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お城のおそうじやさん

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#絵本

お城のおそうじやさん #17 fin

お城のおそうじやさん #17 fin

半年後。

「あなたは、今日は5階のそうじをお願いね」

元気な声がおそうじがかりの部屋から聞こえてきます。

「カラ!レオノール女王がお呼びよ。相談したいことがあるんだって」

アデルの声です。

「あら、今日は忙しいんだけど、、、わかったわ」

カラは5階の鍵の束を新入りのおそうじがかりたちに手渡すと

女王の部屋へと向かおうとします。

「あとは私がやっておくから、ゆっくりしてらっしゃい」

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お城のおそうじやさん#16

お城のおそうじやさん#16

数日後

カラ、レジーナ、アデル、アビー、そしてフィンの5人は、

レオノール女王から勲章を授与されるために大広間にいました。

着なれないドレス、フィンはタキシードを着ています。

カラの名前が呼ばれました。

女王がいる祭壇へとカラがゆっくりと向かいます。

ふと横に目をやると、ヤヌーに代わり大臣となったのは

元々レオノール女王の下で大臣をしていたものの

アビドラたちによって失脚させられた

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お城のおそうじやさん #15

お城のおそうじやさん #15

大臣の部屋にある椅子を使い、

シャンデリアに括りつけられた魔法の杖を取り外すと、

カラは窓の外で待ち構えていたフィンの背中におんぶされ

7階の女王の部屋へと降りました。

カラの到着を待っていたレオノール女王。

カラに感謝の言葉を伝えると、魔法の杖を手に取り呪文を唱えます。

醜い姿の獣は、一瞬にして紫色の煙に包まれました。

数秒後、煙の中から元の人間の姿へと戻ったレオノール女王が現れま

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お城のおそうじやさん #13

お城のおそうじやさん #13

キャビネットにもクローゼットにも、

絵画の裏にも、魔法の杖はありませんでした。

「どこにあるのよ!」

目ぼしい隠し場所を全て調べ終えたカラの焦りは頂点に達していました。

「冷静になって」

カラは自分に言い聞かせます。

「大臣の気持ちになるのよ。

命の次に大事な魔法の杖。

自分が大臣だったらどこに隠す?

キャビネットやクローゼットじゃ捻りがない。

すぐに見つかってしまうじゃない。

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お城のおそうじやさん #14

お城のおそうじやさん #14

カラは再び集中し考えます。

私が大臣ならどこに隠す?

光り輝く宝石の付いた杖を隠すのに最適な場所。

わからない!

カラは頭を抱え、天井を見上げました。

光り輝く宝石...

カラが見上げた天井には、

それはそれは豪華なシャンデリアが取り付けられていました。

「何をしてる、そこをどけ!」

ヤヌー大臣は、部屋の前でそうじをしているアビーに向かい命令しました。

「申し訳ございません。

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お城のおそうじやさん #9

お城のおそうじやさん #9

(レオノールが書いた文章のつづき)

この国には遥か何千年んも前から伝わる魔法の杖があるのよ。

このことは国王一族しか知らず、

その隠し場所も国王一族以外には明かされていない。

この魔法の杖を使えば、国を滅ぼすことだってできる。

自分の権力のために使えば大変なことになる。

そう考えた歴代国王は、

この杖の存在を一族以外の誰にも口外せず

また自身がその杖を使うことなく隠し続けてきたの。

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お城のおそうじやさん #8

お城のおそうじやさん #8

「うまく喋れないのね。文字は書けるかしら?」

カラは胸ポケットに入れていた万年筆を取り出し、

窓にかけられたコットンでできたアイボリーのカーテンをちぎると

テーブルの上に置きました。

「あなたのこと教えてちょうだい」

カラの言葉に反応するように、化け物はゆっくりとテーブルに向かい

椅子に腰かけ、紙に何かを書き始めました。

爛れていて皺だらけの手から書かれた文字は、

とても醜い化け物

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お城のおそうじやさん #7

お城のおそうじやさん #7

月明かりに照らされた部屋の中はそれでも暗く、

かろうじて部屋の大きさと家具が数点置いてあることが

わかる程度でした。

部屋は4歩もあるけば反対側の壁にぶつかるほどの広さで

このお城の中では小さい方の部屋でした。

中央に椅子が二脚と、テーブル言一卓置かれていました。

そして、壁際には質素ななシングルベッドが1つ置かれていました。

「誰かいる?」

カラの問いかけに反応する者はいません。

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お城のおそうじやさん #6

お城のおそうじやさん #6

フィンは、城の天辺に着くと

腰ににロープを回し、城の塔の先にある金具に

ロープをしっかりと固定しました。

いつもと違うのはもう一人、フィンの背中に人間がいることです。

「大人でもちぎれないロープだから大丈夫だと思うけど

暴れたりするなよ!」

「大丈夫よ、フィン。本当にありがとう。

それに私、すごくスリムだから!」

フィンはふてくされた表情でカラの腰にもロープを回します。

「アビー

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お城のおそうじやさん #5

お城のおそうじやさん #5

仕事を終えてお城から帰るところだったフィンが

窓拭き係の部屋の前で待ち伏せしていたアビーに連れられ

カラたちがいるおそうじ係の部屋にやってきました。

「なんだよ急に!今日は帰って妹と遊ぶ約束をしてるんだ」

フィンはなぜ自分が呼び出されたのか、

4人の女に囲まれ何を言われるのか、

戸惑いを隠せませんでした。

「ごめんなさいね、フィン。教えて欲しいことがあってね」

レジーナはそう言うと

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お城のおそうじやさん #4

お城のおそうじやさん #4

レジーナによると

半年ほど前、突然大臣がおそうじ係の部屋にやって来て、

(普通は大臣がおそうじ係の部屋にくることなんてありません)

7階の鍵の束を渡すよう言われたというのです。

そして、鍵を1つ外すと、自分のポケットにしまい

「今後7階は全ての部屋を使わないことにした。

なので、そうじをする必要はない。

もし7階に立ち入るようなことがあれば厳しい処罰を下す」

と告げ、部屋を出て行っ

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お城のおそうじやさん #3

お城のおそうじやさん #3

お城のおそうじは思ったより大変でした。

床を掃き、モップがけ、窓を吹いて、

豪華な調度品も一つずつ丁寧に拭いていきます。

「とても1日で20部屋は無理だわ。」

カラは、他のみんなが1日に20部屋もそうじしてるなんて、

どういうことか想像がつきませんでした。

陽が落ちはじめ夕方になりました。

カラは、12部屋目ののそうじを終えたところでした。

「あと一部屋そうじしたら、終わりの時間ね

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お城のおそうじやさん #2

お城のおそうじやさん #2

カラは部屋の中央に置かれたイスに座りました。

「はじめまして。私の名前はレジーナ。

このお城のおそうじ係として、もう50年以上働いているおばあさんよ。

今日からよろしくね、カラ」

「よろしくお願いします。でも、50年以上なんてビックリ。

そんなに働いているんですか?」

カラは驚きを隠せませんでした

「ええ。14才の時からずっとここで働いているわ」

「私も14才なんです」

レジーナ

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