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6時間暇つぶし 50mmマニュアルレンズ写真日記 2023年12月27日-1

 自宅を出る前に犬を撮る。オールドレンズといっても1979年発売なので、さほど古いというわけでもなく、収差はそれほどでもない。といいつつ、開放では何となくボケがぐるぐるしている。

 デパートに車を停める。店内には案の定、クリスマスが過ぎても片付けられていないツリーが堂々と立っている。

  朝方はけっこう肌寒かったが、昼頃にはすっかり暑くなり、上着を着てきたので汗が出てきた。街中では半分ぐらいの人が上着を羽織っている。

 夕方6時からの日本人同士の忘年会までざっと6時間。デパートから地下鉄で6駅のところにある、写真屋街に行く。同時プリント屋やスタジオが20~30店もひしめいていた全盛期は20年前まで。いまでは写真屋など3, 4店しかない。「カラー」といった看板が朽ちたまま、食べ物屋の新しいそれが覆い隠すように掲げられている。

 1時間ほどの現像を待っている間、向かいの小さな公園に行く。こちらは10~20人の手相や占いの怪しい人たちがシートを敷いただけの店を出していたが、やはり廃れて今や2, 3人に。

 寒いからといって無理やり服を着させられた野良犬。寒い日が続く間は良いが、暑さが戻ってくるときは誰も脱がせてくれないので、薄汚いまま。

 地下鉄で4駅戻り、前回行こうと思って時間切れで引き換えしてきた仏教寺院を探してみる。グーグルマップで見る限り、古くてごちゃちゃごちゃしたフラットの裏側にある。

 道に迷った。本格的にフラットが並ぶ区画に入り込んでしまった。洗濯物が西日をまともに受けている。

 何となく遠回りして寺院にたどり着く。ナーン・タキアンという精霊だか女神だかが盛大に祀られていた。はっきりいって気味悪い。

 ちゃんと祈りを捧げている女の子がいた。タキアンというのはそもそもフタバガキ科の木の名称で、ナーン・タキアンはそれに宿る精霊。タキアンの木は宝くじの数字を当てるときにも利用される。タイの人は結局、何のために祈っているのだろう、と思ってしまう。

 寺院自体はベタな造り。敢えて逆光気味に撮ってみたが、キヤノン特有の色乗りでべったり感が出ている。40年以上前の設計の割には、ハイライトもアンダーも粘っている感あり。それともソニー製のセンサーのおかげか?

 寺院を出て通りに戻る。最初に撮ったフラットのわきに、寺院名が書かれた青色の看板があった。たいていは赤と黄の派手な看板なのに、ここはなぜか地味な青で、完全にスルーしていた。

今日の制約:Canon FD 50mm F1.4。FDの後期型なのでいわゆるNew FD(NFD)。本来のメインの機材がキヤノンだったので、当レンズもキヤノンのデジカメに付けていたのだが、2年前も手放したためソニーで撮ってみた。

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