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中国で吉野家牛丼&豚汁を作る!〜幻の食材探し

中国で牛丼を作る! 〜幻のアンガス牛を求めて〜

中国に長く住んでいると、日本の味が無性に恋しくなる。
特に、シンプルなのにやみつきになる「吉野家の牛丼」。あの味をぜひ再現したい...!でも、ここは中国。牛丼の命とも言える「牛バラ肉の薄切り」が、どこにも売っていない。

本家・吉野家の牛丼にはアメリカ産の牛バラ肉の薄切りが使われているらしい。これがなければ、あの味にならない。スーパーを回ってみたが、売っているのはブロック肉や厚切りばかり。

そこで、ネットでいろいろと調べてみたら、上海のある日系商店がネット販売&クール便配送をしているのを発見!なんと、そこには「アンガス牛の牛バラ肉の薄切り400g」があるではないか。
住んでいた街から上海までは車で3時間ほど離れているが、前日に頼めば翌日の午前中にはクール便で到着するらしい。これはありがたい。どうせならと、昆布と鰹の出汁ぱっく、玉ねぎ、日本米も一緒に注文した。

しかし次の問題は薄口醤油。中国ではまず手に入らない。仕方なく、ネット情報を参考に、「濃口醤油+塩」で代用することにした。色は濃くなるが、味のバランスは何とかなるはず。みりんの代用には、現地の甘めの料理酒を使う。
紅しょうがも売っていなかったので、近くの馴染みの日本料理店で少し分けてもらった。

これで、まずは、とりあえず牛丼の食材がすべて揃った!次の休日を待って、「吉野家99.99%そっくり牛丼」を作り始める。

ついに調理開始!「吉野家99.99%そっくり牛丼」を目指して

まずは鰹だし、昆布だしで、黄金だしを作る。
次に割り下つくり。鍋に黄金だし、醤油(濃口+塩)、みりん代用品、砂糖、白ワイン、しょうが汁、りんごジュースを入れて火にかけ、絶妙なバランスに調整する。ここで味を決めるのが重要だ。

そこへ薄切りのアンガス牛を投入!しっかり煮込んでいると、脂が出てスープにコクが増していく。続いて玉ねぎを加え、しんなりするまで、じっくり煮込む。

仕上げに熱々のご飯の上にたっぷりのせ、紅しょうがを添えたら.......
完成!これで99.99%の完成度になったのか!?
一味とうがらしをかけて、一口食べると.....
「これは.......吉野家だ!!!」至福の喜び。

中国で豚汁を作る!〜幻の「ごぼう」を求めて〜

牛丼の再現に成功して、今度は「豚汁」。豚バラ肉はすでに冷凍してあるので、ちょうどいい。寒い日に熱々の豚汁をすすると、体の芯まで温まる。

しかし、ここは中国。今度は豚汁の命とも言える「ごぼう」が、どこにも売っていない......!
「豚汁にごぼうがないなんて、考えられない!」
スーパーを探し回ったが、ごぼうの姿はなし。上海の日系商店のネットショップでも取り扱っていない。どうしたものか....と、中国のネット通販で「牛蒡(ごぼう)」を検索してみると、出てくるのは、ごぼう茶や漢方薬の材料としてばかり。

「いや、そうじゃない。俺が欲しいのは、生のごぼうなんだ.....!」諦めかけたその時、山東省の農家がとりたての「ごぼう」を直販しているのを発見!すぐにネットで注文した。

しかし、試練はこれだけでは終わらない。次なる難関「コンニャク」がない.....!

スーパーを探しても、ネットで調べても売っていない。中国人は大体コンニャクを食べる習慣がないらしい。ただでさえ、彼らはプニュプニュしたものは嫌いだ。しかし、これが大事。ないと、豚汁の食感が物足りない......。

そこで、最後の手段として日本の食材通販サービスを検索。ついにコンニャクを見つけて、すぐに注文!

まずは、やっと「ごぼう」と「コンニャク」入りの豚汁を作る準備が整った。

ついに調理開始!こだわりの豚汁

鍋にごま油を入れて、斜め切りに切った「ごぼう」を入れ、焼き色をつける。これが大切。ごま油と「ごぼう」のよい香りが広がる。

さらに豚バラ肉を炒め、大根、にんじん、コンニャク、里芋も加えて、具材の旨みをぐっと引き出す。そして、昆布と鰹のだしを注ぎ、しっかりと旨みが全体にいきわたるように、じっくりと煮込む。

最後に近くの日本食材屋で手に入れた味噌を溶かし入れ、ひと煮立ちさせたら......
「完成!幻のごぼう入り豚汁!」
熱々の豚汁を一口すすると.......「これだよ、求めていた味は!」
ごぼうの香りとコク、豚肉の旨味、味噌の味わいがマッチして、完璧な仕上がりに。

牛丼&豚汁、ついに日本の味を完全再現!

食材探しに苦労したが、その分、完成したときの喜びはひとしお。異国の地でも、工夫すれば日本の味はできる!

日本では食事をつくることもなかったが、やってみると料理を作るのも面白い。

海外にお住まいの方、自分で日本食をつくるときに何か大変なことはないでしょうか?

私は、その後も、いろいろな料理にチャレンジ。特製サンドイッチ、ハンバーグステーキ、ビーフシチューなど、また正月のお雑煮も。
また今度、それらの紹介をしてみたい。


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