コミュニケーションを省くメリット
先日の出来事
ちょっと驚いたことがありました。
家の中から外を眺めていたら、我が家の玄関を撮影している人がいたのです。
知らない人だったのでびっくりしつつ、とりあえず挨拶してみようと思い外に出ました。
その人は私に気づいたようでしたが、目は合っても無言でそそくさと車に乗り込み去っていきました。。
なんだったんだ…⁇と思いながらも家に入ろうとしたとき、ポストに前日注文したものが届いているのをみつけました。
なぁんだ、配達員が任務完了した証拠を撮っていただけだったのか~
…というお話でした。
正直、見知らぬ人が家の写真を無断で撮っているのは気分がよいものではなかったし、不愛想だなぁ…と思いました。
しかし、
ちょっと考えてみました。
そもそも目的はなんだっけ
配達の本来の目標はなんでしょう。
モノを目的の場所まで届けること、かと思います。
今回の配達員はちゃんと私が依頼した通りのものを依頼した場所まで届けてくれました。
仕事としてはパーフェクトです。
それに最近は『置き配』の需要も高まっていますし、配達して証拠を撮影して任務完了、という流れは今後ますます増えてくるのではないかと思います。
コミュニケーションのメリット・デメリット
配達員のなかにはとてもフレンドリーで、挨拶だけでなく「きょうは暑いですね」とか短い会話をする人もいます。
そんな人に出会うと少しほっこりしたり、ここの配送会社のサービスいいな、と思ったりします。(単純すぎますか?笑)
それに過疎化が進んでいるような地域では高齢者の安否確認も兼ねていたりするでしょうし、対面でのコミュニケーションは大事だと思います。
良好なコミュニケーションによって仕事を円滑に進めたり、相手との関係を維持することができます。
しかし、対面でのコミュニケーションを省きシンプル(ある意味機械的)に仕事をすることで生まれるメリットもあります。
わたしが考えたメリットは以下の3つです。
①時間の節約になる
②コミュニケーションが苦手な人にも活躍の場が広がる
③対面コミュニケーション起因の争いが起こりづらい
これは言い換えれば、対面でのコミュニケーションによるデメリットを避けることができる、ということです。
それにこれは、配達業界だけではなく他の業界にもいえるとおもいます。
ひとつずつ補足しようと思います。
①時間の節約になる
対面でのコミュニケーションって思いのほか時間がかかりますよね。
会話に関してもそうですし、会話に至るまでの準備が必要です。
また配達の例を挙げると、対面での受け渡しのとき、ほとんどの配達員は制服を着ています。支度をして荷物を持って目的地に向かい、ベルを鳴らして家の人が出てくるのを待ちます。挨拶をしてサインをもらって短い会話をするかもしれません。
スムーズにいけばよいですが、家の人がなかなか出てこなかったり、留守だったり、世間話が長かったりすると、もっと時間を取られてしまいます。。
その点、荷物を運ぶという目的をシンプルに遂行するだけなら対面コミュニケーションが必要なときと比べて多くの時間を節約できます。
節約した時間でより多くの仕事ができるので、結果、客も喜びます。
昨日も書いたとおり、希望の時間に希望の場所に荷物が届くのは、実は当たり前ではありません。。
なので、時間を節約してそのぶん確実に目的の仕事をこなすのは、とても大切なことだと思います。
②コミュニケーションが苦手な人にも活躍の場が広がる
これまで専門的な知識を持っていてもコミュニケーションの問題で職に就けなかった人もいると思います。
人と接するのが苦手な人、障がいを持っている人、外国人…。
前術した配達員の出来事とは別に、こんな出来事もありました。
日本で使える格安SIMを契約した時のことです。
さっそくコールセンターに連絡しようとしたら、電話ではなくAIチャットに連絡するよう促されました。
それでも分からない部分があったのでスタッフが対応してくれるチャットを使いました。
今の時代、コールセンターも電話対応だけじゃなくていいですもんね。
そうなると、その分野に詳しい人であれば、人と話すのが苦手な人や声が出せない病気の人、耳の聞こえない人、足の不自由な人…いままで何らかの原因で対面でのコミュニケーションがとりづらかった人でも活躍できるのではないかと考えました。
それに、外国人にも働くチャンスが増えるでしょうし、顧客としての外国人にも優しいと思います。
わたし自身、ドイツで電話をかけなければならないことが意外と多かったのですが(車の故障とか学校とか病院)、その都度こちらの言いたいことがちゃんと伝わっているのか心配でした(多分おおかた伝わっていない…)。
せめてメールなら、あとからゆっくり読み返せるし翻訳とか検索機能が使いやすいのに…と毎回思っていました。
電話の方が早いこともあるけど、外国人にはチャットの方が確実に伝わりそうです。
(それにチャットで文字に残ることで、日本人同士でも言った言わないの争いがなくなりそうですね。)
③対面コミュニケーション起因の争いが起こりづらい
人は見た目が9割とか、印象は3秒で決まるとか、話の内容よりも視覚や聴覚の印象が残りやすいとかとか…よくいいますよね。
見た目、声色、しゃべり方などで相手に嫌な印象を与えかねません。
わたしは今回我が家に来てくれた配達員に対して、いい印象を持つことができませんでした。
目が合ったにもかかわらず挨拶もせず無言で去っていったのを見ると、なんだかモヤっとしました。
でもここで会話しなくてよかったのかもしれません。
もし相手がめんどくさそうな態度を示したら、もしわたしが怒った口調で話しかけてしまったら…トラブルになっていたかもしれません。
といいますか、そもそもわたしが配達員に気づかずに家で過ごしていたら『気づいたらポストに荷物が届いている』状態だったわけですし、「ちゃんと届けてくれたんだ、ありがとう」の気持ちしか生まれなかったでしょう。
わたしが余計なことをせずに家にいればよかっただけなのです。
態度が悪いとか、見た目が嫌だとか、話し方が好きじゃないなどの感情は、対面(電話含む)コミュニケーションがあるからこそ生まれてくるのではないかと思います。
不要なトラブルを避けるためにもコミュニケーションを最小限にとどめ、ときには機械的に仕事の目的を遂行するのもいい方法なのかもしれません。
おわりに
日本のサービスは丁寧だし、愛想もいいし、細かい気配りもできて素晴らしいです。
ドイツのおおざっぱな(というか適当というか細かいことは気にしない)サービスを受けてみてつくづく感じました。
でも、丁寧すぎるがゆえに余分な労力を使わねばならないし、仕事をちゃんとこなしても時には不愛想だと文句を言われたり、細かい気配りができるのが標準装備として求められるのはツラいものがあるでしょうね。。
対面でのコミュニケーションが必要な場合は特に、客側は働く側に対して過度に期待しすぎてしまうし、働く側もより丁寧な対応を心掛けるようになる傾向にあると思います。
その仕事の本来の目的はなにか、サービス(おまけ)の部分はどこなのかを意識すると、両者とも心地よい関係を築けるのではないでしょうか。
コミュニケーションを省くことでいいこともあるじゃないか!と、今回の配達員に対して無意識に期待しすぎていた自分に向けて、反省の意味を込めて書いてみました。
長くなりましたが、おしまい。
またあしたです。
(05/31)