最近の情勢(2022年9月20日~22日) ミニ解説(ロシアの動き・日銀)

気になった国際情勢を簡単に解説します。もしかすると、これだけでは本質は分からないかもしれません。ただ多角的に伝えようとは思っています。

ある程度ニュースを見ている人は理解しやすいかもしれませんが、それ以外の人にもわかるように心がけました。


ロシアへの編入を望むか? 解放されたザポリージャ州、ヘルソン州、ドネツク、ルガンスク両人民共和国の住民感情


ロシアの主張を広めたいと考える「スプートニク」の記事です。
ザポリージャ州・ヘルソン州・ドネツク州・ルガンスク州でロシア領にするかどうかを決めるための住民投票をすることが決まりましたが、その前に配信された記事です。結果的に住民投票の正当性を訴える記事となりました。
ロシアは2014年に、ウクライナ領だったクリミア(国際的には今もウクライナ領です)を一方的に住民投票を行い、「9割以上が賛成した」ということで、勝手にロシア領としました。ウクライナとして見れば、2014年のトラウマがあったため、住民投票をすることをやめさせたいという狙いがありました。9月11日に行うといわれていましたが、ロシア軍のウクライナでの劣勢により開催ができませんでした。なので無理に行ってロシア領を増やそうと考えていると思われます。

この記事について一言:世論調査について

この記事では、調査方法がわかりません。どうやって1000人を選んだのかわからないため、これを日本のメディアがやったら批判されるでしょう。なぜなら、「プーチン大統領は素晴らしい」と主張している人1000人に聞くのと、「プーチン大統領がやっていることはひどい」と主張している人1000人に聞くのでは結果が全く違うからです。
(日本の)新聞なら5面周辺に方法が記載されています。基本的にランダムで発生した電話番号に電話をかける方法で行います。そうすることで日本の縮図になるようにしています。
どういう方法で世論調査を行っているかを説明していることが、少しでも質を高めています。

補足:ロシアは、ドンバスの住民の意思表明を支持する=露下院

一応ロシア政府は介入していない形をとっているようです。「ロシアは住民投票をすることを決めた」という表現をしているメディアもあるのでしょうが、実際は「ウクライナで占領しているロシアの仲間たちが自分たちの意向で住民投票をすることを決めた」ということです。

ロシアで部分動員発表=プーチン大統領

ロシアの主張を広めたいと考える「スプートニク」の記事です。
30万人を新たにウクライナに動員するといいます。軍人の経験者で、一般国民が動員されることはないということです。
今までは志願兵が戦線に送り込まれていましたが、志願していない人を集めても効果的に作戦が進まないという考え方もあります。兵器不足も深刻になっている点を考えると、(ウクライナ側が)過度に心配することはないのかもしれません。
ロシア側は将軍クラスが死傷したと一部報道されているからこそ、失敗した作戦から立て直すことは難しいと想像できます。
逆に、プーチン大統領の焦りが現れているのかもしれません。

政府・日銀 急速な円安に市場介入 24年ぶりドル売り円買い介入

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220922/k10013831971000.html

ふつうは日本銀行がドルと日本円を交換する場所に入り、日本銀行が持っていたドルを売って日本円を買うということを行いました。結果、1998年以来の円買いのための市場介入となりました。
急激な円安が続いています。4月ごろの日銀は「日本にとって良いことだ」というニュアンスを出していましたが、次第に「憂慮しなければいけない」というニュアンスに変わっていきました。主に原材料を輸入に頼っている企業にとっては一安心というところですが、政府が介入することなく自由にやり取りすることが前提の為替市場、そこに介入したのはよかったのか説明が求められるでしょう。ただその説明で失言をすると逆効果、つまり円安に逆戻りする可能性もありますので慎重になる必要があります。
そもそも1回程度の市場介入は今があるのかという考えもまたありますので、円安に苦しみ人にとっては安心できない状況が続きます。

補足:金利差の動向

円安の大きな原因とされる金利差。ヨーロッパもアメリカもスイスも金利を上げています。
金利を上げても効果が出ていない国もありますが、それとは別の意味で日銀は政策金利を上げずに現在の金融政策を続けることを表明しました。日銀総裁が変わる来年の4月までは同じ政策を続けるとみられます。


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