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yumi_k_hideout
昨夜から降った雪はまだ
朝つけた足跡と共に
地面の上に、ひんやりとその姿を残していた。
煮え切らないあなたの態度と
見えてこない心の内が頭を支配し、
夜の凍える空気の中にはいた白いため息が、
大きめの存在感を見せつけながら、
そのまま雪の上に落ちていった。
細くとがった黄金色の三日月が
一瞬だけ、あなたの微笑みのように思えて、
恋しい想いに胸がギュンッとするけど、
私なんかには、手の届かないあなただから、
その微笑みを見ることも、
やわらかな口元に触れることも、
側で声を聴くことも、
隣で手を握ることも出来ない。
先の見えない未来を想うと
愚かな儚い恋心に
自分でも情けなくなるけれど
それでも尚、消せない慕情に
内側だけが熱を持ち、火照っている。
三日月の上に腰掛けて、
あなたと肩を並べたいなんて
そんな妄想すら暴走するほど、
あなたのことが好きで好きで仕方ないのに、
あなたは、わたしの気持ちなんてどこ吹く風で
すぐそばにいる、
かわいいあの子にときめいて、
待望の春に胸踊り、その頬を染めている。
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