キャット・ホームズさんと学ぶインクルーシブデザイン⑤
キャット・ホームズ(Kat Holmes)さん著書『MISMATCH 見えないユーザーを排除しない「インクルーシブ」なデザインへ』を教科書にインクルーシブデザインについてまとめていく連載です。自分用のメモでしたが、共に学び、共に考え、共に行動できる人に向けて連載という形で公開していくことにしました。
ティファニー・ブラウンに聞くインクルージョンとは
ティファニー・ブラウン
デトロイト出身 建築家・デザイナー
デザイナーはどのようにインクルージョンを形成するのか?
「Nihi I de nobis, sine nobis」
私たち抜きに私たちのことを決めないで
この文句はコミュニティとともにデザインするという考え方を表現
いかなる行動指針もその影響を受ける人々全体が関与することなく決めてはいけない
どのように次の段階へ進めかは誰が進歩と共に前進でき、誰が脱落するかを決める
特定の層のためにデザインするとどうなるのか
その結果は威圧的で不公平なものになる
それに対して住民は無力でデザインの言いなり
インクルージョンに対するアプローチ方法
時間をかけて問題の根源に辿り着いてこそ、問題解決を試みることができる
広い視野から物事が重なるあう様子を見なければならない
物事がどのように関連し合っているかを理解することは意義深い
どのようにデザインを接しやすいものにするか
・自分たちの行動に対して何らかの理由を持つ
・また動き始めるにあたって何らかのコンセプトを持つ
・なぜそうするのかを合理的に考える
・何かによって導かれるからこそひとつのデザインにたどり着く
インクルーシブとデザイン
一歩下がってなぜ選択したのかを明確にする
なぜこれが必要とされてしまうのか?
なぜこれが重要なのか?
インクルーシブなソリューションづくりに不可欠なことは廃城されたコミュニティの見識を包摂することに焦点を泡ける
インクルージョンについて述べる時より大きな背景について注目
現在のデザインにつながる歴史を鑑みる
デザイナーとユーザーの向き合い方
人々はミスマッチなデザインに排除される時、排除の本質と解決できそうな方法がわかる
その経験を活かしてインクルーシブなソリューションを生み出すことができる
まとめ
社会の問題の多くは、その問題を抱えている人たちを抜きに話し合い決定されることが多いと思います。
「私たち抜きに私たちのことを決めないで」は大切な視点だと感じました。もしこの視点が抜けているのであれば、一向に事態は変わらないし、変わるチャンスも失われてしまいます。
そして、その「私たち」が、よりポジティブなソリューションを持ち、インクルーシブな世界を作る主導者になるべきだと思います。
誰かがそれをするのではなく、誰でもそれに参加できることがこれからの世界に必要だと感じました。
余談ですが、彼女はアフリカ系アメリカ人で排除されてきた人種であることが書かれています。彼女の人生全てが思想やデザインに生きています。だたそれを単純にネガティブに記述することはしたくありませんでした。インクルージョンの本質と解決を彼女の全てを使って表現しているとポジティブに感じたからです。
排除はアイデンティティに関わることです。だからこそただネガティブで終わらすのでなく、そこから立ち上がるポジティブなソリューションを生み出す最強のパワーに変えられると信じています。
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