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インド旅行はやめたほうがいい?その注意点と対処法を知れば万全です!

「インドに行ってみたい。でも、本当に行っても大丈夫なのか。無事に帰って来れるのか、体調を崩しはしないだろうか、治安は大丈夫なのか。」

インドに興味を持つ人はきっと誰しもがこのような自問自答を戦わすのではないでしょうか。

かく言う私もその一人でした。

私は僧侶という職業柄、インドとは特に関係の深い環境に生きてきました。ですがその私が初めてインドに行ったのは33歳の年でした。

私はそれまで2019年に13か国を巡る世界一周の旅や、2022年には「親鸞とドストエフスキー」をテーマにヨーロッパ各国を巡りましたが、インドには行ったことがなかったのです。

その大きな理由のひとつがやはり上の葛藤だったのです。

そして何と言ってもインドに行くというのは妙なハードルの高さがあります。これは理屈ではありません。きっとこの記事を読んでいる皆さんも感じているのではないのでしょうか。やはりインドというのは何か興味を引く存在でありながらもよほど強いきっかけがないと行けない国というのが正直なところなのではないでしょうか。

そしてそのようなハードルの高いインドについて悩んでいるうちにいつしか時は流れ、「やはりインド旅行はやめたほうがいい」という気持ちに傾いていく。これはもう仕方のない流れなのではないかと思います。正直、私も僧侶でなかったらインドには行かなかったでしょう。

ただ、そんなインドではありますがはたして本当にインド旅行はやめたほうがいいのでしょうか。

私は諸々のご縁からインドを3度訪れることになりました。その経験から言いますと、インドは行きたくなくてもとにかくまずは行ってみることをおすすめします。特に体力もあって感性も柔らかい若い世代こそ、とにかくこの摩訶不思議なインドに飛び込んでほしいと思います。

しんどいです。しんどいですよ?ですがそのしんどさを味わうことにこそインドの醍醐味があると私は信じて疑いません。

インドはなぜ大変なのか、そしてその対処法とは

衛生面と食べ物

まず第一に衛生面です。インドに行けば確実に腹痛や下痢に襲われます。

私も初のインドでその洗礼を受けました。その顛末は以下の記事でお話ししていますが、日本人にはまず食べ物がリスキーです。

インド食はスパイスが基本です。スパイスが苦手な私には地獄のような環境でした。ガイドさんが「これは食べても大丈夫です。日本人でも食べられます」と言ったものですら私はだめでした。胃腸の弱い人、辛いものが苦手な人は覚悟してインドに行ってください。どんなに気を付けていてもインドは洗礼を浴びせてきます。

加えて、食べ物そのものだけでなく、水回りやそもそもの衛生環境が日本とは比べ物になりません。日本はあまりに潔癖すぎます。それに慣れた私達にはインドにいるだけで常にダメージがあると考えていた方が無難です。

ただ、初のインドで洗礼を受けた私でありましたが、その体験を基に対処法も見出しました。

それが日本からの大量の食糧持ち込みです。私は2度目以降のインドでスーツケースの半分以上を持ち込み食糧で満たし、現地のものを意地でも食べないという荒業を敢行しました。

もちろん、朝食バイキングではゆで卵やバナナなど、比較的安全なものは食べたものの、ローカルフードや辛そうなものは一切食べませんでした。

その結果2度目、3度目のインドでは下痢・嘔吐に悩まされることはありませんでした。これは大いなる成果です。

お腹に不安のある人はとにかく大量に持ち込んで下さい。コーヒーのドリップパックなどもあると心がとても癒されます。現地のコーヒーはまず飲めたものではないことを覚悟してください。食べるもの、飲むものは自分であらかじめ確保する。この心構えがあるだけでインド旅行の危険性は一気に和らぐことになります。

インドのカオスによるメンタル疲弊

インドのカオスっぷりは有名ですが、これも大きいです。カルチャーショックは身も心も弱らせ免疫力にも直結します。私自身、強烈なカルチャーショックを受けた国ではいつも体調を崩していますのでこれは間違いありません。

インドにおいてはまずほぼどんな人でもカルチャーショックを起こすことは間違いありません。

以下の動画は私の初インドとなったハリドワールの沐浴場の様子です。

私が訪れたのは8月の雨季でガンジス川が濁流のようになっていました。そしてそんな濁流に飛び込み、流れていくインド人・・・

私はこの光景に言いようのないショックを受けました。

そして上でもお話ししたように、とにかく汚い・・・。

さらにはオートリキシャやバイクが常にビービー音を鳴らし突っ込んできます。この騒音にもかなり苦しめられました。サバンナの草食動物の気分です。いつ襲われるかわからない緊張感があります。

基本的に、日本では想像もできないようなカオスがあります。これはデリーやムンバイなどの大都市でも変わりません。インドはどこに行ってもこういうことがありうるということは覚悟しておいた方がよいです。

ただ、これも不思議なもので、いつかは慣れます(笑)

私も最初のインドでは最後まで度肝を抜かれっぱなしでしたが、2度目のインドからはある程度の耐性が付いていることを実感しました。明らかに余裕があるのです。「もう怖くはないぞ。かかってこい」というメンタルです。こうなるとしめたものです。インドが面白くなってきます。

もちろん。インドのカオスぶりや騒音には毎回うんざりします。今でも私はインドが大嫌いだと公言してやみません。ですが帰国してしばらくするとなぜかあのカオスが恋しくなるのです。なので私は「インドは大嫌いだけど大好きだ」といつも話しています。

このカオスもインドらしさであり、これがなくなってしまえばそれはそれで寂しいものがあります。日本とは全く異なる世界を体感することは自分の世界を広げる大きなきっかけとなります。そういう意味でも若いうちにインドに行くというのは大きな意味があると私は考えています。

それに、何といっても多少のことに動じなくなります。「まあ、インドだったらよくあるよね」と妙に達観した精神が身につきます。インドから帰れば日本での生活が非常に快適に感じます。日常生活には様々なイライラの元がありますよね。たとえば車を運転していれば、変な車がいるとイラっとしたくもなりますし、歩行中にも色々なことに遭遇します。ですがインドのあのカオスに慣れておくと、そこまでもうイラっとしなくなってきます。

それこそ「まあ、インドだったらよくあるよね。仕方ないさ」で終わりです。普通だったら「あの人は(車は)なんでこんなことするんだろう!ありえない!おかしいじゃないか!」とカッカするところも、「まあ、よくあるよくある」と流せるようになります。「ありえないなんてことはありえない」。某人気漫画でもこのフレーズは出てきましたがまさにインドに行けばこの精神を得ることができます。

これさえあれば日常生活のイライラがかなり軽減されます。余裕ができます。

そう考えるとインドに行けば今後の生活にも役に立ちそうな気がしませんか?バカンスで遊び尽くすのもよいですが、若い内は人生の修行だと思ってインドに行くのも大いにありだと私は考えています。

インドのカオスっぷりやその慣れについては以下の記事でお話ししていますので参考にして頂けましたら幸いです。

インドは旅人に「答え」ではなく「問い」を与える

さて、ここまでインド旅行の難度を高める衛生面と食事、メンタル面についてお話ししてきましたが、それらは適切な対策と心構えさえあれば問題なくクリアーできることは間違いありません。私は身をもってそれを体感しました。2度目のインドからは全く無事です。私の最初のインドでの失敗から学んだ教訓をこの記事でお伝えしていますのでぜひ皆さんも役立てて頂けたらと思います。

もちろん、現地に行って体調を崩す確率はかなり高いです。インドは初見殺しと言ってもよいほど強力な相手です。無事帰って来たならそれだけであなたは相当身体と心が強い人です。自信を持ってください(笑)

そうではない普通の人はまずやられても仕方がないという気持ちで行く方が気楽です。

ですが、それも含めてインドです。体調不良になったらそれを後で笑い話にすればよいのです。実際に行った人間にしかその笑い話はできないのですから大いに味わいましょう。

そしてできうる範囲で準備を怠らないことです。食料持参はマストです。特に胃腸の弱い人は絶対にローカルフードは食べない方がよいです。

こうした基本的な対策を講ずればインドは過剰に恐れるような場所ではありません。ぜひ行ってみてください。「行かない方がいい」なんてことはまったくありません。

そして最後に、インドの旅について私の思うところをお話しさせて頂きます。

インドは「好きになってハマる人」と「二度と行くものかと大嫌いになる人」の両極端で分かれるというのは有名な話です。

私はどちらかというともちろん、大嫌いな方に分類されます。とはいえ、3度も行っているのだからもはや大嫌いでは通用しません。なので先ほども申したように私はよく「大嫌いだが大好きだ」と言うようにしています。

私がインドを嫌いなのはやはり上でお話ししてきたようにその衛生面と食事、そしてそのカオスっぷりに理由があります。特に衛生面と食事はもう完全にアウトです。これはどうしようもありません。私にはトラウマがあります。

ですが、そのカオスっぷりに関して言えば、嫌いではあるがやはり面白いというのも正直なところです。

「(10)インドは最後までインドだった。目の前で起きた交通事故の運転手に度肝を抜かれた最終日」の記事では次のようなエピソードを紹介しました。

そしていよいよ最終日、私は空港へと向かっていたのだが、珍しく高速道路が空いていたのである。

「明日はお祭りなので道が空いています」

ガイドさんはそう説明してくれた。ほお、そうなのか。

だが、しばらくするといつの間にか渋滞にはまり出した。

すると彼はこう言ったのである。

「明日はお祭りなので道が渋滞します」

え?さっきと言ってることと真逆では?ものの30分ですよ?

これがインド人なのか。適当。矛盾を気にしない。

神様は気まぐれだ。神様が笑っていればいいことがある。もし怒れば悪いことが起こる。首尾一貫した神様などいない。

因果や論理はあまり考えない。「神様のご機嫌次第」。これは何が起こるかわからないカオスの国インドならでは思考法なのかもしれない。

そう考えると、因果関係を厳密に追い求めようとする仏教がいかに論理的なことか。

だが、この瞬間ふと思ったこともある。

「空いている道もある。それはお祭りのため」。だが同時に「お祭りのために混んでいる道もある」。

こういう風に考えることもできるのではないか。となるとあながち矛盾でもないか・・・あぁ、もうやめよう、このままではどつぼにはまってしまう。

「(10)インドは最後までインドだった。目の前で起きた交通事故の運転手に度肝を抜かれた最終日」の記事より

そう、インドでは何が起こるかわかりません。そしてそれに対しての明確な答えも存在しません。「こうだからこうなった」というのが通用しない世界なのです。それこそ神様のご機嫌次第。

このような世界にいると、当然自分の頭で物事を解釈していかなければならなくなります。何かよくわからないものが目の前に現れるが、それに対する答えやその糸口すらも見つかりません。そうなると自分で何か答えをひねり出すしかないのです。

そしてそれが積み重なると自分なりのインド像なるものが出来上がってきます。これが面白いのです。

この自分なりのインド像はもちろん、「インドそのもの」ではありません。それはあくまで「自分だけのインド」です。この明確な因果関係が見えないカオスたるインドには「空白」がありすぎます。その空白を埋めるのが私達ひとりひとりであり、そこに各々の個性が見えてくるのです。

世の中には無数のインド旅行記や体験記があふれていますが、それが面白いのもこれが理由ではないでしょうか。インドには空白が多すぎる。そしてそれを埋めるべくそれぞれの個性が現れてくる。その個性に我々読者は惹かれるのです。

そしてこれも強調したいのですが、こうした空白の多さはまさにロシアの文豪ドストエフスキーも同じなのです。

ドストエフスキー(1821-1881)Wikipediaより

世の中には膨大なドストエフスキー論があふれています。これはトルストイやチェーホフなどと比べてもその差は歴然です。ドストエフスキーは他の作家と比べても圧倒的に論じられることが多い作家です。

実際、このドストエフスキーの作品も空白だらけです。「こうだからこうなった」という論理が存在しません。だからこそその空白を埋めるべく各読者が自らの内から必死に答えをひねり出すのです。

「ドストエフスキーは答えを与えるのではなく、問いを与える作家である」ということをジェルジ・ルカーチやアンドレ・ジイドは述べています。(※ルカーチ『トルストイとドストイェフスキイ』、ジイド『ドストエフスキー』参照)

私もまさにそう思います。そしてドストエフスキーと同じようにインドも私達に問いを与える存在なのです。

ですが、そう考えればひとつの恐ろしい問題も生じてきます。

インドやドストエフスキーについて語ることは「その人自身」を開示することでもある。つまり、インドやドストエフスキーについて論じた事柄はその人自身の思想やあり方をかなりの部分示してしまうということでもあるのです。

そう、インドやドストエフスキーはその人自身を映す鏡なのです。

これは実に恐ろしい。私自身ここに書いて戦慄しています。これはもう迂闊にはインドやドストエフスキーについて語ることは控えた方がよいかもしれません。

まあ、冗談はよしとして、インドの面白さはこうした「空白の多さ」によるものが大きいのではないかと私自身は考えています。

この空白があるからこそ各人が様々に思考を巡らし、自然と自己の内面を問うていくことになる。「インドに行けば人生観」が変わるとよく言われますが、それはこうした側面があるからこそなのではないかと私は思います。

ちなみに言えば、私はインドに行って人生観が変わったとは思いません。なぜなら私はすでに答えを持ち、その答え合わせに旅に出るからです。何を言っているのかポカンかもしれませんが、私の旅のスタイルについては以下の記事でお話ししていますので興味のある方は覗いてみてください。

さて、ここまで長々とお話ししてきましたがいかがでしょうか。インドに行きたくなってきましたでしょうか。

いや、まだ不安で腰が引ける?

オッケーです。

そういう方にはぜひおすすめしたい旅行会社さんがあります。この旅行会社さんに依頼すれば安心安全にインドを旅することができます。

その会社がこちらのアショカツアーズさんです。

アショカツアーズさんは私も大変お世話になった旅行会社さんです。

車やガイド、スケジュールなど、私の細かい要望や普通の観光客が行かないマニアックな場所までとにかく丁寧に対応してくださりました。

アショカツアーズさんはHPにあるように仏跡旅行に特化した旅行会社です。

もちろん、仏跡以外にもインド・スリランカ旅行全般で安心して依頼できます。私も仏跡以外の場所も数多く訪れましたがそれらもすべてアショカツアーズさんに依頼しています。

私がこれほど安全に最後まで旅を続けることができたのはアショカツアーズさんのサポートあってのことです。それは間違いありません。

また、最強の現地ガイドさんもご紹介しましょう。私の2度目、3度目のインドのガイドを務めて下さった方です。

インド日本語ガイド歴35年の大ベテラン、スバッシュ・グプタ(Subhash Gupta)さん

グプタさんのおかげで私のインドの旅は様々な発見に満ちたものとなりました。グプタさんは豊富な知識だけでなく、素早い機転や深い洞察力も兼ね備えた方です。グプタさんとの会話はいつも私の思考に刺激を与えてくれました。私が疑問に思っていることを察知し、それに対する的確な答えを与えてくれるのです。だからこそ私はより深くインドと向き合うことができました。何度グプタさんに助けられたかわかりません。

そしてインドという予測不可能なカオスの中でも、グプタさんといるととにかく安心できたのです。初インドは惨憺たる目に遭いましたが実は2回目のインドでカジュラーホーやアジャンタ、エローラを巡った旅はとびっきり楽しかったのです。それもまさにグプタさんのおかげででした。空港で初めて会った瞬間、「あ、この人は信頼できる」と私は感じたのです。そしてその感覚は間違っていませんでした。だからこそ私は最後のインドの旅でもグプタさんにガイドを依頼したのでした。

これから先インドに行かれる方はぜひ旅行会社さんにこのスバッシュ・グプタさんをお願いすることをおすすめします。仏跡ツアーのスペシャリストでもあるので、仏跡巡りに行かれる方には特におすすめしたいです。

正直、インドを個人旅行することは非常にハードルが高いです。油断すれば詐欺師に騙され、危険な目に遭うことも多々あります。それに、そもそも全てがカオスで予定通りことを進めることすら困難です。私もこれまで世界の様々な国を旅してきましたが、はっきり言って難易度が桁違いです。私は早々に個人旅行を諦めました。もし一人で行けば一分一秒を生きることでいっぱいになり、仏教の勉強どころではなかったことでしょう。

ですがかといってグループツアーでは私の行きたい所に行くことはできない・・・

というわけで私は個人手配でアショカツアーズさんに依頼し、現地ガイドと車をチャーターすることでインドを旅することにしたのです。

金銭的にはバックパッカーの旅やグループツアーと比べると確かに高くつきます。ですが、こうした個人手配の旅をする価値がインドには間違いなくあります。上でお話ししたように、安全と安心面が圧倒的に違うのです。一分一秒のサバイバルを味わいたいという方はバックパッカー的な自由な旅でもよいでしょう。それができるならそれも最高に楽しいインドの味わい方です。

ですが私も含めて多くの方はそれはかなり厳しいと思います。そんなストイックな旅の仕方をしなくてもインドには行けます。これはストイックなバックパッカーのイメージがインドには定着しすぎてしまった弊害かもしれません。安心安全にインド文化を味わいに行くという選択肢がもっとあってもいいのではないかと思います。それでさえインドに度肝を抜かれるのは間違いないのですから。

というわけで私はアショカツアーズさんを通してインドに行かれることをおすすめします。これは私の経験から言えることです。私はアショカツアーズさんのおかげで無事インドを旅することができ、目的を達することができました。それははっきりと断言できます。

インドは面白いです。私が大好きなローマやプラハも最高に素晴らしい街ですが、ある意味これらの街はいつになっても行けます。ですがインドは若くて感性が柔らかい内に行った方がよいです。もちろん、インドに行くタイミングはインドのみぞ知りうるものですので60歳を超えてから呼ばれることもあるかもしれません。

ただ、この記事を読んでいる方はきっと何かしらすでにインドに惹かれるものがあるはずです。であるならば恐れずにぜひ行ってみてください。行こうか迷っているなら行くべきです。

この記事が皆さんのインド行きの後押しになれることを願っています。

ぜひインドの洗礼を浴びてきてください。そして大いに笑い話にしてください。

以下、私がおすすめするインドのガイドブック、参考書のリストになります。ぜひ参考にして頂けましたら幸いです。

以上、「インド旅行はやめたほうがいい?その注意点と対処法を知れば万全です!」でした。

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