認知バイアス 心に潜むふしぎな働き:鈴木宏昭
今回貪った本→https://amzn.asia/d/bTykmIt
先入観からくる思考の偏りは、誰しも多かれ・少なかれ、自覚している・していないに関わらずあるもの。
だからこそ、それはどんなものか知っておこうとセレクトした本。
読んでみると、それこそ著者自身が自らのバイアスに対して細心の注意を払いながら筆をとったことが伝わってきます。章ごとに異なるバイアスについて様々な視点で書かれており、その章ごとに「ブックガイド」ということで、参考文献が丁寧に羅列されている。
読み進めていけばいくほど、上記の例みたいな感じで、バイアスは日常の隅々にまで入り込んでいて、それらから完全に自由になることはまず不可能だということがわかります。
この偏りに囚われない在り様は仏教が目指すところの中道そのもの。私たち凡夫は、いかにその作用を知り、見つめ直し、どう付き合っていくか、こういうことを考えるきっかけとなる1冊。
私自身は、これを読んで、
①人はそもそも物事をあるがままには捉えられない。
②であれば、自分はこうだと思う誤解の中で物事と向き合う。
③そしてその誤解を更新し続けていく。
これぐらいの忍耐(体力)が必要なんだろうなと感じた次第。と同時に「信仰」というものこそ偏りそのものなのかもしれないな、などと。