コーチングに関する学術論文を紹介していきます。
2023年4月8日。今日、立教大学大学院 経営学研究科の博士課程(後期)の入学式に参加してきました。 先月久しぶりに会った友人に「4月から大学に通う」と伝えたら驚かれました(当たり前か)。とはいえ、過去2回の転職時でも同じように驚かれた記憶があります。 1回目は27歳で社員4000人の野村総研をやめて社員60人のコーチング会社(コーチ・エィ)に転職した時、2回目は40歳でAIスタートアップ(エクサウィザーズ)に転職した時です。 そして、今回は43歳でなぜ博士課程なのか。
ちょっと衝撃的な冒頭でした。 2024年現在、「管理職になりたくない問題」というのをニュースで見かけますが、今から40年以上前、1981年の時点ですでにこの問題は始まっていたんですね。 そして、ページをめくると1章が始まります ここも!? 今でもHRサイトの記事タイトルにできるテーマです。 高度経済成長が終わり、バブルになる前の80年代前半。社会には停滞感があったんですね。 その影響で、管理職がありかたを再検討されました。たとえば、管理職位の階層の短縮化や管理職の削減など
いわずと知れたベストセラーですが、今さらながら読書メモを書いてみます。こちらの超分厚い本、手に取ってみられた方も多いんじゃないでしょうか。 まず、本の目次を見ると「経済学」や「心理学」と書かれていて、「あれ?経営学の本じゃなかったっけ?」と思う方がいるかもしれません。 その疑問に答えるには、まず経営学の立ち位置を知る必要があります。 経営学は「企業」という領域を特定した学問領域です。(榊原, 2013) 経営学は「企業」を研究するために、様々な学問の理論的な枠組みを活用し
注 研究者向けのコラムなります。 研究を進めるにあたり、「世の中をどのレンズを通してみるのか?」というスタンスを明確にする必要があります。それを認識論と言います。 アンケート調査など定量研究の方は基本的に実証主義に乗っているので、認識論を意識することは定性研究より少ないかもしれません。 私は、定性研究をしているんですが、研究方法を検討する段階で認識論を理解していきこれは奥深いな、、、(汗)となりました。認識論と調査方法がミスマッチだと、それだけで査読が通らないので、定性
こちらの論文より 清水 紀子 2008, 中年期のアイデンティティ発達研究 : アイデンティティ・ステイタス研究の限界と今後の展望, 発達心理学研究 アイデンティティはEriksonの心理・社会的発達段階の中で青年期の課題として提唱された概念である。その対象は青年期だけでなく生涯にわたるとされている。中年期のアイデンティティ発達の議論にはアイデンティティ・ステイタス(Marcia, 1966)の移行過程が用いられてきた。 アイデンティティ・ステータス ・危機の有無、自己投
(自分のためのメモなので、読者を意識しておらずご容赦ください) 定性研究について指摘された弱点を克服するために、方法論を体系化した書籍。原著は2005年、日本語訳は2013年に出版されている。 著者のアレキサンダー・ジョージはスタンフォード大学政治学部で長年教鞭をとられた著名な研究者。アンドリュー・ベネットはジョージタウン大学政治学部教授で定性的方法論のリーダー。 印象に残った部分をピックアップ(4-6章中心にしか読めていないので、必要に応じて再読する) ・理論を形成
「コーチングの成果」論文レビューの第3弾。 今回はお待ちかねのエグゼクティブ・コーチの成果についてです! 仕事で10年以上調査していた身としては、非常に面白い内容でした。 この論文では11種類のエグゼクティブ・コーチングの成果を特定し、さらに成果を生み出す5つの要因まで明らかにしています。 「旅なのか?目的地なのか?」という副題もおしゃれですね。筆者は、University of LondonとUniversity of Oxfordで組織行動を専門にしているおふたりで、