でもプレゼンテーターにとって、沈黙空間は、緊張を生じさせる居心地が悪いもの。しかもプレゼンテーターである自分が何か発言しなければならない(観客は当然何も話さず聴いている)。
その沈黙空間をなくすために無意識のうちに使ってしまうのが、このフィラーということです。
緊張しない対処法
つまり人前で話す際に緊張しないようになるためには、沈黙空間の中、自分一人が発言する状況に慣れる必要があります。
静かな空間を作り、そこでプレゼンやスピーチのように一人で話してみてください。ここで気をつけたいのは、独り言のように好きなことを好きなように呟く、というよりかは、プレゼンのように畏まった内容、話し方で練習する方が、いい意味でリラックスせず、より効果的だと考えます。また、寝転がったり座ったりするより、立って、しっかり前を向いて練習することが重要です。
その上で、フィラーを使わないようなるべく意識すること、言葉に詰まっても慌てず、いっそゆっくり考えることで沈黙空間をあえて作ること、そうすることで、沈黙空間に慣れることが重要です。その上で、ゆっくりでもいいからプレゼンを進めていく、ということが効果的な練習法です。
私もまだまだプレゼンや人前で話すことは苦手ですが、この私の経験と考え方が、少しでも多くの方の役に立てることを願います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。