新しいものは業界の外から生まれる。大手商社→ベンチャーで新規事業の立ち上げを選択した理由
みなさん、こんにちは。
ニューステクノロジーが大切にする行動指針の1つ、「ゴキゲンにいこう。」になぞらえて、当社社員へインタビューする連載企画「GOKIGENなひとたち」。
今回は、モビリティ事業部の本庄さんにお話をお伺いしました。モビリティ事業部の立ち上げから現在新規プロジェクトの開発を担当されている本庄さんに、これまでのキャリアやモビリティ事業部で成し遂げたいこと、日本のモビリティ業界の可能性についてお伺いしました。
ぜひ最後までご一読ください。
大手企業からベンチャーに転職した理由
ー これまでのキャリアを含め自己紹介をお願いできますでしょうか。
モビリティ事業部の本庄です。新卒で総合商社に入社し、16年間勤めました。トレーディングや資源開発を担当後、直近5-6年は次世代モビリティ事業開発の立ち上げに携わりました。業界の100年に1度と言われる変革時期に、会社としても次世代モビリティ領域に注力していた中で立ち上げから経験できたことは良かったと思います。具体的には、モビリティ関連のスタートアップ投資・インキュベーション、大手自動車メーカーとの電気自動車関連事業開発を推進していました。そして、昨年ニューステクノロジーにジョインしました。
ー 大手商社からベンチャーに転職した理由を教えていただけますか。
大きく分けて二つ理由があります。一つ目は、総合商社は大きな組織であるため全社戦略から自分の所属する組織の戦略まで戦略レベルは細分化されており、基本的に所属組織の戦略を大きく逸脱して事業を0ベースから自分で構築していくことは難しいケースが多いです。したがって、組織戦略にコミットして事業推進していくとなんとなく着地地点が想定できてしまうんです。ニューステクノロジーのようなベンチャー企業だと、0ベースで戦略から事業推進まで主体的に携わることができます。それまでの総合商社の土俵を変えて、裁量があるところで自分が出せる結果を試してみたいと思ったので、ニューステクノロジーへの転職を決めました。
もう一つは、モビリティに関連するサービスで、新しい分野のビジネスに興味があったからです。業界に衝撃を与えるような、革新的な新しいサービスは業界の外から生まれると思っています。モビリティでいうと、例えばEVのテスラや自動運転のWaymo(Google親会社Alphabetの子会社)は、元々自動車業界から生まれてはいないですよね。ニューステクノロジーは、メディアを起点に事業を展開していて、その領域で培ってきた「移動体験」という概念が非常に興味深かったことが理由です。
新しい事業を生み出すことのハードルとやりがい
ー 現在の仕事内容について教えていただけますか。
新たな収益の柱となるモビリティ事業部を立ち上げ、新規サービスの開発を行っています。主力事業であるメディア事業に対して、移動やそれに付随するものに対価をいただく移動サービスを作り出すことがミッションであり、現在事業化を進めている段階です。とあるプロジェクトも進んでおり、詳細はまだ言えないのですが、これまで「移動体験」を作ってきた会社ならではの事業を創出したいと思っています。
ー事業開発に挑戦する中でやりがいや大変なことについて教えていただけますか。
裁量のある仕事=自分の成果であり、言い訳のできない評価に直結しますよね。そのような挑戦をしたかったので、それを楽しいと思えることがやりがいになっていると思います。とはいえ、今モビリティ事業部の売上は0。人間拠り所があると精神的に安定すると思うのですが、現在「売上」という支えがない状況ではあるので、プレッシャーは日々感じています。
新規事業の事業化の見通しは徐々に見えてきている状況ですが、事業開発には常にハードルがあり、なかなか思うように進まないことの方が多いです。ただ、0→1で事業をつくる時には必ず誰かが突破する必要があるので、チームで足並みを揃えて、みんなでやりましょうは基本的に上手くいかないと思っていますし、自分がリスクを取ってやり切る覚悟は持ってプロジェクトに臨んでいます。
モビリティ産業の魅力とビジネスの可能性
ー モビリティに携わることの魅力や面白さについて教えていただけますか。
モビリティ産業は、現在100年に一度の変革時期と言われています。日本で1・2を争う産業ですが、巨大産業が変革を迎える時代に事業に携われていることは幸運に思います。
世の中が変化する中では、ニーズに合わせてサービスのカテゴリーが細分化されていきますが、レジェンド産業は巨大市場であるが故に、世の中のニーズに合わせてスピーディーに変化していくことが難しい。
ただ、そこにサービスの開発余地があると考えていて、ベンチャーやスタートアップ企業でも新しいビジネスモデルを生み出すチャンスがあります。コロナ禍を経て、モビリティの市場は普遍的で巨大な市場であることを改めて実感しました。移動の市場自体がこの先なくなることは恐らくありません。普遍的かつ巨大なので、ニッチなビジネスモデルや小さなカテゴリーでも生きていけますし、ビジネスチャンスは無限だと思います。
ー 日本のモビリティ産業の現状について教えていただけますか。
まず、日本のモビリティには2つ特徴があります。1つ目は、作り手(自動車メーカー)が圧倒的に強いということ。2つ目は交通インフラが発達していて、世界でも1・2を争うくらい便利だということです。モノ・サービスが揃っていることで、環境的には優位性が非常に高いです。
一方で日本は課題先進国だと思います。例えば、高齢化社会が進み地方で交通弱者の移動手段が不足する課題に直面しており、まさにそこはビジネスチャンスと言い換えることができますが、解決策となり得る自動運転は日本でまだ現実的に実装するフェーズに至ってないですし、ライドシェアも特例を除いては認められていません。チャンスが多いのに、結局実現できていないことが日本のモビリティ産業の現状です。
理由としては、色々な議論がありますが、スピード感と資金が課題だと思います。例えば、自動運転の商用サービスを開始したWaymoやCruiseは赤字ですが、時価総額は数千億ドルに及ぶんですよね。資金が潤沢なことで、技術開発やサービス改善のスピード感が圧倒的に違うと思います。
ー 今後ニューステクノロジーのモビリティ事業部でどのようなことを成し遂げたいか、今後の目標について教えいただけますか。
MaaSはマネタイズにハードルがあり、黒字化に苦戦しているという話をよく聞きますが、ニューステクノロジーが始めたタクシーサイネージメディア「GROWTH」のように、「そういうやり方やソリューションがあったよね」と言われるような、新たなモビリティビジネスを生み出したいと思っています。