情報を備えるという防災【被災した時にやることリスト編】
台風10号が上陸し、各地で猛威をふるっています。気象庁の情報を見ていると、今日の朝からどんどん土砂災害の警戒区域が増え、地図に紫色が広がっています。
依然として勢力が大きな台風、【まさか】の可能性も高い状態です。
もし身近に【まさか】が起きた時、つまり家が被災した時にやることをリストアップしてみました。
自宅が被災してしまい、すぐに住める状況でなくなったら、避難所などでの当面の生活の上に、大きく3つが必要になります。
・行政の手続き
・家屋の復旧
・その他支援制度の有効活用
この3つです。
以下に、それぞれ、詳しく説明していきます。
▲避難所も長期化すると、みんなでルールを決めたり色んな整備をしていきます
①行政の手続き
被災した場合、国や行政からの支援制度を受けられる場合があります。これは、被災の原因となった災害の規模や各行政の対応に応じて変わります。
また、それぞれの被災の状況によっても大きく変わります。
その被害の状況を定めるのが、「罹災証明(りさいしょうめい)」です。
「あなたのお家が受けた被害規模はこれです」と証明してくれるもので、つまり「家が被害を受けました」という証明でもあります。
▲それぞれの担当がどの課なのか、そこにたどり着くにも一苦労したり
被害判定が一部損壊などの低いレベルでも、色々な減免などの措置を受けられることがあります。必ず取得するようにしましょう。
詳しくはこちら。
この罹災証明の判定によっては、行政からの支援制度を受けられます。
簡単な一覧がこちら
これらの制度、お察しの通り分かりにくく、自分がどの制度を受けられるのか、と混乱する人も少なくありません。
大抵の場合、各市町村のHPに、被災者支援用の特設ページなどが作られます。長期間避難所ができている場合は、避難所の掲示板などで張り出されていることもよくあります。
例えば、去年の西日本豪雨で大きな被害を受けた広島市にはこんなページがあります。
②家屋の復旧
もしも、被災した自宅を修理して住み続ける場合は、家屋の清掃が必須です。この清掃の段階で、色々な人の手を借りることができます。
大きな災害が起きると、各地域で災害ボランティアセンターが開設されることがあります。復旧活動で頑張りすぎて倒れられる被災者さんもいます。
長い道のり、がんばりすぎず、適切に色々な人の手を借りることが大切です。
被害によって必要な手順は様々ですが、代表的な例を
*これらは、あくまでも一例です。
また、それぞれの手順には更に細かい注意点などがあります。
もっと詳しく知りたい場合は「水害にあったときに」などを参考にしてください。
▲被害後放置されてカビが蔓延したお家
▲通気口や床下収納から、床下の状態をチェックする図
▲家財の運び出し、どれを処分するのかおうちの人と相談しながら
③その他支援制度の有効活用
前述の①とも少し被りますが、国や行政からの支援制度の他にも、活用できる制度がある場合があります。
▲水が出ないうちの復旧作業は相当大変です
水道・電気・ガスなどの利用料金が減額になったり、住民税・所得税、国民健康保険料、国民年金、医療費などが減免になったり、支払いが猶予される場合もあります。
(こういった手続きに、罹災証明が必要になるんです!)
他にも、各機関から相談窓口が開かれることがあります。
医療相談窓口(体のことについて、心のことについて)、
建築相談(家屋の再建について)、
法律相談(自分が受けられる支援制度について、二重ローンについてなど幅広く)、
都道府県の弁護士会や行政書士会、建築士会などが無料の相談会を開催する形が多いため、要チェックです。
(認知度が低く、閑古鳥が鳴く相談会もあります、…これは本当にもったいない…!!)
また、民間企業や、NPOなどの支援団体からの支援があることも。
子ども支援の団体から、奨学金や学用品の支給、
動物愛護団体からは、ペットの餌の支給、
生協などが炊き出し、など各団体の得意分野での支援が展開されます。
▲KEENというアウトドア靴メーカーが被災者向けに靴の配布会を実施
災害支援に強い団体では、②の図にある☆のような、技術的な支援が出来る場合もあります。
ただし、支援団体や民間企業が、どの規模で活動するのかは、災害の影響の大きさや各団体の経済力などに大きく左右されます。
出会えればラッキーぐらいに、情報をチェックしてみてください。
▲被災家屋の壁剥がしをする技術系支援団体
▲収穫間際のお米を救うべく、田んぼの清掃をする団体も
どの被災地でも、出会う人がみんな【まさかウチが…】とおっしゃいます。
でも実は、過去100年の歴史を見ると、同じような被害にあっていたり、ハザードマップで真っ赤になっていたりします。
【まさか】と思っているのは、自分に都合の良いように、情報を得ているからに過ぎません。
【ウチは大丈夫でしょう】と他人事と思わずに、【もし…】と考えてみてください。
ちょっとでも被災した状況のイメージすることで、準備するもの、チェックする情報、色々と変わってくるはずです。
そしてそれは有事の際のダメージを小さくすることにつながるかもしれません。