つれない君

自慢じゃないけど今まで私、ふられたことがない。

なんていうと、すっごいモテモテ人生みたいだけど、

ホントはそんなんじゃなくって、

ただ好きになった人には告白したことがないから、

その恋が実っていないだけ。

そう。

一見、５勝０敗みたいに思えちゃうかもしれないけれど、

そもそも勝負してないんだから、実際は０勝０敗なだけ。

そんなわけだから、振り返れば、

もしかしたら、私って、

自分から告白するほど、好きな人に出会って来なかったのかもしれない。

そんなわけだから、今思えば、

私ってずっと、

猫系女子なんだって思いこんでたの。

ほら、猫って、自分の都合のいい時に気分次第で甘えたり、

急にそっけなくなったり、

それでもご主人様に可愛がられて。

自由気ままなワガママちゃんって感じじゃない？

どっちかっていうと私って、そんな猫系女子なんだって思ってたの。

だっていつも、

好きって言ってほしいなんて、言わなくても、いつも言われるし、

可愛いって言ってほしいなんて、言わなくても、毎回言われるし、

かまってほしいなんて、言わなくても、ほっといてくれないし、

なんなら、部屋のなかでもずっと、寂しいなんて言われるから、

一人の時間が欲しくなっちゃう。

だけどね、

君はちがう。

好きって言ってほしいなんて、思っても、もちろん言ってくれないし、

可愛いって言ってほしいなんて、思っても、ぜんぜん言ってくれないし、

かまってほしいなんて、思っても、ほとんどかまってなんてくれないし、

同じ部屋にいたって、ずっとそばにいたくなっちゃう。

あれ？

私猫系女子じゃなかったっけ？

・・・・・。

つれない君は、まるで猫。

いつだって追いかけてるのは、わたしばっかり。

いつだって好きなのは、わたしばっかり。

いつだって素敵って思うのも、わたしばっかり。

いつだってちょっかい出したいのも、わたしばっかり。

いつだって君のそばに、ぴたっとくっついていたいのも、

わたしばっかり。

わたしばっかり。

わたしばっかり。

つれない君の前だけは、猫系女子は犬になる。

駆け引きなんて出来ないよ。

しっぽ振って行っちゃうもん。

つれない君は、まるで猫。

だから追いたくなるのかな。。。

いつだってそんな君は　

自由気ままにそっぽ向いて。