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映画/読書「ひらいて」

「ひらいて」
綿矢りさ、山田杏奈、作間龍斗、芋生悠。これ以上に映画の雰囲気とキャスティングがマッチしている作品は思いつかない。こんなこと言ったら誰かに怒られそうだけど。

人生で観た映画の中でも特別な想い入れのある大好きな作品です。原作も一気読みだった。高校生感が抜けきれてない時期に観た1回目、3年後に観た2回目。この作品への印象は変わらないけど、想いは変化してた。一丁前に「あの頃は、、」などと振り返っている。面白い。

あらすじは調べてください。ごめんなさい。

このFilmarksでのだるすぎる追記では抑えきれないものがあったので、今回執筆しております。



好きな人が自分のことを好きではなかったら、好きな人の好きな人を奪えばいいじゃん(まだ分かる)。「えっこういう感じで奪うんだ、そんな方向があったんか」と感心してしまったんだけど、どこか愛に共感できる部分もあって。

愛は、高校生特有の狂気めいた不安定でどうにもできない精神状態(欲望?もっと強い語彙で表したい)の象徴だと思う。

そんな愛にも、誰にも嫌われたくない八方美人精神が根本にあるわけ。美雪が発作で倒れた時も優しく助けるし、愛のことを好きな同級生にも愛想良くあしらうし、そういう所があまりにも高校生すぎる。たとえのために、美雪との繋がりを求めていたのもあるんだろうけど、「誰にでも優しい優等生・愛ちゃん」を演じていたかった気持ちもあると思う。でも、無理だよな。圧倒的に愛の方が目立つタイプで、手に入れられないものは何も無いと思ってるはずなのに、絶対に手に入れられない想い人は自分とは到底違うタイプの人が恋人なんだもん。そりゃ悔しいよ。

好きでもないダンスを文化祭という学生ならではの舞台で、気怠げに(自分が1番可愛く見えるように)踊るところ。クラスメイトの恋愛事情を鼻で笑いながらもちゃんと聞いているところ。お砂糖とスパイスでできているのは愛ちゃんだと思う。

この前、高校生活の構造について爆語りしたことがあって、高校生の不安定で危なくて大人になりきれない時代について思い返した後だったから、余計に「ひらいて」への想いを書きたくなったのかも。あと、Twitterで主題歌がバズってたから。あれは名曲だ。トロピカーナのオレンジを持った愛ちゃんが窓からボーッと鋭い目でこっちを見てる画も忘れずに。




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