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キャット・ホームズさんと学ぶインクルーシブデザイン⑧

キャット・ホームズ(Kat Holmes)さん著書『MISMATCH 見えないユーザーを排除しない「インクルーシブ」なデザインへ』を教科書にインクルーシブデザインについてまとめていく連載です。自分用のメモでしたが、共に学び、共に考え、共に行動できる人に向けて連載という形で公開していくことにしました。

愛とインクルーシブ

愛はインクルーシブなソリューションの創造に共通する特徴である

仕事あいし、生涯にわたって自身の取り組みに情熱を感じている

ミスマッチなデザインがどのように改善できるかに焦点がしっかり絞られている

インクルーシブデザイナーは幅広い層が恩恵を受けられるようなソリューションをデザインするために排除を深く理解し、排除されたコミュニティに参加してもらう

顧客エンゲージメント

①排除されたコミュニティと共同で、彼らがプロダクトを使うときに直面する課題を記録する

ミスマッチなデザインが実際にどのように顧客に影響を与えているか厳密に示す

②使いにくさをカバーするために彼らがしていることを詳細に記録する

顧客エンゲージメントの障がいを引き起こしている主なチームに伝え、そのミスマッチを取り除けば、さらに多くの顧客に対していかに摩擦を減らせるかを説明できる

人々の声に注意深く耳を傾け、プロダクトに対してどんな結びつきを感じているかに注意を払う

デザインの決定にどのような影響を与えるかについて共有する

顧客基盤の拡大

①排除されたコミュニティに焦点を絞る
 このアプローチの強みは制約を明確にし、対象となる顧客よりも広い層へと
 つながる方法をチームが深く理解するように促すことができる

②市場規模に基づいてインクルージョンのビジネスケースをつくる別の方法として
 ペルソナ・スペクトルを使う

③永続的、一時的、状況次第という排除のスペクトルに分類される人の数を数値化
 する
 
ペルソナ・スペクトルはインクルーシブデザインが重要な市場機会であることを裏付ける一つの方法である

イノベーションと新しい視点

①多くの企業には開発に歳月をかけたものの、一度も世に出なかった何十年に相当するアイデアやプロダクトがある

・考え方や状況が変わり、新しいかたちで役に立つようになる
・使われていない既存のソリューションの新しい活用方法も見つかる
・新たな問題をきっかけに幅広い顧客に対してのプロダクトとして改善できる

②イノベーションは新しい考え方によって増強される
まずは新しい視点から問題を見つめ直し解決を目指す

多くのインクルーシブなイノベーションは既にあるリソースを新しいレンズで眺めたり、既存のソリューションの新しい組み合わせを作るだけである

インクルージョンの改善に伴う高いコストを回避

全ての新しいプロダクトやプロジェクトは先手を打って最初からおンクルーシブデザインを考慮し時間とリソースを節約するのが理想的

インクルーシブデザインは時と場所を選ばず実行できなければならないと同時に常に開発プロセスの初期段階から取り組まなければならない

何十年も平均的な人向けにプロダクトが作られてきたが、扱われるべきアクセシビリティの仕事が無視されている

人間とモノとの関係

人間とモノの関係は感情に満ちている

排他的なデザインは人々にマイナスの感情を抱かせる
それに対して
個人の身体や心に合ったデザインは、プラスの感情を与えることができる
インクルーシブなソリューションがうまくいっている時は機能的にも感情的にも人々にマッチしている

私たちがつくろうと選びとったものによって、誰が社会に参加し、貢献できるかが決まる

インクルーシブな手法を用いれば、私たちは革新的なソリューションを追求しながら、人間味のあるものをつくっているということを確信できる

まとめ

イノベーション、インクルーシブデザインなど何か新しいことをするには、真新しい白紙の地図が必要だと腰が引けてしまうこともあるかと思います。でも、いつもとは違ったレンズで見てみる、いつもの作業を違った角度から見てみる、または既存のプロダクトと別のプロダクトのアイデアを組み合わせてみる、そのような日常の作業の中にイノベーションは山ほどありますし、インクルーシブデザインも組み込むことも可能です。
私たちは言葉に囚われたり、目新しいことをしなくては意気込みすぎて、本当に大切なこと後回しにしてしまいます。言い訳はいくらでもありますが、実際はほんの少しの見え方の違いに気が付くということです。
できることは、Aだけでない無限だと思います。その無限は、私たちの日常に存在している全てが可能性としてあるのです。
そして、日常にあるその可能性の先に、置き去りになっている誰かに手を差し伸べることができるのだと思います。
また、サービスにしてもプロダクトにしても愛や感情、情熱、そういった人間らしさが動機になり、私たちは多くのイノベーションを生み出すことができるのです。



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