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tr413
noteとツレ
ツレが唐突に言い出した。
「夜宵★ちゃん、ブログやってみろよ。」
どうやらツレは、あわよくば小金稼ぎをと目論んでいるらしかった。
どうせならぐうたら生活を決め込んでいるこいつを使ってやれ、と思い立ったのであろう。
まぁいいけど。でも私PCできないよ。
「文章は考えるけど、操作はやってよ。」となり、
とりたてて障害もなく、ツレの「夜宵★人気ブロガー化計画」はゆるやかに始動した。
UPの仕方はわからないから、普段つらつら考えていたことを、とりあえずスマホに起こす。
なんかおもしろいな。
やりだすと俄然ノッてくる。
帰宅したツレに「今日何してた?」と聞かれ、「執筆」とシレっと答える私。
ツレは半笑いである。
いくつか溜まったのでツレにUPを依頼すると、
「平日はやる気がしない」
というふざけた返事あり。
おい!
こっちはすっかり温まってんのにノリの悪い奴だ。
やる気が逆転してしまっている。
「じゃあやり方教えてよ」とせがみ、私がUPまでやってみることに。
そうしていくうちに、ツレはさしてブログの方法論を熟知しているわけではないと知ることとなる。
さわり程度聞き、ほとんど私の試行錯誤でUPまで漕ぎつける。
「へー、こういう風にやるんだ。」
とツレは既に他人事のような口ぶりである。
それから、最終チェックのみツレにお願いするようになった。
「これじゃあお金は稼げないな。」
とツレ。
「夜宵★人気ブロガー化計画」企画倒れ。
当たり前だ。そんなこと最初からわかってる。
だけど、書くことは楽しい。楽しいと知った。
思っていることを正確に表すのに、ぴったりくる言葉が浮かばなくて考えこんでしまうことばかりだけど、
四苦八苦しながらもそこから離れられないのは、好きだからなのだろう。
文章が仕上がると気分がいい。
「夜宵★ちゃんが楽しそうでよかったよ。」
何の気なしに言葉をかけてくるツレ。
―――無神経で不粋だけど悪気はない奴なのだ。